トゥーロンは通常の4倍の時間をかけて削り出す
ステンレスのブロックからひとつひとつ丁寧に削り出されるパターは、キャメロンをはじめ著名なデザイナーのヘッドが多く、中上級者にとっては憧れのパターだ。一方で、圧倒的なシェアを誇っているオデッセイは、意外にもこの分野の代表モデルがなかった。しかし、2016年にトゥーロンデザインがキャロウェイの傘下に入ってから、その状況が一変した。
デザイナーのショーン・トゥーロンが手掛けたパターは、他とは違う性能を有している。特徴的なのはフェースのミルド加工。転がりの良さを求めた結果、複雑なパターンのミルド形状にたどり着く。

ダイヤ柄(ひし形)の中に、さらに深く細やかなミーリングを施した「ディープ・ダイヤモンドミル・フェース」でボールの転がりが安定する
手間がかかるが、他の削り出しとは一線を画す「静かな打音」や「ソフトな打感」など、「転がりの良さ」以外にもメリットをもたらした。
仕上げの美しさに加えて、トゥーロンは削り出しヘッドの魅力を新しく切り開いたと言いたくなるモデルだ。

「トウ、ヒールに外しても打感が変わりにくい」と寛容さでもツアープロの間で話題に
「ツノ」も「Lマレ」も。ヘッド形状は6タイプ

オデッセイには様々なヘッド形状があるが、トゥーロンにもその中から6つが採用された。どれもアメリカの都市を名称にしているが、これらはトゥーロンゆかりの地、そしてゴルフで有名な街。
「サンディエゴ」
人気のアンサー2、ニューポート2と同様の形状。角ばった形状でスクェアに構えやすい。

「オースティン」
アンサー、ニューポート同様の伝統的な形状。「サンディエゴ」より全体的に丸みを帯びていて、ややアバウト感がある。

「ポートランド」
クランクネックとトウヒールバランスを強調したツノ型が融合。オフセットが強めなので、ボールがしっかりつかまる。

「アトランタ」
池田勇太がテストを繰り返したというモデル。操作性を残したマレット&ショートスラントはツアーでも使用者が多いタイプ。

「サンフランシスコ」
今や定番となったL字マレット。操作性が高く、イントゥイン軌道が強い人と相性が良い。石川遼が好むハイトウタイプ。

「ラスベガス」
プロ、アマ問わず、人気が高い「#7」タイプ。直進性に優れ、当たり負けしにくく、スクェアに構えやすい。

プロを虜にする「柔らかいのに、しっかりとした打感」

「削り出しパターは使ってきませんでしたが、確かにいいですね。ちゃんと音がするのに柔らかさもあります」と、長年L字マレットの「#9」を愛用している石川遼は、同形状の"サンフランシスコ"のプロトタイプをテスト中。
トゥーロンパターを手にしたプロに話を聞くと、みなが口を揃えるのが「打感の良さ」だ。それはインサートモデルを使っている選手も例外ではない。その理由をデザイン責任者のローリンソン氏に聞いた。
「独特なミルドフェースにより、ボールとの接触面が減るために他の削り出しパターよりソフトに感じるはずです。とはいえ、インサートのモデルよりはしっかりした打感があるため、フィーリングが伝わりやすいという感触もあるでしょう」(ローリンソン氏)
ソフトだが、手にダイレクトに伝わってくる感触もある。パット巧者をうならせるパターだ。

「以前に比べてボールが柔らかくなってきたことも、ソリッド感のある削り出しのフィーリングが求められる理由でしょう」(ローリンソン氏)。今後削り出しに持ち替える選手が増えるかもしれない。