去年の夏頃から「扇風機付きウェア」を工事の現場で着用する姿を見かけるようになった。どれぐらい涼しいのだろう。これってゴルフにも使えるのではないか、と思っていたら、やっぱり出てきました、プロギアから発売された扇風機付きゴルフウェア「AIR COMPO」(エアーコンポ)。背面腰部の左右2カ所にバッテリー式ファンが2機搭載され、風量は4段階の切り換え式、最大1秒間に30リットルの外気をウェア内に吸入し、汗を気化させるというもの。

みんなで着れば「当たり前」。夏ゴルフの定番になるか

画像: 酷暑のゴルファーの救世主となるか? ゴルフ用の扇風機付きウェア「エアー コンポ」

酷暑のゴルファーの救世主となるか? ゴルフ用の扇風機付きウェア「エアー コンポ」

扇風機付きウェアをネットで検索すると「一大市場」になっていた。ウェアのデザインも工事の現場風のものもあれば、おしゃれ柄のものまで、その数を増やしていた。こうなると、 もはや一過性のオモシログッズ的な扱いを乗り越え、しっかり認知された「機能性ウェア」と言ってもよさそうだ。

しかし、ゴルファー心理からすれば、「なんだ、それは…」と茶化される心配がある。外野の声を無視して着用するだけの度胸があるだろうか…。「これプロギアだから…」。背面上部中央に鎮座している「PRGR AIR COMPO」を指さし、「これ、れっきとしたゴルフウェアだから…」と主張すれば、茶化される度合いは多少減るかもしれない。

画像: 背面と胸元の「PRGR」ロゴで、ゴルフウェアであることのアピールは十分

背面と胸元の「PRGR」ロゴで、ゴルフウェアであることのアピールは十分

画像: スイッチを入れたままアドレスしても、特に違和感はない

スイッチを入れたままアドレスしても、特に違和感はない

それより問題は、この扇風機付きウェアを着てしっかりスウィングできるかどうか。涼しくてもスウィングできなければ、ある意味、別の汗(冷や汗)が大量に噴き出してしまう。

素材は紫外線99パーセントカットのポリエステル100パーセント。ウェア単体だと半そでのレインウェアにしか見えないが、違いは2つの扇風機が搭載されている点だ。

スイッチをオンにすると、ファンが回り外気が吸入されウェア全体が膨らむ。しかし、ソフトな膨らみ方なので、アドレスしても違和感はない。

プロギアといったらレインウェアの最高峰「レインコンポ」をかつて発売していた実績がある。レインコンポは、レインウェアの問題点を徹底的に研究し、雨水を遮断するだけでなく、蒸れや振り心地を損なわない「究極のレインウェア」として、プロや上級者に支持された。

画像: 左が電源オフ時。右が電源オン時(風量最大)

左が電源オフ時。右が電源オン時(風量最大)

その名称を継承する「エアーコンポ」だけに、振り心地に関しては、かなり研究されているようだ。お腹部分のだぶつき、テークバック時やトップ時の引っ掛かりもなく、スムーズにスウィングすることができる。ゴルフ専用だけに、ネット市場で売られている扇風機付きウェアとは、この辺がきっと違うんだろうな....。

そこそこ重量感のあるバッテリー本体(風量等のスイッチ切り換えも搭載)はパンツのベルト部分に付けるかたちとなっているが、小型とはいえ、扇風機2機はウェア本体に装着するため、邪魔になる重さではないが、そこに扇風機があることは感じる。

画像: 手のひらサイズのバッテリーは、電源オンオフ・充電残量確認・風量調整(4段階)を行うコントローラーを兼ねている

手のひらサイズのバッテリーは、電源オンオフ・充電残量確認・風量調整(4段階)を行うコントローラーを兼ねている

風量は4段階で調整可能。強風にすると、ファンの発するモーター音もちょっと上がってくるため、パット時には風量を下げる気遣いが必要かも。

最小風力では外気が吸入され、ウェア内を循環するのが感じられる程度だが、風量を弱の4から3、2と強めていくと、思っていた以上の涼しさが感じられる。特に首元からウェア内の熱が外へ抜けていくので、熱気がこもった感じがなく、汗でウェアがベタついた不快感も見事に解消してくれる。

風量を最大(1)にすれば、腰のあたりがひんやり冷たくなってきたなと感じるほど。見た目には暑そうでも、ウェアを脱いだ状態よりも格段に涼しく快適だ。

着用した直後に感じた扇風機の存在感も、数回素振りをする間に気にならなくなる。

エアーコンポはプロギア直営店5店舗とPRGR GINZA公式ショッピングサイトで限定発売。

色は画像のブルー(ファンはブラック)と、シルバー(ファンはグレイ)の2色。7月にはベストタイプの「エアーコンポベスト」が発売予定。価格は半そでが2万1600円(税別)、ベストが2万600円(税別)となっている。

また、購入にあたっては、サイズ選びが重要なのも付け加えておきたい。ウェア内の熱を効率よく外へ逃がすには、ある程度の隙間がほしいからだ。撮影モデルは177センチ、65キロでMサイズを着用。

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