伝統の味をさかのぼれば、ロマノフ王朝へたどり着く
1937年、当時の日本政府が外貨獲得政策として推進した国際リゾートホテル建設事業のひとつとして誕生した赤倉観光ホテル。開業時には東京の帝国ホテルから調理人などが派遣された。
ロシア最後の王家「ロマノフ王朝」宮廷で腕をふるった厨房職人の末裔で、「帝国ホテル」に日本初のベーカリー技術を広めたイワン・サゴヤンに師事した岸本光雄が製靴製パン課に配属、その技が「赤倉観光ホテル」へ伝えられた。
80年余年前続く伝統の味、ホテル「特製フルーツケーキ」。ドライフルーツとクルミ、3カ月漬け込んだラムレーズンがぎっしり詰まったフルーツケーキは、ホテルのお土産でもいちばん人気だ。
新潟の赤倉以外では、全国でここだけ。有楽町のレストラン「レバンテ」
さて本題、このフルーツケーキが食べられるのが、赤倉観光ホテル創業者の大倉喜七郎が、1947年に開業したレストラン「レバンテ」。東京都千代田区丸の内の「東京国際フォーラム」にあり、こちらも70年を超す老舗ビアレストラン。お土産用の特製フルーツケーキをオーダーすると、赤倉観光ホテルの洒落た包装紙にくるまれて出てくる。もちろん店内でワンカットから食べることもできる。
ちなみに大倉喜七郎とは、1922年に大倉財閥創始者である父親・大倉喜八郎の跡を継ぎ、帝国ホテル会長を務めた人物。その後、ホテルオークラなど日本のホテル業界に大きな足跡を遺し、彼が作ったホテルの中には、赤倉観光ホテル、川奈ホテルがある。
井上誠一設計「赤倉ゴルフコース」
1963年に9ホールが開場。71年に井上誠一が9ホールを増設し、同時に元あった9ホールも改修して、18ホールとなった。現在でも6ホールが当時のままの姿で残っている。
赤倉ゴルフコース
18H・6481Y・P72
新潟県妙高市田切216
TEL.0255-87-2502
2018年は11月28日から積雪クローズ。冬季は赤倉観光リゾート&スパ、スキー場として営業
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川奈ホテルの名物「フルーツケーキ」もルーツは一緒
「川奈」のお土産と聞いて真っ先に思い浮かぶのも、「特製フルーツケーキ」ではないだろうか。ご覧のとおり、見た目は赤倉観光ホテルのものと瓜二つ。赤倉同様、開業時に帝国ホテルからシェフを呼び寄せ、独自のメニューを開発していったためだ。
厳密には使用するフルーツの種類や製法や味に微妙な違いはあるが、帝国ホテルがルーツであるところは一緒だ。
世界のベスト100コースに名を連ねる「川奈ホテルゴルフコース 富士コース」
1928年に大谷光明設計で大島コースが開場、36年にC・H・アリソン設計で富士コースが完成。米専門誌の世界のベストコース100に富士コースは出されている。
川奈ホテルゴルフコース
36H・12412Y・P142
(富士C 18H・6701Y・P72)
(大島C 18H・5711Y・P70)
静岡県伊東市川奈1459
TEL.0557-45-1111
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