葭葉ルミ
1993年生まれ。東京出身。162㎝。2017~2018年、2年連続でドライビングディスタンス1位。●2017年 260.76Y(1位)イーグル7回(3位)、●2018年 258.29Y(1位)イーグル8回(1位)
柔軟性を活かすシャットフェース
葭葉プロを見てまず目につくのが、フェースをシャットに(閉じて)使うバックスウィングです。バックスウィング前半ではフェースがボールを見続け、後半では飛球線後方を向いています。これはフェースが閉じている証拠。
彼女は、左腕のローテーション(右に回旋する動き)を抑えているので、シャットの度合いはかなり強くなっています。
通常、ここまでシャットに使うと、バックスウィングに詰まりが出て、トップがコンパクトになるものなのですが、葭葉プロはオーバースウィングになるほど大きなトップです。これは、彼女の肩甲骨の柔らかさがなせる技と言えるでしょう。
逆に言えば、フェースをシャットに使わないと、彼女の場合はスウィングにゆるみが出やすいとも言えます。つまり、フェースをシャットに使うことでゆるみを取り、自分の柔軟性とスウィングを調和させているのです。
感性で作り上げたビッグドライブスウィング
2017年、18年と2年連続ドライビングディスタンス1位に輝いた葭葉プロ。その飛距離の源になっているのが、インパクトまでの助走距離が長くなるオーバースウィングです。
一般的に、オーバースウィングはいけないものとされています。ただ、それは左ひじの折れや、左手首の甲側への折れによってフェースがオープンになり、スウィングに「ゆるみ」が出ている場合の話です。
葭葉プロのように「ゆるみ」がなく、柔軟性の高さによるオーバースウィングは問題はありません。同じようにトップでシャフトがクロスする(シャフトが目標の右を向く)動きも、クラブが外から鋭角に下りやすいため、NG とされています。
しかし、葭葉プロの場合は、切り返しのシットダウン動作(しゃがみ込むように重心を下に使う動作)によってクラブを自由落下させ、クラブをスウィングプレーンに乗せて、フェースをスクェアに戻しているので問題はありません。
このシットダウン動作後の左脚を伸ばす動きも、パワーを生み出す大きなポイントです。地面を強く踏んで、脚を伸ばすことで、クラブのスピードを加速させているのです。さらに、ダウンの早い段
階で腰を大きく切っているところにも注目してください。
腰を「これ以上は動かない」というポジションに入れることで、それがストッパーとなってカウンター効果を生み、ヘッドを走らせているのがわかります。
これらの動きは、本人が意識して行っているものではないと思います。あくまで、クラブヘッドを速く振ろう、振り抜こうとした結果、こうなったものだと考えてください。
そういう意味で、葭葉プロのスウィングは「感性」が作り上げたビッグドライブスウィングと言えるでしょう。
3つの動作で飛距離を出す
■1ゆるみなく、助走距離を長く取れるオーバースウィング。
■2 左脚を踏んで伸ばすフットワーク。
■3 腰を速く切って止め、ヘッドを走らせるカウンター動作。
【ポイント①】オーバースウィング
助走距離を長く取ることで、スピードを出しやすくしている。
【ポイント②】左脚を伸ばすフットワーク
左脚を伸ばすことで体の回旋速度を上げ、クラブを加速している。
【ポイント③】腰のカウンター動作
腰を切って止めることでヘッドを走らせ、スピードを上げている。
【解説】中井学
なかいがく。プロコーチ。米国留学中から、独自に理論を構築。現在は、自らツアーに参戦しつつ、多くのプロ、アマチュアを指導する。
PHOTO/Shinji Osawa、Hiroyuki Okazawa、Tadashi Anezaki
週刊GD2019年2月26日号より