市原弘大プロは初優勝までに18年かかった。クラブ契約はフリー。その間、時間をかけて、自分の技術に合うクラブを養っていった。「クラブにスウィングを合わすのではなく、スウィングにクラブを合わせたい」と話す。
画像: 東京出身で高校時代に日本ジュニアを制し、高校卒業とともにプロ転向。05年に椎間板ヘルニアになり1年近くクラブを握れない時期もあった。昨年はプロ入り18年目で初優勝(ツアー選手権)と、さらに2勝目(ダンロップフェニックス)を挙げた。

東京出身で高校時代に日本ジュニアを制し、高校卒業とともにプロ転向。05年に椎間板ヘルニアになり1年近くクラブを握れない時期もあった。昨年はプロ入り18年目で初優勝(ツアー選手権)と、さらに2勝目(ダンロップフェニックス)を挙げた。

アイアンはネットで買った、キャロウェイ「Xフォージドアイアン」

メーカーとクラブ契約を結ばず、本当に自分が使いたいクラブだけを選ぶ市原が選んだのは、キャロウェイ「Xフォージド」、2018年シーズン前に“購入”した。

市原 抜けがいいアイアンが基本的に好きです。一生懸命振らなくても、自分のスウィングの円弧の中で、ソールがスッと抜けるものを選びました。腰を痛めていたこともあるので、強く振っていい球が出るクラブは選べないんです。この「Xフォージド」アイアンは、それがすごくいいので選びました。

市原 他モデルも2セット購入して打ち比べました。その方がメーカーに気兼ねなく選べますから。

画像: つかまりやすい、わずかなグースネックがお気に入り。ラクに触れるポイント

つかまりやすい、わずかなグースネックがお気に入り。ラクに触れるポイント

画像: 「実際に打ち比べたら、これが一番ソールの抜けがよかったので、選びました」

「実際に打ち比べたら、これが一番ソールの抜けがよかったので、選びました」

画像: 1シーズン打ち続けた打痕がくっきり。アイアンは、使い込むことでショットの精度が高まるという。シャフトは、日本シャフト「モーダス3ツアー130」のXを装着。「しなり戻って楽に振れる」と市原

1シーズン打ち続けた打痕がくっきり。アイアンは、使い込むことでショットの精度が高まるという。シャフトは、日本シャフト「モーダス3ツアー130」のXを装着。「しなり戻って楽に振れる」と市原

気に入ったモデルは、フェースの溝がすり減るまで、使い続ける。

上がりやすく狙えるUT「エピックユーティリティ」

2017年の発売当初から使用している「エピック」のUT。

市原 そんなに飛ぶ方ではないので、よく使います。また、UTは使用頻度が高いので、フェースに傷がつきやすいですね。シャフトはUSTミヤマ「アッタスEZ」のXです。先端がしっかりしていて暴れないのが気に入っています。

画像: アイアンと同じ感覚で使うため「打痕は下目につきます」

アイアンと同じ感覚で使うため「打痕は下目につきます」

程よくシャープでスッと構えやすいUT。

市原 完全にアイアン感覚で、グリーンを狙い打てます。抜けの良さも申し分なしです。

画像: 上がりやすく狙えるUT「エピックユーティリティ」
画像: カーボンクラウンとタングステンウェイトで、超低重心を実現。18度、20度。「高さをラクに出せます」(市原)

カーボンクラウンとタングステンウェイトで、超低重心を実現。18度、20度。「高さをラクに出せます」(市原)

振り子で振れる長尺「YES! スウォッシュデザイン ナタリー」

プロ転向直後、アジアンツアーなどで腕を磨いていた市原はイップスにかかり、長尺パターを手にした。

市原 2014年と2015年の秋まではアンカリング問題でノーマルの長さに戻したんですが、やはりしっくりこなかった。で、周りの元長尺の人たちが、手を体に付けずストロークする方法を採り入れたのを見て、僕も戻しました。

画像: 三角形に近いヘッド形状と、直進のサイトラインで目標を狙いやすい。フェースバランスで真っすぐ振れる。このパターは販売当初から使い続けており、足掛け13年。「替える気には全くならない」と市原

