世界一タフなサーキット。一周20.832キロ、コーナーは大小合わせて172!
世界で一番タフなサーキットと言われているのが、ドイツのニュルブルクリンクのノルドシュライフェだ。ニュルブルク(ニュル城)にあるリンク(サーキット)なのでニュルブルクリンクと呼ぶ。
ノルドシュライフェは「北コース」という意味で、現在は20.832キロだが、1927年にオープンしたころは22.8キロだった。南コースもあったが、1984年に安全性を高めるために改修され、F1も開催できるグランプリコースになった。
有名なニュル24時間レースは、このGPコースの一部と、ノルドシュライフェのフルコースを使って開催される。昔は大規模な草レースだったが、いまや世界の自動車メーカーが凌ぎを削っている。
コース全体で、高低差なんと300メートル!
ノルドシュライフェがなぜタフなコースなのかというと、高低差が約300メートルもある・・・ということ。道路の最大勾配は17%と、通常のサーキットとは別次元だ。
レースでは、そんな場所をもの凄く速いスピードで走るから、クルマがジャンプするシーンも見られる。2015年にはレース中にニッサンGT-Rが宙を舞ってしまい、観客席に飛び込む事故になったため、2016年までには勾配の終わりをなだらかにする工事が行われた。
一般の人も「ニュル専用」レンタカーで走行できる
ウィークデイの昼間の時間帯は、インダストリアルプールといって、カーメーカーやタイヤメーカーなどが日々走行テストを行っている。こうして足まわりやハンドリングなど、クルマもタイヤも過酷なニュルで鍛え上げられていく。言わばクルマの世界の聖地だ。
実は、各メーカーの走行テストが終わった夕方からと土日は、一般のドライバーも走行することができる。ニュルブルクリンクには、走行するための専用のレンタカーショップもある。
Text/Kiyoshi Komoda