数多くのクラブを手掛けてきた設計家・松尾好員と、試打のスペシャリスト・堀越良和プロが、最新クラブを打って、測って研究する「ヘッドデータはウソつかない」。今回はテーラーメイドのP760アイアン。飛び系ツアーモデルです!

安定した挙動で本番力が高い

ツアーモデルということで全体的にシャープな上級者好みの顔つきです。9Iから打ってみると、軟鉄鍛造の1ピース構造らしいソフトな打感で、フェースにボールが乗ってくれます。続いて、中空構造の5Iと7Iを打つと、9Iと比べて、打感や打音に微妙な違いはあるものの、特に気になるほどではありません。内部の充填剤の効果か、中空ヘッドにありがちな、打感や打音の悪さは上手に解消されています。(堀越)

画像: 3I~7Iは中空構造。内部の充填剤で打音や打感が良くなった(写真/5I 7I 9I)

3I~7Iは中空構造。内部の充填剤で打音や打感が良くなった(写真/5I 7I 9I)

一般的なアスリートモデルに比べると、ほんの少しロフトが立っていますが、適度な弾道の高さで、飛距離もしっかり出てくれます。オフセンターヒットに強く、特にトウ寄りに当たっても、方向性や飛距離が安定しています。

ヘッドの挙動が安定しているので、ラフやライの悪い場所からでも、フェアウェイと同じように打てる。本番力の高いアイアンで、グリーンオンを逃すミスが、確実に減らせるでしょう。

もう少しアイアンを飛ばしたい、やさしく打ちたい。そんな上級者にオススメです。(堀越)

クラブ慣性モーメントは抑えめ

クラブ重さがやや重いですが、クラブ長さはやや短く、スウィングウェートも小さいので、クラブ慣性モーメントが抑えられています。ヘッドはテーラーのプロモデルらしくオーソドックスな形状で構えやすく、P730アイアンよりやさしいイメージが出ています。(松尾)

試打クラブはモーダス3ツアー105でしたが、ストレートネックと大きなロフト角で球は上がりやすいです。また、ヘッドは中空構造で、フェース面は硬いステンレス製なので、基本的には打感は硬く弾く感じがします。

画像: やや高めの重心位置で適正スピンが入りやすい

やや高めの重心位置で適正スピンが入りやすい

ゆるやかなダウンブローに合うソール形状

米国モデルにしてはバウンス角が大きくないので、ターフをあまり取らないゆるやかなダウンブロースウィングに向いています。操作性が高く、インテンショナルにフェード、ドローと打ち分けもしやすいアイアインです。(松尾)

画像: 米国モデルにしてはバウンスは少なめ、ネックはストレートでトップラインは薄め

米国モデルにしてはバウンスは少なめ、ネックはストレートでトップラインは薄め

画像: ゆるやかなダウンブローに合うソール形状

【総合評価】 スピン性能 4.5/抜けのよさ 3.5/上がりやすさ 4/ミス許容 3.5/操作性 4.5 ※5点満点

ヘッド/軟鉄鍛造+SPEEDFOAM+SUS630
ロフト角/33度(7I) ライ角/62度(7I)
長さ/37㌅(7I・NSプロ モーダス3ツアー105)
シャフト/NSプロ モーダス3ツアー105(S)、
     ダイナミックゴールド(S200)
総重量/約408g(5I、NSプロモーダス3ツアー105)
価格(税込)/15万8740円(5I~PW6本セット・NSプロ モーダス3ツアー105)
※メーカー公表値

解説:クラブ設計家 松尾好員
解説:プロゴルファー堀越良和

週刊GD2018年12月18日号より

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