2018年は未勝利に終わった松山英樹。帰国した彼に、日本の若手プロやジュニアたちからの質問を集め、ぶつけてみた。ゴルフへの取り組み方、考え方からプライベートまで。たっぷり感じることができる答えを公開。PGAツアーで戦っている「プロの言葉」だ。

Q. トレーニングの重要性を。どうしたらそんなに体が大きくなるのでしょう。

松山 自分が必要性を感じないのならトレーニングをやる必要はないですよ。まずは飯を食えと言いたい。そうすれば体はデカくなります。自分の限界を超えた量を食べる。

Q. 松山プロはどれくらい食べるのでしょう?

松山 ボクけっこうヤバいっす。たまに、みんなが引くくらい食べるときがある(笑)。

画像: 1992年2月25日生まれ。愛媛県松山市出身

1992年2月25日生まれ。愛媛県松山市出身 

Q. 体調のケア、ケガの予防法については?

松山 ボク、めっちゃカゼひきますよ。トレーナーさんを付けて、自分の体にどういうクセがあるかわかったら、自分でもケアできるはず。

Q. 練習で上手くいかない状態で試合に出なければいけないとき、どういう気持ちで取り組むか。

松山 割り切んなきゃいけないでしょう。練習場とコースは違うんだって思ってやることです。

Q. 1番ホールで叩いたときの気持ちの切り替えは?

松山 まだ17ホールある、と思う。でも腹立つし、なかなかそう思えないんですよねえ。ボクは1番ホール嫌いじゃないんですけど、2018年はすごく下手だったかも(笑)。

Q. 優勝を決めるパットは緊張しますか?

松山 当然。対処法は自分で見つけようという感じですね。毎回同じ気持ちじゃないから、その場面にならないと……(経験が多い)ジャンボさんに聞くといいですよ。

Q. 苦手な人とラウンドするときの対処法は?

松山 見ないか、逆に思い切り見る。ボク、同伴競技者のプレーはめっちゃ見ますよ。リズムとか、カタチとかも。

Q. 試合のときのティオフまでのルーティンは?

松山 めっちゃ決めてます。1時間半前にコースに着いて、1時間20分前から練習開始。パットを20分やって、ショットを30分やって、アプローチを10分、残りの20分をパットで終わります。

Q. 勝負メシは?

松山 試合の場所は変わるから……。最終日の前日は、その1週間で成績が良かった日のご飯屋さんにいきます(笑)。

画像1: 【松山英樹】単独インタビュー。世界で戦う男が語った「心・技・体・PGAツアー」

Q. スタミナ源は?

松山 米じゃないですか。試合中もおにぎりを食べます。具はシャケが好きです。

Q. スピンコントロールはどうしていますか?

松山 意識したことないなあ……でも、止めたいとか、スピンをかけたくないとか思うことはあります。クラブの番手を変えたらスピン量は変わりますしね。

Q. アメリカで戦うにあたって一番必要なものは?

松山 何かな……考えたこともない。

Q. アメリカで一番大変なことは?

松山 英語。今もムリです。だからジュニアの皆さんなら、今のうちから勉強しましょうと言いたいです。

Q. 世界に挑戦してよかったことは?

松山 まだいいかどうかはわからない。それはボクが思うこと。でも周りの人が評価してくれるんだったら、それはスゴく嬉しいことですね。

Q. ゴルフでいちばん大事なことは?

松山 なんだろう……練習!

Q. 1日どれくらい練習してますか?

松山 決めて練習しない。調子が悪いからするというのもないし、良いからするというのもない。球数も、めっちゃ打ったと思っても100球くらいだったりするし、イライラしながら打ったら300球打っても全然感じないです。

Q. いちばん練習する番手は?

松山 すべてを万遍なく。ゴルフでは全部使うでしょう?

Q. 得意なクラブは?

松山 得意なクラブも嫌いなクラブもない。パターが苦手だと言われても、自分では別に苦手と思わないし。まあ、どちらかと言うとドライバーのほうが苦手ですね。

Q. 1週間ゴルフをしないお休みがあったら何をする?

松山 たぶん無理です。耐えられない。絶対どこかに練習に行くと思う。

Q. ゴルフのどこが好きですか?

松山 めっちゃ腹立つけど、めっちゃいいこともあるところです。

Q. 初賞金を手にした時の気持ちは?

松山 最初はやっぱり嬉しかったです。まだ金額を覚えています、314万円。何も買わずに貯めました。でも次の週に優勝したので(笑)。

Q. 人生で一番嬉しかったのは?

松山 (初優勝した)メモリアルの優勝かな。

画像: 2014年のザ・メモリアルトーナメントでPGAツアー初優勝。写真右は大会ホストのジャック・ニクラス

2014年のザ・メモリアルトーナメントでPGAツアー初優勝。写真右は大会ホストのジャック・ニクラス

Q. 人生で一番つらかった時期は?

松山 今。ハハハ

Q. どう乗り越えた?

松山 乗り越えてないのでわからないです(笑)。

Q. (17年のインタビューで言っていた、ドローを打つため)クラブをシャットに上げることを今も意識していますか?

松山 まあ、したりしなかったりです。

Q. 今、誰のスウィングが好き?

松山 最近動画で撮影して見てないからなあ。携帯で撮って見たいんですけどね。アイアンはタイガーかな。アプローチとかもやっぱりタイガーは見ていて好きです。パッティングは自分のを客観的に見てみたい。

画像: 「アイアンショット、アプローチはやっぱりタイガーが好き」(松山)

「アイアンショット、アプローチはやっぱりタイガーが好き」(松山)

Q. スゴいショットを打つ選手は?

松山 見てみたいのはキャメロン・チャンプ。まだ一緒に回ったことないんです。

Q. コーチはつけないの?

松山 考えてますよ。教えなくていいから、話を聞いてほしい。

Q. ドリームフォーサム。最後にラウンドする時、誰と回りたい?

松山 全盛期のジャンボさん。日本人なら、ジャンボさん、中嶋(常幸)さん、青木(功)さん。PGAならタイガー(ウッズ)、ジャック・ニクラス、アーノルド・パーマー。この組み合わせはハンパじゃないね(笑)。

Q. 最後に回りたいコースは?

松山 うーん……初ラウンドした場所。地元の奥道後(GC)です。オーガスタなんかも思いますけど、いちばん最初に回ったコースなので、最後もそこで回りたいです。コースは頭に入っています。今でも回っていますしね。

Q. 2018年の総括は?

松山 最低。……ハハハ

Q. 2019年の目標は?

松山 生きること。長生きすること……深い意味はないです。1年間生きられればいいと……フフフ。ウソです。優勝することです!

2018年は最低の年だったと自嘲気味に語った松山。しかし、開き直っているようにも見えた。「とんぼみたいなゴルフがしたい」とも言う。日々、自問自答しながら答えを見つけ、さらに成長した姿を見せてくれるのだろう。やっぱりみんなの目標、憧れだ、松山英樹。

週刊GD2019年1月8・15日号より

画像2: 【松山英樹】単独インタビュー。世界で戦う男が語った「心・技・体・PGAツアー」

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