三角形に近いヘッド形状と、直進のサイトラインで目標を狙いやすい。フェースバランスで真っすぐ振れる。このパターは販売当初から使い続けており、足掛け13年。「替える気には全くならない」と市原

イエス! ゴルフの『ナタリー』は、長尺にした当初から使い続けている。

市原 ヘッドが三角形っぽくて、目標に合わせやすい。それにストロークも直線的に振りやすいのがいいんです。

画像: 独自のフェース溝「Cグルーブ」は球の滑りを減らす効果がある。インターネットで見つけるとサブ用に買うこともあるという。

独自のフェース溝「Cグルーブ」は球の滑りを減らす効果がある。インターネットで見つけるとサブ用に買うこともあるという。

市原 ストロークのしやすさに加え、タッチが合いやすいのもいい。グリップはフィーリングが変わるのが嫌で、なかなかグリップ交換できないんです。

画像: 「速いグリーンでは、とくにタッチが合います」(市原)

「速いグリーンでは、とくにタッチが合います」(市原)

「ジューシーウェッジ プロト」ウェッジ

「ジューシー」という新しいメーカーのウェッジを使っている。「フォーティーン」の系譜だと説明したうえで、ソールの抜けが良くどんなライでも使えると言う。

市原 ヒールから地面に入るので、そこを削り落として抜けやすくしました。今まで使い続けていたフォーティーンから独立した職人の方が、僕好みに仕上げてくれています。

画像: ストレートに構えやすい顔

ストレートに構えやすい顔

市原 フェースはあまり開かないで使うので、打痕はストレートに付いていますね。SWはキャリーで止めるクラブですが、フェースは開きません。

画像: 「ジューシーウェッジ プロト」ウェッジ

市原 シャフトはアイアンとのつながりを大切にして、同じシリーズにしています。ボールが拾いやすいシャフトです。

振っても左に行かず、前に伸びるドライバー「ローグ サブゼロ」

市原 練習ラウンドでは、「手を抜いているのか」って言われるくらい飛ばないんですが、試合では気合が入るのか、ヘッドスピードも2m/sぐらい上がって飛ぶようになるんです。そのせいもあって、叩いても左に行かないドライバーが好きですね。

画像: 少し厚みを感じるけどシャープに振れるのがイイという市原。左にいかない浅重心設計なので、つかまりすぎを防ぐ

少し厚みを感じるけどシャープに振れるのがイイという市原。左にいかない浅重心設計なので、つかまりすぎを防ぐ

練習ラウンドで、重永亜斗夢プロが使っていたキャロウェイ「ローグ」シリーズが気になって使い始めた「ローグ サブゼロ」。

市原 構えやすいし、どれだけ振っても左に行かないのがいいですね。

画像: 独自の「ジェイルブレイクテクノロジー」でボール初速をアップ。シャフトは、「ジ・アッタス」の6Xを装着。「粘りがあるのに走りもいい」と話す

独自の「ジェイルブレイクテクノロジー」でボール初速をアップ。シャフトは、「ジ・アッタス」の6Xを装着。「粘りがあるのに走りもいい」と話す

13.5度の「3+」が実は上がりやすく飛ぶ! 「スティールヘッドXR」

市原 構えるとロフトのわりにフェース面が見えて、上がりそうなイメージが出るんです。簡単そうな“顔”が重要です。

市原 狙うというより、飛距離重視のフェアウェイウッド。ヘッドの弾き感も飛ぶイメージが出て好きです。

画像: 13.5度で飛距離重視

13.5度で飛距離重視

セカンド地点で使用頻度が高いせいか、フェースやや下寄りに打痕が残る。

市原 シャフトはドライバーと同じモデルの70グラム台を採用。強く振らなくても、よく飛んでくれます。

画像: カーボンクラウンでとても低重心

カーボンクラウンでとても低重心

自分の技術との相性で考えたセッティング

画像1: 自分の技術との相性で考えたセッティング
画像2: 自分の技術との相性で考えたセッティング

月刊GD2019年3月号より

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