オーガスタのような超高速グリーンをはじめ、高難度のグリーン周りを攻略するトッププレーヤーの技をウェッジの打痕から分析。解説は中井学プロ。

【解説/中井学】
多くのプロ、アマを指導するコーチであり、自身もツアープレーヤー。「選手の求める技、弾道が如実に表れるのがウェッジ&パターなんです」

【タイガー・ウッズ】フェースを開き、体幹を使って振るから打痕がセンターから斜めに入る

画像: トウ側に打痕が集まっているタイガーのウェッジ(60度)

トウ側に打痕が集まっているタイガーのウェッジ(60度)

「フェース面を斜めに使うので、打痕が真ん中からトウ寄りに。ウェッジも体幹を使って振っているタイガー。フェースをうっすら開いて、体幹を使って振り、球を飛ばさないようにしている結果の打痕です」(中井)

画像: タイガー・ウッズのアプローチ。「体幹、腹筋を使ってコントールするのがタイガーです」

タイガー・ウッズのアプローチ。「体幹、腹筋を使ってコントールするのがタイガーです」

画像: 使用クラブはテーラーメイドの「ミルドグラインドRaw」。ロフトは不変の56・60度

使用クラブはテーラーメイドの「ミルドグラインドRaw」。ロフトは不変の56・60度

タイガーのエースパター「ニューポート2GSS」

画像: エースパター、スコッティ・キャメロンの「ニューポート2GSS」

エースパター、スコッティ・キャメロンの「ニューポート2GSS」

画像: タイガーのエースパター「ニューポート2GSS」

「タイガーはフェースを開閉してストロークするタイプ。ヘッドはしっかり動いても転がりすぎないピンタイプ。だから、しっかり打てるんです」(中井)

【ジャスティン・ローズ】飛びすぎない打点位置を意図的に使っている

画像: バンカーショットではトウ寄りのバウンスを使っている

バンカーショットではトウ寄りのバウンスを使っている

画像: ジャスティン・ローズのバンカーショット

ジャスティン・ローズのバンカーショット

「トウ寄りの飛ばない打点で打っているのがわかります。バンカーショットでも同様で、フェースをやや開いて、先寄りのバウンスを使って球を拾っていることがうかがえます。ボールが柔らかく出るので、柔らかい砂や深いバンカーで振っていく際に有効です」

画像: 使用クラブはタイトリストの「ボーケイ ウェッジワークス」

使用クラブはタイトリストの「ボーケイ ウェッジワークス」

ローズの「Axis1プロト」。ベントシャフトなのにオフセットがないのが特徴

画像: 使用パター「Axis1プロト」

使用パター「Axis1プロト」

画像: ローズの「Axis1プロト」。ベントシャフトなのにオフセットがないのが特徴

「『FLATCAT』のグリップで、握り方はクロー。ヘッドはツノ型と、開閉なしの真っすぐ軌道を追求しているのがわかります」(中井)

【ダスティン・ジョンソン】飛びすぎないことにこだわったロフト選びと打点位置

画像: 【ダスティン・ジョンソン】飛びすぎないことにこだわったロフト選びと打点位置
画像: (写真ではわかりにくいが)センターからヒール寄りに打痕が残る。トウ側よりも明るくなっている

(写真ではわかりにくいが)センターからヒール寄りに打痕が残る。トウ側よりも明るくなっている

「(通常のショットと同様に)ロフトを立て気味にインパクトするので64度を使っています。彼にとって球が飛ばなくてコントロールしやすいのがヒール寄り打点。フェースを閉じて振るシャット使いのフェードヒッターならではの技術です。ショットからショートゲームまで一貫性を感じますね」(中井)

画像: テーラーメイドの「Hi-Toe」

テーラーメイドの「Hi-Toe」

2種類のヘッドを併用、でもネック形状は同じだからタイミングは揃う

画像: テーラーメイドTPコレクション「JUNO」

テーラーメイドTPコレクション「JUNO」

画像: もうひとつは「スパイダー」

もうひとつは「スパイダー」

「DJは、『JUNO』と『スパイダー』をグリーンの状態で使い分けています。どちらも開閉のタイミングが一緒のネック形状なので違和感なく使えるのでしょう」(中井)

【ローリー・マキロイ】トウ寄り打点に合った「HI-TOE」ウェッジ

画像: ローリー・マキロイのアプローチ

ローリー・マキロイのアプローチ

「グリップを短くに握り、体の回転でしっかり打ち込むのが、マキロイのアプローチです。フェースターンを抑えながらトウ寄りの打点で打っていきます。飛びすぎることがないからゆるまない。『Hi-Toe』シリーズは、名前のとおりトウが高いのでトウヒットをしやすいのだと思います」(中井)

