2018年メジャー2勝(全米オープン、全米プロ)を挙げ、グランドスラマーの道を歩み始めたB・ケプカ。体を鍛え上げ、プロレスラーのように鍛え上げたフィジカルから放つショットはゆうに300ヤードを超えるが、体使いは最新の理論に基づいた基本に忠実でいたってシンプル。内藤雄士プロの解説とともにお届けします。

ブルックス・ケプカ
1990年生まれ。米国出身。米ツアー5勝のうち、3勝がメジャー(全米オープン2勝、全米プロ2勝)。世界ランキングはJ・ローズについで2位。2019年注目のひとり

ケプカ最大のスウィングポイントは下半身の動きを抑え、胸椎(みぞおちから首の付け根の部分)の回旋でスウィングすることです。

バックスウィングとダウンスウィングでは、左右の股関節に上体を乗せて、股関節を折り込んでいきますが、下半身を大きく回すことはしません。

そして、両わきが適度に締まったまま、胸椎を回旋させていきます。これは椅子に座り、腰を固定したまま頭を動かさずに胸を左右に向ける動作と一緒です。やってみてください。

この動きはスウィングの再現性を高める絶対条件で、今の世界のスタンダードです。インパクトでは、右足をベタ足にしたまま右脚を伸ばし、胸を目標に向けていきますが、前述の椅子の動きを実践するとこのような動作になると考えてください。

上半身に目を向けると、左手の甲が正面を向くほどストロンググリップで握るのが特徴です。スウィング中、フェース面をシャット(閉じる)にしたまま、フェースローテーションを抑えて打ちます。ダスティン・ジョンソンにも共通しますが、慣性モーメントが大きく重心距離の長い、現代のドライバーを使いこなす最新の技術と言えます。

フェースをシャットにすると、左のミスが出そうに思いますがフェースローテーションを抑え、強いハンドファーストでとらえることで、強いストレートボールを可能にしています。

画像: (左)フェースを開かずテークバックすると、フェースは上空を向く (中)感覚に頼らないのでインパクトの再現性が高い (右)フェースローテーションの度合いが少ない

(左)フェースを開かずテークバックすると、フェースは上空を向く
(中)感覚に頼らないのでインパクトの再現性が高い
(右)フェースローテーションの度合いが少ない

ケプカやジョンソンがあんなに叩いても曲がらないのは、この動きがあるからです。コースの距離が8000ヤードに近づくPGAツアーでは、これからこの体使いがトレンドになるはずです。

画像: 【ブルックス・ケプカ】フェース開かず再現性UP、最先端スウィングの申し子! だからメジャーに強い

【解説/内藤雄士】
日大時代に米国ゴルフ留学し、最新のゴルフ理論を学ぶ。その後、丸山茂樹、平塚哲二、矢野東らのコーチを務める。都内のラーニングゴルフクラブ代表

週刊GDより

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