【グリップ研究】小平智は気づいた。タイガーも松山も両手を絞るように握っている。これがPGAツアーの王道グリップ

2019-06-14

影山鉄 @ ゴルフへ行こうWEB

耳よりレッスングリップタイガー・ウッズ松山英樹リッキー・ファウラーブライソン・デシャンボーパトリック・リードジョン・ラーム小平智

グリップは長い間、両手のひらを合わせるように握ることがセオリーと言われてきた。しかし、米PGAツアーで戦う小平智プロは、両手を絞るように握るプロが多いことに気づいたという。左手をかぶせ、右手もかぶせる。どうやらトッププロたちは、スウィングの変化に合わせてグリップを変えてきているようだ

画像: 【解説／小平智プロ】 2018年のRBCヘリテージを制し、20年までの米PGAシード権を獲得。研究熱心で理想のスウィングを日々研究している — **【解説／小平智プロ】**
2018年のRBCヘリテージを制し、20年までの米PGAシード権を獲得。研究熱心で理想のスウィングを日々研究している

右手の股が、右耳とアゴの間を指すのが今どきの主流

米PGAツアーのシード権を獲得し、アメリカを主戦場にしている小平智プロ。ツアーを回っているなかで、とある上達のヒントを見つけたというのだ。

小平　世界のトップ選手のグリップは、みんな横から絞るように握っていて、右手の親指と人差し指の間の股が、右耳とアゴの間くらいを指していたんです。タイガーやデシャンボー、ラームとかも同じです。これに気づいて僕も実際に試してみたんですが、すごくいいんです。

画像: 2019年マスターズを制した、タイガー・ウッズのグリップ。左手はややフック、右手は横から絞るように握っている — 2019年マスターズを制した、タイガー・ウッズのグリップ。左手はややフック、右手は横から絞るように握っている

画像: ドローやフェードを打ち分けたいタイガーは、右手を絞るように握り、手首を使ってヘッドが返りすぎないようにしているのだろう — ドローやフェードを打ち分けたいタイガーは、右手を絞るように握り、手首を使ってヘッドが返りすぎないようにしているのだろう

──　具体的にはどう良かったのでしょう?

小平　絞るように握ることで、両腕と体が一体化しやすく、力んだときなどになりやすい僕の悪いクセである右肩が下がるアドレスが、このグリップをすることで調子が悪いときでも右肩の位置を高く保てるようになりました。

──　絞るように握ることで、ほかにもメリットがありましたか?

小平　そのうえ、フェースローテーションが抑えられるので、フェースがスクェアな時間も長くなります。こうすることでインパクト効率が格段に上がって、以前まで多かった左へのミスがなくなりました。

【パット】「入るストロークはインサイドtoアッパー」タイガーの元パッティングコーチが特別レッスン! - ゴルフへ行こうWEB by ゴルフダイジェスト

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右手のひらで押せる! 横から握るというより巻き付けるイメージ（小平）

画像: 松山はインターロッキングで右手の股は右耳を指す。頭を残しヘッドを走らせるために、左に行きやすい。なので手首を返さないようウィークに握っているのだろう — 松山はインターロッキングで右手の股は右耳を指す。頭を残しヘッドを走らせるために、左に行きやすい。なので手首を返さないようウィークに握っているのだろう

画像: リッキー・ファウラー右手の人差し指をトリガーのように握ることで、人差し指の腹とフェースがリンクして押し込んでいける — **リッキー・ファウラー**
右手の人差し指をトリガーのように握ることで、人差し指の腹とフェースがリンクして押し込んでいける

画像: 左手親指はシャフトの真上。右手親指と人差し指で左親指をつまむようにグリップ — 左手親指はシャフトの真上。右手親指と人差し指で左親指をつまむようにグリップ

画像: ブライソン・デシャンボー左腕とクラブを一直線にして大きなコックを入れずに打っていくタイプなので握りは両手ともウィーク — **ブライソン・デシャンボー**
左腕とクラブを一直線にして大きなコックを入れずに打っていくタイプなので握りは両手ともウィーク

画像: コックが入りにくいウィーク。右手の股とグリップがほぼ一直線。両手を絞るように握る典型 — コックが入りにくいウィーク。右手の股とグリップがほぼ一直線。両手を絞るように握る典型

画像: パトリック・リード持ち球がドローなので左手の握りはフックでつかまえる形に。右手のひらで方向性が出るようにしている — **パトリック・リード**
持ち球がドローなので左手の握りはフックでつかまえる形に。右手のひらで方向性が出るようにしている

画像: 左手のこぶしが3つ見えるフック。右手は横から握ったフック — 左手のこぶしが3つ見えるフック。右手は横から握ったフック

画像: ジョン・ラーム両手のグリップとも左に少し回したウィークな握りで、フェースが閉じる動きを抑えたいる — **ジョン・ラーム**
両手のグリップとも左に少し回したウィークな握りで、フェースが閉じる動きを抑えたいる

画像: 左手の甲が飛球線を向く。人差し指の腹でボールを押せる形。両手を絞るように握っている — 左手の甲が飛球線を向く。人差し指の腹でボールを押せる形。両手を絞るように握っている

Q. 絞るグリップは何がいいの?

A. 方向性が安定します（小平）

画像: 小平プロのグリップ。右手の股をグリップと一直線にすることで、股とフェース面がリンクし、方向性が出しやすくなる — 小平プロのグリップ。右手の股をグリップと一直線にすることで、股とフェース面がリンクし、方向性が出しやすくなる

メリット1
アドレスで肩が水平に構えられる

画像: 「横から絞るように握ることで調子が悪くなっても肩のラインを水平に保てるようになった」と小平プロ — 「横から絞るように握ることで調子が悪くなっても肩のラインを水平に保てるようになった」と小平プロ

横から絞って握ると、両手の一体感が生まれアドレスで肩のラインが水平になる。

メリット2
フェースローテーションを使いにくくなる

手首の操作が減少するため、フェースがスクェアを保つ時間を長く作り出すことができる。

画像: つかまりすぎが怖いという小平プロは、絞るグリップでフェースローテーションのしすぎを抑えている — つかまりすぎが怖いという小平プロは、絞るグリップでフェースローテーションのしすぎを抑えている

【ペブルビーチ・名勝負】ワトソンvs二クラス。海風の17番でクリネックスショットが放たれた（1982年全米オープン） - ゴルフへ行こうWEB by ゴルフダイジェスト

37年前の1982年全米オープン、舞台はペブルビーチ。新帝王と言われ始めたT・ワトソンは、帝王J・二クラスと優勝を争っていた。最終日の17番パー3、ワトソンは今も語り継がれる一打を放った。その時の心境とは? 作家・三好徹がワトソン本人から聞き出した言葉を回顧していった。「名コースに名勝負あり」

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