画像: 【ローリー・マキロイ】トウ寄り打点に合った「HI-TOE」ウェッジ
画像: 48・54・60度のウェッジを使用。48度はミルドグラインド、54・60度がHi-Toe

48・54・60度のウェッジを使用。48度はミルドグラインド、54・60度がHi-Toe

マキロイの「スパイダーTOUR」は大慣性モーメントのやさしさと操作性が両立

画像: 使用パターは、テーラーメイドの「スパイダーTOUR」

使用パターは、テーラーメイドの「スパイダーTOUR」

「少しコンパクトなネオマレットは、大きな慣性モーメントのやさしさと操作性が共存するモデル、オーソドックスなマキロイのストロークに合うのがわかります」(中井)

画像: マキロイの「スパイダーTOUR」は大慣性モーメントのやさしさと操作性が両立

【フィル・ミケルソン】若い頃に愛用した「ピンアイ2」を思わせる「MD PMグラインド」。必殺のロブにぴったりの「顔と機能」

画像: トウ上のぎりぎりまで使えるフェース。「マックダディ フィル・ミケルソングラインド(MD PMグラインド)」

トウ上のぎりぎりまで使えるフェース。「マックダディ フィル・ミケルソングラインド(MD PMグラインド)」

「フェースの先までスコアラインが入りトウ側が上に伸びた『EYE2』を彷彿とさせる形。トウ上の極限までフェース面を使いたい意図が見えます。まさに必殺のロブショットに見合ったフォルムです」(中井)

画像: 【フィル・ミケルソン】若い頃に愛用した「ピンアイ2」を思わせる「MD PMグラインド」。必殺のロブにぴったりの「顔と機能」
画像: ロフト64度、バウンス10度

ロフト64度、バウンス10度

L字パターはミケルソンの代名詞「バーサ#9」

画像: オデッセイの「バーサ#9ホワイト」。オデッセイの新しい『ストロークラボ』もでるを使用することもある

オデッセイの「バーサ#9ホワイト」。オデッセイの新しい『ストロークラボ』もでるを使用することもある

画像: L字パターはミケルソンの代名詞「バーサ#9」

「太いグリップで握り方はクロー。L字マレットとの組み合わせはミケルソンならでは」(中井)

【リッキー・ファウラー】打点位置を変えて距離感とタッチを出す職人気質

画像: ヒール、センター、トウ上、3カ所で打ち分けているのがわかる

ヒール、センター、トウ上、3カ所で打ち分けているのがわかる

「自分の感性で距離感をコントロールしているのは、フェースの色々なところに打点があるところに現れています。基本はクルンと振り抜いてロフトなりの素直な球を打ってくるタイプ。それがセンター打点の痕でしょう」(中井)

画像: コブラの「KING Vグライド」。写真右端が60度

コブラの「KING Vグライド」。写真右端が60度

ファウラーのエース「サークルTニューポート2」

画像: スコッティ・キャメロンの「サークルT ニューポート2」

スコッティ・キャメロンの「サークルT ニューポート2」

「シンプルなクランクネックの飛ばないパターで、しっかりストローク。ヘッド形状も『ニューポート2」と共通ですが、タイガーのスタイルと似ています」(中井)

画像: ファウラーのエース「サークルTニューポート2」

【ジョーダン・スピース】ショット同様にフェースローテーション小なめ。打ち方を揃えて4本で寄せる

画像: ジョーダン・スピースのロブ系アプローチ

ジョーダン・スピースのロブ系アプローチ

「ドライバーからパターまでヘッドを回して打たないのがスピースの特徴。だから、ウェッジも打点はセンター中心。打点位置を変えずにロフトの違う4本で距離感を出していきます。インパクトでパンチを入れたくない意図も見えますね」

画像: 打痕はほぼセンター寄り

打痕はほぼセンター寄り

画像: ボーケイ「SM7」を46・52・56・60 度の組み合わせて距離を打ち分ける

ボーケイ「SM7」を46・52・56・60 度の組み合わせて距離を打ち分ける

スピースは、トラッドなアンサータイプをクロスハンドでストローク

画像: スコッティ・キャメロンの「サークルT9」

スコッティ・キャメロンの「サークルT9」

「クロスハンドの左手リードでターゲットラインをなぞるように打ち出すだけ。右手のパンチはいっさい入らずストロークがブレません。美術がシンプルだから入りだすと止まらなくなります」(中井)

画像: クロスハンドグリップはスピースのトレードマーク

クロスハンドグリップはスピースのトレードマーク

月刊GD2019年5月号より

最新のレッスン・プロ・ギア情報はこちらをチェック!

ゴルフダイジェストのゴルフ旅はこちら↓

This article is a sponsored article by
''.