圧倒的な力で米女子ツアーを席捲するアリヤ。彼女は米男子ツアーでは珍しくなくなったクラブ契約フリーのプロ。気に入ったクラブはとことん使いたいというアリヤに、その強さを支えるクラブのこだわりを教えてもらった。
画像: タイ出身で、世界ランク1位の23歳。2013年1月にプロ転向し、15年には年間5勝を挙げ、賞金女王に。2018年も全米女子オープンなど3勝を挙げ、賞金ランク2位に120万ドル差をつけ、ぶっちぎりの賞金女王。ツアー通算10勝。

タイ出身で、世界ランク1位の23歳。2013年1月にプロ転向し、15年には年間5勝を挙げ、賞金女王に。2018年も全米女子オープンなど3勝を挙げ、賞金ランク2位に120万ドル差をつけ、ぶっちぎりの賞金女王。ツアー通算10勝。

4年間使い続けるアリヤの生命線、テーラーメイド「エアロバーナー」

2018年の米女子ツアーでの平均飛距離は、266ヤード強で15位のアリヤ・ジュタヌガーン。だが、これはほとんど3Wと2UTのティショットでの記録だ。

ドライバーはほとんど使わなくなったのは、2015年に米ツアーに参戦し、予選落ちが続いたため。2013年の転倒による方のケガから復帰した後、ドライバーを封印したことで2016年に5勝を挙げることができたのだ。

画像: 3W 2015年モデル。フェース寄りの「スピードポケット」が高打ち出し、低スピンのビッグボールを生み出す。被って見えないトップラインと適度にロフトを感じさせる黒いフェースが構えやすさを演出

3W 2015年モデル。フェース寄りの「スピードポケット」が高打ち出し、低スピンのビッグボールを生み出す。被って見えないトップラインと適度にロフトを感じさせる黒いフェースが構えやすさを演出

アリヤ この3Wなら狙ったところに打ち出せるし、260ヤードは飛ぶからLPGAのセッティングなら十分。ヘッドも小さくて他の番手と同じように扱えるし、ラクなんです。

画像: フラットなライ角を生かし、少しトウよりに当てている。しなりすぎないシャフトがシャープな振りに合う「三菱ケミカル クロカゲXT70」のXを装着

フラットなライ角を生かし、少しトウよりに当てている。しなりすぎないシャフトがシャープな振りに合う「三菱ケミカル クロカゲXT70」のXを装着

18Hで平均2回しか使わないドライバー「ローグサブ ゼロ」

アリヤ ヘッド後方が大きすぎず、重心も浅めで、見た目も振り心地もシャープ。ライナー系で飛んで曲がらない感じが気に入ってます。基本的に長いパー4か2オンを狙えるパー5、そして3Wでは難しいときだけ、ドライバーを使います。

クラウンとソールを2本の柱で結ぶ「ジェイルブレイクテクノロジー」で飛距離も伸びた。シャフトは「三菱ケミカル テンセイ CK プロオレンジ」のTXを短めの44.75センチ仕上げにカスタム。

画像: かぶって見えない顔がお気に入りで、本当に長いホールでしか使わないという

かぶって見えない顔がお気に入りで、本当に長いホールでしか使わないという

画像: ヘッド内部の2本柱「ジェイルブレイク」で飛距離アップ。先端ガチガチ、しなりも抑えたシャフトを使用

ヘッド内部の2本柱「ジェイルブレイク」で飛距離アップ。先端ガチガチ、しなりも抑えたシャフトを使用

10勝を支えたルーキーからの相棒「716 AP2」

アイアンが得意というアリヤ。ユーティリティもアイアンタイプを愛用している。すべて米ツアー初優勝時から変わっていない。

アリヤ どれもシャープでボケていない顔なのに、打つと芯が広く、やさしい。ボールを拾いやすく、高さが出るから距離も出て、グリーンを狙いやすいんです。少しトウで打つことで、左への大きなミスを減らしています。

トウ寄り打点が生む左に行かない高弾道

画像: メッキがはがれるほど打ち込んでいる。シャフトはしっかりした打感と振りやすさを両立できる「エアロテック スチールファイバーJ108」を使用

メッキがはがれるほど打ち込んでいる。シャフトはしっかりした打感と振りやすさを両立できる「エアロテック スチールファイバーJ108」を使用

適度なサイズと厚めのトップでやさしく見える

画像: ソール幅が広く滑るので、ロフトが変わりにくい

ソール幅が広く滑るので、ロフトが変わりにくい

トウとヒールにタングステンが埋め込まれており、ヘッドの挙動が緩やか。スウィートエリアも適度に広い設計。また、ソール幅が広めで抜けがいいため、インパクトでロフトが立ったり、被ったりせず、弾道が安定する。

風のなかライナーで攻めたい2UT「ツアープリファードUDI&RSi TP UDI」

重心深度が浅く、重心距離が長めのため、左へ曲がるミスの心配が少ないアイアン型UT。左右のブレにシビアな場面で、きっちり方向性を出していくにはベスト。

アリヤ 3Wより打ち出しが低く、風に強いのでライン出しのティショットはこれです。

2UTは飛ばしたい時、3、4UTはグリーンを狙うとき

画像: シャープに振れるアイアン型UTを愛用

シャープに振れるアイアン型UTを愛用

2014年モデルの「ツアープリファード」は3UTまでしかない。そのため、5UTまである「RSiTP」から4UTを加えた。

シンプルに打てるハイバウンス「ボーケイSM7」

ウェッジは、タイトリストのボーケイウェッジをカスタムグラインド。消耗しやすいので交換のサイクルが比較的早く、現在は「SM7」をベースにしたロフト50度、56度、60度を使用中。

アリヤ アプローチは50度と56度がメイン。ハイバウンスなので、フェースをあまり開かずにシンプルに打てます。60度はあごの高いバンカーやピンチの時に使っています。

50度は転がし、56度はピッチ&ラン、60度はロブ用

画像: 50度と56度はバウンス大きめで、フェースを開かなくても抜けがイイ

50度と56度はバウンス大きめで、フェースを開かなくても抜けがイイ

アリヤ 基本的に低めの弾道で狙いたいので、シャフトもほかのアイアンと違ってスチールを装着しています。

丸みが少ないからスクェアに構えやすい

白黒コントラストがくっきり狙いやすい「オデッセイ V‐ライン」

黒いT字のアライメントがより正確なセットアップを促す、「V-ライン」。

アリヤ 米ツアーでの10勝はすべてこのパター。まだまだ使い続けます。4年間使い続けて手のように馴染んでいますから。

安定感のある大型ヘッドがお気に入り

画像: はっきり線が見え、方向に困ることがない

はっきり線が見え、方向に困ることがない

打球音が明確なインサートと、低重心マレットでブレがない

画像: 白黒コントラストがくっきり狙いやすい「オデッセイ V‐ライン」

アリヤ 打感がよく、打球音もはっきりしているから距離感が合う。また、座りがいいし、スムーズに振れるので距離感に集中できます。

ドライバーとスプーン併用、アイアン型中心セッティング

画像1: ドライバーとスプーン併用、アイアン型中心セッティング
画像2: ドライバーとスプーン併用、アイアン型中心セッティング

月刊GD2019年2月号より

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