“ゴルフ”の名は「メキシコ湾流」という意味のドイツ語!
VWゴルフの初代モデルは、あのVWビートルの後継として1974年に登場。合理的な横置きエンジンのFF2ボックスパッケージや、イタリアの工業デザイナー、G・ジウジアーロによるスクエアなスタイリングは世界中で大ヒット、Cセグメントと呼ばれる人気ジャンルをつくった先駆者モデルでもある。
【Cセグメントとは?】
ヨーロッパ車でよく使われるクルマの分類方法。全長を元に決められるが、じつは厳密な基準はない。現在だとだいたい全長4200〜4600mmのハッチバック/セダン/ワゴンをCセグメントと呼ぶことが多く、最近はSUVもそう呼ばれることもある。フォルクスワーゲンモデルでいうと、up!がAセグメント、ポロがBセグメント、ゴルフはCセグメント、パサートがDセグメントと分類される。
「ゴルフ」という名前は、じつはドイツ語で「メキシコ湾流」を表す「Der Golfstom」から名づけられ、我々のゴルフとは、実は意味合いのルーツは違う。ただし、ホットハッチの元祖とも呼ばれた初代ゴルフGTIのインテリアを見ると、シフトノブがゴルフボール型になっているので、スポーツのゴルフとクルマのゴルフは、まったく関係がない、とも言い切れない。
では、ここで問題。現在日本で売られているフォルクスワーゲン・ゴルフは、初代から数えて何代目になるでしょうか?
正解は「7代目」。
初代は1974年登場。全長は3725mmと、いまの感覚で見ると、そうとう小さなボディだった。
翌年75年には日本でも発売。ヤナセによる取り扱いだった。
デビューの翌年、1975年にはハイパワーエンジンを搭載したホットハッチモデル「ゴルフGTI」も誕生、このモデルは世界中で大ヒット、この後、歴代モデルには必ずGTIグレードが設定された。またオープン4シーターモデル「ゴルフカブリオ」を設定。2代目ゴルフⅡにはオープンモデルが設定されなかったため、2代目ゴルフが発売された後も併売された。
1983年には初のフルモデルチェンジを敢行。丸目2灯のデザインは初代を踏襲しながら、全長は3985mmと260mm拡大。日本での発売開始は1984年だった。
3代目ゴルフは1991年発売、1992年に日本でも登場した。全長はさらに大きくなり、4020mmとついに4mの大台を超えた。ただ車幅が1695mmだったため、日本においては5ナンバーをキープしていた。
4代目ゴルフは1997年登場、98年日本導入。全長は4155mm、そして全幅がついに1700mmを超え1735mmと、日本において3ナンバーサイズとなった。このゴルフⅣには、3.2リッターV6エンジンを搭載した4WDモデル「R32」も設定された。
5代目は、2003年に発表。日本では翌04年に発売。「GTI」モデルには、クロームで縁取られた派手なフロントマスク「ワッペングリル」を採用。このゴルフⅤのGTIは日本でも人気を博し、今でも街でよく見かけるヒットモデルとなった。1.4リッターガソリンにターボとスーパーチャージャーを組み合わせたツインチャージャーのダウンサイジングエンジン、1.4TSIが搭載された最初のモデルだった。
6代目ゴルフは2008年に発表。日本では翌09年に上陸。全長は4210mm、全幅は1790mm。プラットフォームは先代を流用している。
そして、現行の7代目ゴルフは2012年に発表。日本では翌13年に発売が開始された。新プラットフォーム「MQB」を採用、先代よりもひとまわり大きくなったが、先代同グレード比で100kgもの軽量化を果たした。
2016年にビッグマイチェンを受けて、日本でも17年5月に発売された。さしずめ、現行型は「ゴルフ 7.5」と言えるかもしれない。