ショット練習はしなくても、スタート前に「パットだけは転がしておくか」という人は多いはず。でも、どんな練習が一番効果的か? いいスコアに結び付ける「朝のパット練習法」を、ほしや先生に聞いてみよう。

【通勤GD】
通勤GDとは‟通勤ゴルフダイジェスト”の略。世のサラリーマンゴルファーをシングルに導くために、月曜日から金曜日(土曜日)までの夕方に配信する上達企画。ワンテーマを3回~6回のシリーズでお届け。帰りの電車内で、もしくは翌朝の通勤中、スコアアップのヒントを見つけてください。

画像: 【星谷孝幸先生】 自作ロボットや解析装置を使い、日夜パット研究にイソシム科学者。転がりの仕組みを解明し、自らパット数を激減させた ほしや先生オフィシャルサイト

【星谷孝幸先生】
自作ロボットや解析装置を使い、日夜パット研究にイソシム科学者。転がりの仕組みを解明し、自らパット数を激減させた
ほしや先生オフィシャルサイト

「3メートル前後が残りやすい」だから繰り返し練習する

練習グリーンで確認しておきたいのは“速さ”です。1ヵ月違えば、グリーンのスピードは変化しますし、もちろん刈高によっても変わります。ですから、まずは今日のグリーンがどの程度のスピードなのかチェックしましょう。

スピードを見る、ということは、すなわち距離感をつかんでおく、ということを重点的に行うということです。ですから、あまり短いパットばかり練習するのは距離感をつかむのには効果的ではありませんし、ロングパットは距離感という面ではいいかもしれませんが、1ラウンド中に何回その距離を打つのかを考えれば「時間があればやる」ぐらいに考えればいいでしょう。

私がおすすめしたいのは、徹底的に“3メートルのパット”を繰り返すことです。この距離なら距離感が身につきますし、18ホール考えてみたときに、この距離のパットの頻度がとても多いことに気づくはずです。

もちろん、腕前にもよりますが、アプローチで1メートルによることはなかなかないのでは? それによりだいたい3メートルぐらいの距離が残って、その距離のパーパットやボギーパットが入るか、入らないか、という勝負になっているのではないでしょうか。

ですから、朝の練習グリーンでは、3メートルの距離を上下左右、それぞれの距離感を磨いておくことが、ラウンドで一番役立つ練習になるはずです。

3メートルの上り・下り・左右を練習

画像: 練習グリーンでは3メートルの距離で、上り下り、左右のラインを繰り返し転がしておこう。カップに入れることを目的とせず、カップの手前10センチ、ジャスト、奥10センチと距離を微妙に調節しながら打つ。切れ方の差が見えるので、ラインの読みが正確になってくる。

練習グリーンでは3メートルの距離で、上り下り、左右のラインを繰り返し転がしておこう。カップに入れることを目的とせず、カップの手前10センチ、ジャスト、奥10センチと距離を微妙に調節しながら打つ。切れ方の差が見えるので、ラインの読みが正確になってくる。

距離感が身につくとラインの読みが正確に

ただこのとき注意してほしいのは、ボールをカップに入れに行かないことです。入れにいっているときというのは、実際の距離よりもかなり強めにヒットしていることが多いんです。ただ、これが練習で入ってしまうと、その距離感がつかめないうちにスタートすることになってしまう。

よく「練習グリーンと本グリーンで、速さが違うじゃないか」ということを聞きますが、これはカップに入れる練習をしてしまった結果、オーバーの距離感で打ってしまっているケースが多い。決して練習グリーンが遅くて、本グリーンが速い、というわけではないんです。

カップに入れるのはラウンド中だけでいいんです。練習グリーンでのターゲットは何かカップ大のものでもいいでしょう。そして、ここからが重要なのですが、その3メートルの目標に対して、“プラスマイナス10センチ”の距離感で打てるようになってほしいのです。

ではなぜ、プラスマイナス10センチか。3メートルより、“ちょっと長い”とか、”ちょっと短い”という微妙な距離勘が身につくと、実はラインの読みが正確になってくるのです。

画像: これは距離感と方向性を複合した練習。3メートルの目標に対し、左右に10センチ間隔でボールを止めていく。正しい打ち出しと正確な距離感を養うのに効果的だ

これは距離感と方向性を複合した練習。3メートルの目標に対し、左右に10センチ間隔でボールを止めていく。正しい打ち出しと正確な距離感を養うのに効果的だ

例えば、3メートルのフックライン。キャディさんから「この辺、狙ってくださいね」といわれて、そこがめがけて打ったのに、外れた経験ありませんか? その理由は、キャディさんがジャストタッチでの曲がり方を想定しているのか、あるいは30センチオーバーのの距離感での曲がり方を示しているのか、わからないから。

30センチ距離が違えばそれだけボールスピードは変化するわけで、当然切れ方も変わってくるのです。でもあらかじめ、プラスマイナス10センチの距離を刻んでおけば、「ジャストタッチならこのくらい切れる、ちょっと強気に行くなら切れ方はこれくらい」という判断がキャディさんに頼らなくとも正確にできるようになるのです。

そして、時間とスペースに余裕があれば、狙う方向を左右に10センチずつずらして打つ練習もしておけば、方向性も磨かれます。これで1日、自信を持ってパッティングに臨めるでしょう。

【通勤GD】プラスマイナス10センチの距離感が大事

【科学の広場】グリーンの速さで転がる距離はこんなに変わる
コースによってグリーンのスピードはまちまちですが、実際にはどれぐらい違うのかをシミュレーションしてみました。8フィートでほぼ一般営業レベルの速さ、トーナメントで10~11、マスターズなどで12フィートで約5メートルの力加減だと12フィートでは倍近く転がる。ロングパットになればその差はさらに広がります。

画像: 平面状のグリーンを想定し、芝の抵抗などで減速しながら転がる距離を実験により導いた近似式をベースにシミュレート。プロがいかにシビアなグリーンで闘っているかが分かる

平面状のグリーンを想定し、芝の抵抗などで減速しながら転がる距離を実験により導いた近似式をベースにシミュレート。プロがいかにシビアなグリーンで闘っているかが分かる

【即効ドリル】狙ったところに構えているか、シャフトをかざせばよく分かる

読み通りに目標に正確に打ち出すためにコツをひとつ。ボールに線を引いて目標に合わせる人もいると思いますが、その線と目標をシャフトの端で結ぶのです。そうすると、セットしたボールの線がきちんと目標に向いているかが分かり、打つべき方向が明確になります。

画像: 真っすぐなラインだけでなく、曲がるラインでもスパット(目印)を見つけ、そことボールの線、シャフトの端を合わせることで狙い通りに打ち出せる

真っすぐなラインだけでなく、曲がるラインでもスパット(目印)を見つけ、そことボールの線、シャフトの端を合わせることで狙い通りに打ち出せる

Illust/Shigehisa Kitatani

月刊GDより

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