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タイガーの大復活で閉幕した2019マスターズ。GD特派記者となって現地を訪れた吉田洋一郎プロが見た「日本と世界との差」。パート2は、調子の波について。
画像: 【解説/吉田洋一郎プロ(2019レッスン・オブ・ザ・イヤー)】 Dr.クォンとの「反力打法」でレッスン・オブ・ザ・イヤー受賞。最新理論の探究に余念がないゴルフスウィング研究家。

【解説/吉田洋一郎プロ(2019レッスン・オブ・ザ・イヤー)】
Dr.クォンとの「反力打法」でレッスン・オブ・ザ・イヤー受賞。最新理論の探究に余念がないゴルフスウィング研究家。

つねに「70点」が出せれば“頂点”に手が届く

松山選手は、PGAツアーのトップレベルでそん色ない活躍をしています。誰もが実力を認めるところであり、課題を偉そうに言うのは、おこがましい気もするのですが、練習日から松山選手を見ていて、スウィング面で、私なりに気になったところがあったのでそれを話させてもらいます。(吉田)

一番気になったのは、フェースが開いた状態でインパクトしていることが非常に多かったことです。調子がいいときの松山選手は、トップでフェース面が45度を向いた、いわゆるスクェアな状態だったのですが、今回はそれが少し開いていました。

画像: 右へのミスが目立った松山。林からのショットも多く苦戦をしいられたが、それでも予選を通るのは自力がある証拠。調子を戻して以前のような活躍を期待したい

右へのミスが目立った松山。林からのショットも多く苦戦をしいられたが、それでも予選を通るのは自力がある証拠。調子を戻して以前のような活躍を期待したい

松山選手は、もともとフェースローテーションが少なく、体の回転力でスウィングをするタイプなので、トップでフェースが開いていると、インパクトでスクェアに戻らず、間に合わないまま開いて当たることが多くなってしまうのです。

今回、ミスのほとんどが右へ抜けるような球だったので、「フェースが戻ってこないんだな」と思って見ていました。松山選手本人が意図してフェースを開き気味に使っているのかはわかりませんが、マスターズのとくに予選2日間に限って言えば、アジャストできる確率が低かったように思えます。

FWキープ率は82位(予選2日間データ)

画像: アイアンショットのキレ味は世界トップレベルの松山。「ドライバーが安定してくれば、リズムが生まれ、パットもよくなってくるはずです。とにかく、ドライバーショットの安定感を求めてほしいですね」(吉田)

アイアンショットのキレ味は世界トップレベルの松山。「ドライバーが安定してくれば、リズムが生まれ、パットもよくなってくるはずです。とにかく、ドライバーショットの安定感を求めてほしいですね」(吉田)

松山英樹 2019シーズン スタッツデータ
平均ストローク 69.99(16位)
ドライビングディスタンス 307.8Y (16位)
FWキープ率 58.73% (148位)
パーオン率 70.99% (23位)
平均パット数 1.804 (192位)
平均バーディ数 4.08 (53位)
ティショットの確率 左のラフ 9.63% 右のラフ 22.99%

ですがアイアンショットに関しては、世界トップレベルであることは間違いありません。そのため、ドライバーの「平均点」をもう少し上げることが、松山選手の課題と言えるのではないでしょうか。

とはいえ、マスターズでもしっかり予選を通ってみせ、最終順位は32位。本人の様子を見ても、決して調子がいいとは言えない状態だったと思います。初日の出だし3ホールでボギーを叩き、本人も「パーが獲れないんじゃないかと思った」と話していましたが、並の選手であれば、あの3ホールで終わってしまいます。

しかし、松山選手はその後、5番でバーディを奪い、最終的にはスコアをまとめてきました。調子は最悪だったと思いますが、最悪の状態でも、マスターズで予選を通過できる自力があるのは、さすがとしか言えません。

今回はメカニカルな部分が上手くいっていませんでしたが、自力があるだけに今後調子が上がってきたときがとても楽しみです。

コーチをつけるのも一つの手

もうひとつ気になったのは、松山選手は練習場で黙々とひとりで練習を行っていることです。海外の選手はコーチをつけるのが当たり前なのですが、松山選手はコーチをつけていません。

もちろん、選手本人の判断ですし、ほかの日本人選手を見てもコーチはつけていないので、日本とアメリカの文化の違いなのかもしれません。

画像: PGAツアーでは約9割の選手がコーチをつけていると吉田プロ。「ショット、アプローチ、パット、フィジカルなど、それぞれ分けている選手もいます。2位に入ったF・モリナリは今回、4人のコーチを帯同させています。日本はあまり考えられませんが、世界では当たり前なのです」

PGAツアーでは約9割の選手がコーチをつけていると吉田プロ。「ショット、アプローチ、パット、フィジカルなど、それぞれ分けている選手もいます。2位に入ったF・モリナリは今回、4人のコーチを帯同させています。日本はあまり考えられませんが、世界では当たり前なのです」

しかし、スウィングを客観的に見られるのは、大きいと思います。実際、デシャンボーのコーチであるクリス・コモは、デシャンボーの話を聞くことのほうが多いそうです。

画像: 海外の選手は9割コーチをつけている

海外の選手は9割コーチをつけている

それも立派なコーチの役割で、選手がストレスなく戦えるようケアすることも重要なのです。そういった意味でもコーチをつけるという選択もありなのではないでしょうか。

「課題③日本人の現在位置」に続く

画像: コーチをつけるのも一つの手

週刊GD2019年4月30日号より

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