「インパクトでヘッドが走るから、クラブが仕事してくれる」。今週の通勤GDは、高松志門プロと奥田靖己プロによる名師弟「一行レッスン」です。その第三十話。

【通勤GD】通勤GDとは‟通勤ゴルフダイジェスト”の略。世のサラリーマンゴルファーをシングルに導くために、月曜日から金曜日(土曜日)までの夕方に配信する上達企画。帰りの電車内で、もしくは翌朝の通勤中、スコアアップのヒントを見つけてください。

ゴルフ芸人 高松志門
1951年生まれ。橘田規に師事し水平打法から独自の理論を展開。多彩な技から‟ゴルフ芸人”の異名をとる。
志門流一番弟子 奥田靖己
1960年生まれ。絶妙な寄せ技を武器に93年日本オープンで尾崎将司を退け優勝するなどツアー6勝、シニア2勝

奥田 ライが悪いときほど、うちの師匠はうれしいらしいですけど、一般の人はそれだけで固まってしまいますよね。

高松 ライが悪いと楽しいよ。どんなふうに打とうかいろいろ考えられて。

奥田 そうですか。僕はあんまりうれしくないです(笑)。だいたいディボット跡にボールが入ったら、ほとんどの人はフェースを閉じて構えますね。それで沈んでいる球に対してヘッドを上から打ち込む。

高松 ライが悪いほどフェースを閉じたがる人は、とにかく当てることが先決になってしまう。まあその方が当たることは当たるけど、それとまっすぐ行くことは違う話やからね。

奥田 フェースを閉じると、インパクトでヘッドが止まりやすいということをわかってないですね。フェースを開いて構えてあげると、ヘッドが走って仕事しやすいのに。

画像: ヘッドに仕事をさせる

ヘッドに仕事をさせる

高松 そうそう。ついでに補足で言うと、普通のライでもフェースをかぶしている人はスライスするね。

奥田 閉じて構えると、インパクトでは逆に開いてしまうんですね。うちの流派は、アドレスで開いておいてインパクトで閉じる打ち方ですから。

高松 フェースは開いているからこそ閉じれる。かぶしている人は開いてしまう。簡単な話やけどな。

奥田 そういえば、こないだのラウンドで、グリーンからこぼれて球がカート道にとまったんで、サンドウェッジのフェースを目一杯開いてパンと打ったら、見事にピンに寄りましたわ。

高松 そらコンクリートの上でフェースを閉じたら難しい。怖くて打てんわ。

奥田 普通は逆に考えますけどね。ディボット跡はともかく、まあコンクリートの上から打つ人はおらんやろうけど、ベアグラウンドとかでも、必ず閉じる。そんなもん、ちょっとフェースを開いたら、あとは思い切って打ったらええんです。

高松 思い切りいったら、ちゃんとヘッドは球の位置に入るからな。

奥田 それでヘッドが走ったら、絶対そこそこの場所に飛びます。

はじめから緩めて構えるんや

高松 そもそも構えでフェースを閉じるなんておかしな話や。

奥田 はい。普通にヘッドをポンと置いたら、フェースはちょっと開いてるはずですからね。

高松 つまりフェースを閉じる行為そのものに、すでに力みが入ってるということなんよ。ゆるゆるでグリップしたら、アドレスでフェースは開いているのが自然やから。

奥田 よくゴルフ中継で、「さっきのショットはインパクトが緩んだ」とか聞くけどそれは最初に力が入ってるから緩むということ。

画像: はじめから緩めて構えるんや

高松 だって最初に緩んでたら、それ以上緩まんからな。でもそういうと、今度は最初にグリップを一旦固めてから緩めようとする。これでは本当の意味で緩まない。やっぱりちゃんと構えてメンチ切りたいんやろうね。

奥田 構えなんてちゃんとせんでもええんです。ズルズルでええの。固めた状態から緩めようとすると、固まっていることに絶対気が付きませんから。

【通勤GD・今日のことば】フェースを閉じて構えるなんておかしな話や

月刊GDより

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