スピンの入った「アイアンらしい」弾道
ロフトを立てて、シャフトを伸ばし、低・深重心にして球を上げやすくする。
世の‟激飛びアイアン”の大雑把な仕組みだ。そんな中で『UD+2』が高い支持率を誇るのはなぜか。
初代から同アイアンの開発に携わるヤマハゴルフの山内勇樹氏に話を聞いた。
山内 「絶対的に飛ぶこと」、これは大前提です。加えて「アイアンらしい弾道」で飛ぶ、これが大きいと思います。スピンが入りやすく、しっかり止まるということです。その理由が「超低重心」。重心高は、一般的なモデルより約2ミリ低い(18ミリ)設計です。重心の下に当たりにくいのでロフトが立ちにくく、スピンの入った高弾道が打てます。
高重心のほうがギア効果でスピンがかかる印象があるが……。
山内 それは「ドライバーぐらい重心が深ければ」の話です。アイアンではロフトが立つだけで、スピンは増えません。
アイアンらしいフォルムと打感にも手を抜いていない。
山内 アイアンらしいスッキリした顔、球をつぶすような詰まった打感、これらも支持される理由だと考えています。
「UD+2」が支持されるポイント
【ポイント①】打感…“鍛造ボディ”で締まった音と打感に
鋳造はポケットの開口部が大きく響く音に。鍛造で詰まった音にこだわった。
【ポイント②】反発性能…ソール部を拡大して反発力を高めたフェース
L字型フェースのソール部を広げたことで広い範囲で弾き、COR値は0.822を誇る。
【ポイント③】低・深重心…トップブレードの内側を削り余剰重量を捻出
トップブレードの軽量化で得た余剰重量を深・低重心に生かし、より高弾道に。
さらなる仕組み
シャフト…先端のたわみを抑えエネルギーロスを防ぐ
先端に重りがインパクト時のエネルギーロスを最小限にし、飛距離につなげる
安定感…大型ヘッドでヘッドの直進性が高い
高い慣性モーメントに加え、ワイドソールで打点のズレやダフリに強い
抜け…フリックオフソールで悪いライでも抜けが良い
段差を付けた独自のソールで、薄芝やバンカーでもスムーズに抜ける
みんな真ん中で打ちたい。だから重心はセンターに!
【ポイント⑦】ヘッド形状…トップブレードと平行なラインを作った
ソールの出っ張りが気にならないように、トップブレードとソールのラインを揃えた。
【ポイント⑧】弾道…低ロフトながら圧倒的な高弾道が打てる
超低& 超深重心により、高弾道でかつスピンの利いた弾道で攻められる。
【ポイント⑨】ネック形状…グースネックで“つかまる”安心感
前モデルよりもグースの度合いを大きくして、やさしくボールがつかまる。
芯の下に当たりにくいからボールがよく上がる!
グースネックは慣性モーメントが大きくなる効果がある
「すごく飛ぶのに顔は意外なほどシャープ」by有村智恵
「7番で180ヤード超えには驚きました。私にとってはプラス3番手です。それにヘッドがスッキリしてますよね。飛び系ってもっとぼってりしていてライを選びそうなイメージでしたけど、コレはライが悪くてもしっかりボールの後ろにヘッドを入れられそう。飛び系もこんなシャープな顔に作れるんですね」(有村プロ)
PHOTO/Hiroaki Arihara
月刊GD2019年5月号より
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