【解説/中井学】
多くのプロ、アマを指導するコーチであり、自身もツアープレーヤー。「選手の求める技、弾道が如実に表れるのがウェッジ&パターなんです」
【タイガー・ウッズ】フェースを開き、体幹を使って振るから打痕がセンターから斜めに入る
「フェース面を斜めに使うので、打痕が真ん中からトウ寄りに。ウェッジも体幹を使って振っているタイガー。フェースをうっすら開いて、体幹を使って振り、球を飛ばさないようにしている結果の打痕です」(中井)
タイガーのエースパター「ニューポート2GSS」
「タイガーはフェースを開閉してストロークするタイプ。ヘッドはしっかり動いても転がりすぎないピンタイプ。だから、しっかり打てるんです」(中井)
【ジャスティン・ローズ】飛びすぎない打点位置を意図的に使っている
「トウ寄りの飛ばない打点で打っているのがわかります。バンカーショットでも同様で、フェースをやや開いて、先寄りのバウンスを使って球を拾っていることがうかがえます。ボールが柔らかく出るので、柔らかい砂や深いバンカーで振っていく際に有効です」
ローズの「Axis1プロト」。ベントシャフトなのにオフセットがないのが特徴
「『FLATCAT』のグリップで、握り方はクロー。ヘッドはツノ型と、開閉なしの真っすぐ軌道を追求しているのがわかります」(中井)
【ダスティン・ジョンソン】飛びすぎないことにこだわったロフト選びと打点位置
「(通常のショットと同様に)ロフトを立て気味にインパクトするので64度を使っています。彼にとって球が飛ばなくてコントロールしやすいのがヒール寄り打点。フェースを閉じて振るシャット使いのフェードヒッターならではの技術です。ショットからショートゲームまで一貫性を感じますね」(中井)
2種類のヘッドを併用、でもネック形状は同じだからタイミングは揃う
「DJは、『JUNO』と『スパイダー』をグリーンの状態で使い分けています。どちらも開閉のタイミングが一緒のネック形状なので違和感なく使えるのでしょう」(中井)
【ローリー・マキロイ】トウ寄り打点に合った「HI-TOE」ウェッジ
「グリップを短くに握り、体の回転でしっかり打ち込むのが、マキロイのアプローチです。フェースターンを抑えながらトウ寄りの打点で打っていきます。飛びすぎることがないからゆるまない。『Hi-Toe』シリーズは、名前のとおりトウが高いのでトウヒットをしやすいのだと思います」(中井)
マキロイの「スパイダーTOUR」は大慣性モーメントのやさしさと操作性が両立
「少しコンパクトなネオマレットは、大きな慣性モーメントのやさしさと操作性が共存するモデル、オーソドックスなマキロイのストロークに合うのがわかります」(中井)
【フィル・ミケルソン】若い頃に愛用した「ピンアイ2」を思わせる「MD PMグラインド」。必殺のロブにぴったりの「顔と機能」
「フェースの先までスコアラインが入りトウ側が上に伸びた『EYE2』を彷彿とさせる形。トウ上の極限までフェース面を使いたい意図が見えます。まさに必殺のロブショットに見合ったフォルムです」(中井)
L字パターはミケルソンの代名詞「バーサ#9」
「太いグリップで握り方はクロー。L字マレットとの組み合わせはミケルソンならでは」(中井)
【リッキー・ファウラー】打点位置を変えて距離感とタッチを出す職人気質
「自分の感性で距離感をコントロールしているのは、フェースの色々なところに打点があるところに現れています。基本はクルンと振り抜いてロフトなりの素直な球を打ってくるタイプ。それがセンター打点の痕でしょう」(中井)
ファウラーのエース「サークルTニューポート2」
「シンプルなクランクネックの飛ばないパターで、しっかりストローク。ヘッド形状も『ニューポート2」と共通ですが、タイガーのスタイルと似ています」(中井)
【ジョーダン・スピース】ショット同様にフェースローテーション小なめ。打ち方を揃えて4本で寄せる
「ドライバーからパターまでヘッドを回して打たないのがスピースの特徴。だから、ウェッジも打点はセンター中心。打点位置を変えずにロフトの違う4本で距離感を出していきます。インパクトでパンチを入れたくない意図も見えますね」
スピースは、トラッドなアンサータイプをクロスハンドでストローク
「クロスハンドの左手リードでターゲットラインをなぞるように打ち出すだけ。右手のパンチはいっさい入らずストロークがブレません。美術がシンプルだから入りだすと止まらなくなります」(中井)
月刊GD2019年5月号より
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