今季、6月の全米オープンを2連覇、さらに8月の全米プロ選手権でも優勝を挙げたケプカ。PGAツアー通算4勝のうち、3勝がメジャーという大舞台での強さの秘密は? メジャー王者ケプカのスウィングを吉田洋一郎プロに解説してもらった。

ブルックス・ケプカ(Brooks Koepka)。28歳。フロリダ州立大学卒業後は、欧州下部ツアーで腕を磨く。15年の「ウェイスト・マネージメント・フェニックス・オープン」でツアー初勝利を果たすと、17年全米オープンでメジャー初制覇。18年には全米オープンを連覇、全米プロでメジャー3勝目、今いちばん勢いのある選手。

下半身主導だからプレッシャーにめっぽう強い! 
【吉田洋一郎`sポイント】

今季メジャー2勝を挙げたケプカ選手。昨年、日本で優勝したダンロップフェニックスの会場で、会話するチャンスがあったのですが、彼はいい意味でかなりの鈍感力の持ち主。

スウィングについても、ギアについても、過剰にこだわることはせずに、全体として大らかな性格のタイプという印象を持ちました。大舞台でもブレないメンタルとブレにくいスウィングが、彼の一番の武器ではないでしょうか。

彼はブッチ・ハーモンの息子、クロード・ハーモンⅢコーチのもと、下半身の動きで上半身と腕を動かすスウィングを身につけてきました。

フェース使いは、シャットでもオープンでもなく、ニュートラル。テークバックは足50、上体50のバランスで上げていきます。

例えば、右足の踏み込みでテークバックするダスティン・ジョンソンは、体の右サイドがグーっと伸びていきますが、ケプカはテークバックで右ひざの高さが変わりません。上下のバランスで回転しているからでしょう。

下半身主導のスウィングが顕著になるのは、トップからダウンスウィングです!

トップから左足を左下方向へ踏み込んで切り返します。後方から見ると、右ひざがかなり曲がっています。これは踏み込みの強さを表しています。

ダウンスウィングからインパクトに向かって、強く踏み込んだことで生まれた地面反力を活かして積極的に左ひざを伸ばしていきます。

左ひざが伸びて左サイドが斜めに切り上がることで、上半身が縦に回転し、腕とクラブが振られていきます。バケツに入った水を両腕で持ち、そのバケツを遠くへ投げるような腕使いですね。

左ひざが伸びると、インパクトゾーンでの前傾が深まる!

後方からインパクトを見ると、アドレスよりもインパクトのほうが前傾姿勢が深くなっています。これがケプカのショットがブレないポイントです。

左ひざを伸ばして下半身を主役にしているから、上体の前傾がまったく浮き上がらないのです。

インパクトエリアでの前傾が深いから、パットストロークのようなストレート軌道に近づきます。

一見すると、鍛え上げた上半身を回して振っているようですが、トップからフォローまで完全な下半身リードのスウィングです。

どんな舞台でもプレッシャーに負けることなく、いつもと同じように振れる彼の強さは、ここにあるのだと思います。

【解説】吉田洋一郎プロ
週刊GD連載「Dr.クォンの反力打法」でおなじみ。D・レッドベターをはじめ、世界の名コーチのもとを訪れ、最新理論を直接吸収。探求・研究に余念がないスウィング構築のスペシャリスト。トータルゴルフフィットネスでレッスンを展開

PHOTO/Hiroaki Arihara Shinji Osawa

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