「やっぱり狭く見えちゃいます~」(記者)

打ち下ろしのホールは、フェアウェイが狭く見えて打ちづらい
「高低差で狭く見えるだけですよ!」(伊丹プロ)

「確かに狭く見えますが…」
【指導】伊丹大介プロ
いたみだいすけ。04年プロ転向。ゴルフスウィングを科学的に分析したレッスンが好評。ゴルフ理論に幅広く精通している。
「ほら、 来てみたらフェアウェイは狭くないでしょ」

「高低差があるぶんフェアウェイが狭く見えますが、実際は狭くない場合が多いのです。見た目に惑わされて苦手意識を持つ必要はありませんよ」
打ち下ろしには低弾道ショットがいい
一番の理由が「滞空時間」
─── 狭く見えるのは目の錯覚だということはわかりました。どんな球筋が良いのでしょう?
伊丹 打ち下ろしでは低弾道ショットのほうが滞空時間が短くなるぶん、風の影響も曲がり具合も小さくなります。
─── 確かに早く着地してくれたほうが安心です。
伊丹 落下角度も小さくなるのでランが出てトータル飛距離も伸びるのです。

─── 低弾道のティショットはどうすれば打てますか?
伊丹 ドライバーのロフトを4~5度まで立てて上から打ち込むことが重要です。
─── なんか難しそうです。
伊丹 それほど難しくないですよ。ロフトを立てるにはしっかり左足に体重を乗せていくこと。極端な話、ダウンスウィングで体が目標方向に突っ込んでいいんです。すると上から打ちやすくなりロフトが立ってインパクトが迎えられます。
─── 体が突っ込むと左に曲がるイメージがあるんですが……。
伊丹 それが出ないようアドレスで調整しましょう。まず、クラブを短く持ちます。するとシャフトのしなり戻りの量が少なくなるので、ボールがつかまりにくくなります。ローフェードを打つイメージを持つのがいいですよ!
低弾道ショットのコツ① ダウンスウィング以降は突っ込むくらいでOK

目標に正対するつもりで胸を思いきり回しましょう。上体は突っ込んでいいです。頭を残す意識が強すぎると右足に体重が残り、アッパー軌道になりがち。決してNG写真ではありませんよ
低弾道ショットのコツ② 目線を下げる、グリップは短く!

目線を上げるとインパクトでロフトが増えがち立ちにくい。目線は地面か背の低い木に合わせよう。低く設定することで上から打ちやすくなる

「短く持つと、しなり戻りの量が抑えられて引っかけを防止できます。また、タテ振りになるので入射角が鋭角になって低い球が出やすいんです。スタンス幅も狭くしておけば、体重を左足に乗せやすくなります」
さらに、ボールをヘッドよりも低くセット!

「低弾道を打つときはクラウンからボールが出ない高さにセットすれば、ボールを上から叩きやすくなります」
低弾道ショットのコツ③ 打って終わりの気持ちが大事
── 当然、「フォローは低く」ですよね。
伊丹 低くというよりも、打って終わりでOK。胸を回して打ったらお仕舞いの意識です。打って終わりの体勢を素振りでやってから打つといいですよ。
── なるほど。体に覚えさせておくわけですね。
伊丹 ボールにヘッドをぶつけて終わりのつもりで打ちましょう。結果的にロフトが立った状態でインパクトが迎えられます。

打つ前に左足に9割ぐらい体重を乗せ、3秒間止まることで形を頭と体に記憶させましょう

インパクトで終えるつもりでも首の高さまでは惰性で振れます。大きなフィニッシュは不要です
伊丹 ひとつ注意してほしいのは、トップまではいつもと同じスウィングでいいということ。バックスウィングを小さくすると、ヘッドスピードが落ちてしまい、ボールに伝わる力が小さくなってしまいます。
PHOTO/Yasuo Masuda
THANKS/小田原城CC
週刊GD2018年8月21・28日号より