新ルールが施行され、ドロップは肩の高さからではなく、ひざの高さからに変更になった。試合中に戸惑うプロの姿が見られるなど、まだまだ定着には時間がかかりそうだが、この「ドロップ」は時代によってさまざまな方法が取られてきた。ベテランには懐かしいその方法をプレーバック。

ドロップの作法が初登場したのは1754年。その方法はなんと……

1754年にR&Aがルールとして初めて明記したドロップの方法は「6ヤード以上後ろに投げる」。なんとも豪快なやり方でした。

1815年のアバディーンのルールでは「頭越し後方へドロップ」。

1834年のマッセルバラでは「キャディが後方へドロップ」とあり、中には「競技相手がする」というクラブもあったのです(当時ゴルフといえばマッチプレーが主流でした)。

1908年から75年間は「肩越しにドロップ」が定着しましたが、これまでの方法を見ると「意図的なドロップ」を防止する意図が垣間見えます。

画像: 1971年日本シリーズ 杉原輝雄プロの肩越しドロップ

1971年日本シリーズ 杉原輝雄プロの肩越しドロップ

1984年からは「手を伸ばして肩の高さからドロップ」する方法に変わりました。2019年からは「ひざの高さ」に変更されたのはご存知の通り。

これは「救済エリアに止まる可能性を増やすため」という目的があり、ボールが地面で跳ねたり、勢いよく転がることで、救済エリアから出てしまうと、再ドロップしなければならず、プレーファストの妨げになってしまうからです。

画像: 肩からドロップ最終年、2018年ホンダクラシックでのタイガー・ウッズのドロップ風景

肩からドロップ最終年、2018年ホンダクラシックでのタイガー・ウッズのドロップ風景

もうひとつの理由が、バンカー内でドロップした場合に、砂に埋まってしまうのはアンフェアであるからです。

時代とともに、変わっていくゴルフのルール。いつかひざの高さからという現行ルールも変更される日がくるかもしれません。

戦時中にはこんなローカルルールもありました

画像: ドロップの作法が初登場したのは1754年。その方法はなんと……
  1. プレーヤーは芝刈り機が壊れるのを防ぐため、爆弾や榴散弾の破片を拾うことが求められる。
  2. 競技中、プレーヤーは銃撃や爆撃がある間は、プレーを中断する罰を受けることなく避難できる。
  3. 時限爆弾の位置はそこから安全な位置の赤い旗で示されるが、安全性を保障するものではない。
  4. フェアウェイやバンカーで球から1クラブレングス以内にある爆弾や榴散弾の破片は罰なしに取り除ける。その過程で偶然に球が動いても無罰。
  5. 敵の行動によって動かされた球は罰なしにリプレース、紛失あるいは破壊された場合はホールに近づかない場所にドロップする
  6. 球が爆弾による穴にある場合は罰なしに拾い上げ、ホールに近づかないホールとのライン上にドロップする
  7. ストローク中に同時に起こった爆弾の爆発によって影響を受けた場合、1打罰で打ち直すことができる

週刊GD2019年2月12日号より

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