最近のドライバーは長くなり、ヘッドも大型化。ミスヒットに強い反面、振り遅れタイプの人が振ると、右へのプッシュアウトが出やすい傾向がある。「ティショットでいつも右プッシュアウトのミスが出る」という砂田悟さんも、その一人。何をやっても右に行くので、半分諦め気味だと自嘲ぎみ。ボールをしっかりつかまえて、プッシュアウトを無くす方法をティーチングプロの藤原慶昌プロが直接レッスン!
砂田さんの悩み「ティショットで右にプッシュアウトすることが多い」

【指導】藤原慶昌プロ
ティーチングプロ。腰や肩に負担の少ない左1軸スウィングをベースにレッスン。PFGA所属。小手指グリーンゴルフで指導中

【教わる人】砂田悟さん
32歳/ゴルフ歴2年/平均スコア97
砂田さんのスウィング。パワフルで力強さで感じますが…





砂田 ドライバーがどうし ても右に飛んじゃいます。
藤原 まず問題なのが、テ ークバックで腕のローテ ーションの方向が逆になっ ているということです。フ ェースを開くようにしてク ラブを上げていくのが自然な動きなので、本来ならテークバックで、左右の腕が右側に回転します。ところが、砂田さんの場合は、フェースを閉じたままどこ までも上げようとしているため、腕が左側に回転してしまっているんです。
砂田 確かにそうですね。
藤原 そのせいで、トップ でクラブが目標よりも右を向く、いわゆる「シャフトクロス」という状態になっ ています。シャフトクロス のトップは、右わきが大き く開いた形になるので、それを締めて下ろす必要があります。ドライバーのように長いクラブほどその動きが強くなるので、クラブがインから下り過ぎてしまい、フェースが開いて、プッシュアウトするというわけです。
砂田 ということは、腕のローテー ションを正しく使って、シ ャフトがクロスしないトッ プを作ることが先決ですね。
藤原 そういうことです。そういうトップからなら、 右ひじを絞らずに、体の回転で自然にクラブを引き下ろして、フェースをスクェアに戻してインパクトできます。それと、今までは、何とかつかまえようとして、フォローでも腕をねじっていましたが、インパクトから先も、体の回転でクラブを振り抜いていくようにし てください。
後方から見ると、シャフトが右を指す「シャフトクロス」。プッシュアウトの原因

トップでクラブが目標の右を向く「シャフトクロス」。右わきが大きく開いたこの体勢から打つと、右へプッシュアウトしやすい
腕を左回りさせている砂田さん。この動きがシャフトクロスを生む

腕が左回りしている砂田さん。これがトップでのシャフトクロスの原因だという
腕を右回りさせるテークバックに調整

体の回転に合わせて、腕を右回りさせながらテークバックするように調整
腕を右回りさせることで右わきが締まり、コンパクトなトップに近づく

体の回転だけで振り抜く練習。手を返さずに回転で左に振り抜く
藤原 フォローでは、腕とクラブを体の回転と一体化させて、体の回転でヘッドを左に振り抜いていく意識が大事です。腕の上下を入れ替えて、無理にフェースを返す必要はありません。練習してみてください。
砂田 トップがコンパクトになると、腕を返さなくてもボールがつかまりますね。
藤原 体の回転で左へ振り抜く練習を続ければ、もっと良くなります。プッシュアウトが怖くなくなりますよ。
砂田 腕を無理に返さなくても、ボールがつかまる感覚が分かってきました。ありがとうございます。
7割のスウィングで、体の回転主体で打つ

コンパクトなトップから体の回転主体でボールを打つ。フォローは右腕が地面と平行になるところで止める。腕を無理に返さなくても、ボールがつかまることがわかる。砂田さんはナイスショットを連発
フォローでは腕をねじらずに、体の回転で振り抜く

フォロースルーの違いを体感する砂田さん。以前とは振り抜く方向もまったく違う。「体の回転で左へ振り抜くだけでOKです」(藤原プロ)
「右に飛ぶのを嫌ってシャットフェースを意識しすぎると、かえって右プッシュアウトが増えてしまいます。体の回転に合わせて腕を自然にローテーションしながらテークバックすると、体の回転主体で打てるようになります。手首や体の負担も少なく済みます」(藤原プロ)
PHOTO/Yasuo Masuda
TEXT/Daisei Sugawara
週刊GD2018年11月13日号より