お尻を意識して動かすと全部が連動して動く
河本 お尻は体の真ん中にあると思うので、ここが動くと、上半身も含めて全部が自然に回転してくれます。それに、お尻に意識を持っていくと、手の意識がなくなって、腕を柔らかく使えるようになるんです。
ならば単純にお尻を回せばいいのかというと、そうではない。
河本 切り返しで、まず左のお尻をかかと側に引いて、回転をスタートさせます。そこから、右側の腰骨を下向きに押し込みつつ(骨盤の前傾を強めて)ダウンスウィング。インパクトでは、お尻の穴をキュッとする感じで、左右のお尻をくっつけて、左のお尻を高くします。これができると、体が左に流れずにスムーズに回転できるから、飛距離も出るんです。
少し複雑だが、インパクトの「お尻をキュッ」だけでもかなりの効果があるという。
お尻の穴を絞める2つの方法
①アドレスでお腹に力を入れる
腰を引っ込めるようにして腹筋に力を入れ、背中かから腰までを真っすぐにして構える。背中が「S字」に反ると、お尻を上手く使えない。
②切り返しで左のお尻を左かかと側に引く
切り返しでは、左腰を目標方向に突き出すのではなく、左のお尻をかかと側に引くようにして、一気に回す。これにより、軸ブレを起こさずに回転速度を上げられる。
インパクトでお尻が上がることが大切
河本プロのスウィングを背中側から見ると、トップで右の尻が高くなり、フォローでは逆に左の尻が高くなっているのがわかる。骨盤を、水平ではなく三次元的に動かして、クラブの縦軌道を作っている。
正しいヒップターン図解解説
河本プロはPGAツアー選手のスウィングを参考に、日々「お尻使い」を研究しているという。なかでもお気に入りは、ダスティン・ジョンソンと、トミー・フリートウッドの2人だ。
河本 2人の共通点は、インパクトでのお尻の位置が、アドレスよりも後ろになっていることです。お尻が後ろに下がると、それとバランスを取るようにして前傾が深くなって、手を低い位置に通せます。
ダスティン・ジョンソン…「お尻が後ろなら前傾が深まり手は低くなる」
【河本ポイント】インパクトで左お尻が後ろに張る感じが大切
お尻を後ろに出したまま回転
河本 (ダスティンを見てわかるとおり)手の通り道が確保されるから、腰の回転スピードに負けずに、スムーズに速く振れるんです。逆に、ほとんどのアマチュアは、インパクトに向かって、お尻がどんどん前に出ていくから、腕の通り道がなくなって、どうしようもなくて伸び上がっちゃうんです。
お手本はトミー・フリートウッド「切り返しで左のお尻を引く」
トップでは右のお尻を後ろに引いて腰を回す。切り返しでは、すでに引いてある右腰の位置を変えずに、左尻を引くことで、腰を前にずらさずに回転できる。左右の尻をそれぞれ分離して動かす感覚が必要。
月刊GD2019年7月号より