前回は「ピン差しパット」を取り上げたが、今回は、プロからは批判が続出、 アマからは腰に悪いとの声も挙がる「ひざの高さからドロップ」。WGCメキシコ選手権では、リッキー・ファウラーが肩の高さからドロップしてしまい1打罰を科せられるなど、プロの間でもまだ不慣れな新ルールをどうすれば味方にできるのか。市村元さん(日本ゴルフ協会 規則統括部長)が解説。

今回のテーマ「ひざの高さからドロップ」

画像: 今回のテーマ「ひざの高さからドロップ」

今回のルール改正で、とくにプロから評判が悪かったのが、「ひざの高さからのドロップ」だ。前屈みになる姿勢に慣れないとか、カッコ悪いというのが理由のひとつ。

アマチュアからも、「ひざは曲げていいのか曲げてはいけないのかが曖昧」といった声や、「歳をとると中腰になるのがつらい。腰痛持ちなので傾斜地のドロップが怖い」といった悲痛な叫びも。

画像: ※週刊GD編集部調べ(ゴルフ場、投稿などの調査をもとに集計)

※週刊GD編集部調べ(ゴルフ場、投稿などの調査をもとに集計)

これについて市村氏は、「ルールが制限するのはひざの高さであって、姿勢ではありません。ひざの高さであれば、どんな姿勢でも構わないのです」

つまりドロップする姿勢に制限はないのだ。ただし、ひざの高さとは、「真っすぐの姿勢で立ったときのひざの高さ」が基準なので注意が必要だ。一方、素朴な疑問として、「肩の高さのほうが不利なので、今までどおりドロップしても違反になるのが疑問」という声も聞かれた。

【みんなの悩み①】斜面ではどうすればいいの
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基準はあくまで「ひざの高さ」
「ひざの高さ」とは、真っすぐ立ったときの高さであって、地面との距離を設定しているものではない。傾斜の度合いによって、地面との距離は大きくも小さくもなるが傾斜を意識する必要はなく、そこで真っすぐ立ったときのひざの高さからドロップすればいい

【みんなの悩み②】不自然な体勢でやるので腰に悪い
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立ってやる必要はない
新ルールで定義されているのは、あくまで「高さ」であり、ドロップ時の姿勢ではない。どんな姿勢であっても「真っすぐ立ったときのひざの高さ」から自分にとって無理のない姿勢でドロップすればいい。

「ある状況に対して有利、不利の違いがあることは確かですが、かといってそれがすべての状況に当てはまるわけではありません。つまり別の状況によっては、肩の高さが有利になることもある(たとえば、よく転がるため、いいライに止まるなど)わけです。ゴルフはあるがままにプレーするのが本来の姿です。今回、ドロップをひざの高さに統一したのは、ボールが止まりやすく、さらにゴルフゲームが持つ偶然性をなるべく近い形で再現するためであり、プレーヤーの選択肢を制限したものと考えてください」(市村氏)

新ドロップの〇と×

新ドロップは立ってもいいし、片ひざをついても、しゃがんでもOK。ドロップする位置が「まっすぐ立ったときのひざの高さ」であればいいのだ。姿勢に制限はないので自分がラクな姿勢でドロップすればいい。

画像: これらはすべてOK

これらはすべてOK

画像: これはNG。しゃがんだ時のひざの高さではいけません

これはNG。しゃがんだ時のひざの高さではいけません

ただ、ひざの高さだと体の近くからドロップするため、なるべく体に当たらならないよう注意しよう。

腰に不安があるなら、この姿勢がおすすめ!

画像: 片足を一歩後ろに下げてやれば、腰への負担は少なくなり、ひざの曲がりも小さくできる

片足を一歩後ろに下げてやれば、腰への負担は少なくなり、ひざの曲がりも小さくできる

週刊GD2019年4月16日号より

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