アプローチの距離感が合わず大事な場面で寄せワンを逃している人。ショートゲーム名人の日下部光隆プロに言わせると、「もっと出球の意識を高めるべき」。その出球のカギは「速くて低い打ち出し」だと言うが……。
画像: 【解説】日下部光隆 1968年生まれ。ツアー3勝の実績を持つショートゲームの天才。昨年末からシニアツアーに参戦。「WOSSゴルフスタジオ」を主宰

【解説】日下部光隆
1968年生まれ。ツアー3勝の実績を持つショートゲームの天才。昨年末からシニアツアーに参戦。「WOSSゴルフスタジオ」を主宰

ロフトが立たないとフェースに球が乗らない

イメージどおりのピッチ&ランで寄せるうえで「出球」を揃えることは不可欠。いつも同じ打ち出しで打つためには、意外に知られていない要因があると日下部プロ。

日下部 出球を揃えるには、打ち出し角とボール初速を揃えなければならないことはみなさんもわかっていると思います。でもそこを安定させるためには、まず低く、速く出る球を身につける必要があることを知らない人が多いんです。

画像: ピッチ&ランの基本、SWの30Y。キャリー15Y、ラン15Yの「出球」がこの数値。意外に強く低く出るが、これを恐れずフェースに球が乗る感じを覚ることが第一

ピッチ&ランの基本、SWの30Y。キャリー15Y、ラン15Yの「出球」がこの数値。意外に強く低く出るが、これを恐れずフェースに球が乗る感じを覚ることが第一

日下部プロのSW(58度)での30Yのピッチ&ランを実測。キャリー約15Yで、打ち出し角は25度とSWのロフトの半分以下。そしてボールスピード(BS)は11.5m/s。この数値は、想像以上に低く、速い出球だ。

日下部 打ち出しを揃えるためには、フェースにボールをしっかり乗せて、押し込むインパクトが不可欠。そのためにはある程度ロフトが立って、しかもヘッドが加速とまでは言いませんが、減速せずに当たる必要があります。

注意ふわっとした球では打ち出しも距離もそろわない

画像: ロフトを増やしながらヘッドを走らせるように打ったフワリとした球では、ボールがフェースの上を滑り、ボールを押し込めないので、インパクトが安定せず、出球を揃えるのが難しい

ロフトを増やしながらヘッドを走らせるように打ったフワリとした球では、ボールがフェースの上を滑り、ボールを押し込めないので、インパクトが安定せず、出球を揃えるのが難しい

日下部 アマチュアのアプローチに多いフワリとした球では、プロだって距離感を出すのは難しいんです。SWで30Y打って、キャリーとラン1対1が目安。まずは強く低い球に慣れてください。そうすればフェースに球が乗る感じもわかってきます。

“出球”を揃えるにはインパクトロフトとヘッドスピードが大事

【ロフト】 ハンドファーストにロフトを立ててヒット
いつも同じロフトで打つためには、手首の角度をキープして体の動きで打つことが大事。ハンドファーストでロフトを立ててボールをとらえよう。

画像: ロフトを立てて、右手首の角度を保ち打つ

ロフトを立てて、右手首の角度を保ち打つ

【HS】 速めのHSで減速せずインパクト
インパクトでボールと地面にヘッドが当たるぶん、あまり加速はしないが、決して減速させず上からしっかり打ち抜くことが大事。小さな振り幅をシャープに振ろう。

画像: 体の回転で打ち抜こう

体の回転で打ち抜こう

日下部プロのSWでキャリー15Yのピッチ&ラン

月刊GD2019年6月号より

ピッチ&ランの打ち出しは「速く・低く」が正解(その②)に続く

画像: 日下部プロのSWでキャリー15Yのピッチ&ラン

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