さりげないメロンの風味とパンのうま味を味わえる
昭和に青春を送った者にとって、若いころのメロンパンはけっこう微妙な存在…だったのでは。表面デコボコの黄色い甘いパンに、いったいどこがメロンなのだろう、 と。
それが2000年代に入ってメロンパン・ブーム到来。その荒波にもまれてメロンパンが驚くべき進化を遂げます。
メロンパンの進化に大いに貢献したと言われているのが、海老名SA(下り)のパン店「ぽるとがる」の「海老名メロンパン」(230円)。
パン屋「ぽるとがる」は、約25年前に高速SA初のパン店としてオープン。
ここで販売される「海老名メロンパン」は、20年ほど前からバスガイドさんなどの口コミから大人気となり、2003年には現在のようなメロンパン専門コーナーを通常店舗の横に新設。
1分間に9.5個のペースで売れていく海老名メロンパン
以来、現在まで人気をキープ。それどころか、今年の4月下旬には物販個数世界一のギネス記録を達成。なんと48時間で2万7503個を販売。
平均で1分あたり9.5個という、ものすごい数。ブームを超えるド定番の存在です。
では、その人気の秘密はどこにあるのでしょうか? それは、やはり味。
改めて「海老名メロンパン」を食べると、やや硬めの表面には砂糖がまぶされ、黄緑の中身は柔らかくて甘さが控えめ。パン本来のうま味が楽しめ、ほんのりとメロンの香りが鼻をくすぐります。
合成ではなく、本物のメロン果汁を使っているのも嬉しいところ。
ベタベタと甘くないのでグイグイと食が進みます。このさりげなさが、何度も食べたくなる人気の理由ではないでしょうか。
1個ずつ包装されているのでパサパサに乾かず、お土産にも持ち帰っても、美味しさが変わらないのも人気の理由のひとつ。
素のメロンパンではもの足りないという人には、よりパンチの効いた「プレミアムメロンパン」(280円)や季節限定品などのバリエーションも多数用意されています。リピーターへの心配りですね。
海老名SA(下り)
至 東京 横浜・町田IC → 海老名SA(下り) → 厚木JCT 至 静岡
東名高速道路の東京をスタートして、最初にあるSA。利用者の数は国内屈指という大型のSAだ。
最近になって圏央道が東名高速と接続しており、海老名SAのすぐ先に圏央道へと続く厚木JCTができた。静岡方面だけでなく、圏央道に向かう前の休憩としても海老名SAの役割はさらに大きくなっている。
東京方面からゴルフ場へ向かう人は朝の小腹対策に。厚木や静岡方面の家に帰宅という方はお土産にもいいはず。
TEXT/PHOTO Kenichi Suzuki