アイアンのロフトが立ち、ボールも飛ぶようになった今、ヘッド速度40〜42m/sの人によく見られるのが、5番と6番アイアンの飛距離差がほとんどななくなるという現象。これを解決するのがユーティリティ(UT)。UT活用術を永井延宏コーチがレクチャーする。

3U・4U・5Uでゲームを組み立てよう

アイアンとウッドではカバーできない! UTを入れ完成する飛距離の階段
14本のクラブをサッカーのフォーメーションに見立てたのが以下の図版。UTはいわば“MFゾーン”。ここで等間隔の「飛距離の階段」を作りたいが、多くの人は5番アイアンあたりで崩れがち。ここを補正するのがUTの目的だ。

画像: 3U・4U・5Uでゲームを組み立てよう
画像: 多くの人は160ヤードまでは大丈夫だけど…

多くの人は160ヤードまでは大丈夫だけど…

画像: 球が上がりやすいから狙える距離が広がる

球が上がりやすいから狙える距離が広がる

UTを3本入れると160~190Yが射程圏内に

永井 UTは構造的に高打ち出しで、球が上がりやすい。対するアイアンはスピンで球を上げるので、長い番手はヘッドスピードが必要です。また、FWに比べると、クラブ長さが短めなので当たりやすいというメリットもあるでしょう。

永井 ヘッド速度が遅くてもUTは上がりやすい。それを利用して敢えてFWを抜いてUTの3本体制を組む。すると190㍎までパーオン圏内になります。

ドライバーの飛距離が230~240㍎の人は、380㍎以上のパー4のセカンドや160㍎以上のパー3など、この距離を打つケースが圧倒的に多い。それを3本のUTで攻めるというわけ。

画像: UTを3本入れると160~190Yが射程圏内に

ゲームを支配する“中盤”を広げるUTは、クラブ攻勢に影響を与えるだけでなく、スウィング面でも重要な位置を占めるという。

画像: ドライバーとアイアンの中間、いわば中庸クラブのユーティリティは「シャフトが寝るクセ」「上から打ちすぎ」などの補正クラブの役割りにもなります(永井)

ドライバーとアイアンの中間、いわば中庸クラブのユーティリティは「シャフトが寝るクセ」「上から打ちすぎ」などの補正クラブの役割りにもなります(永井)

永井 クラブの長さがウッドとアイアンの間なので、スウィングの基準になります。よく「ドライバーは良いのに、アイアンが悪い」とか、その逆のことが言われますが、中庸を行くUTを練習することで、「アイアン寄り」、「ドライバー寄り」になりすぎたスウィングを矯正することもできるんです。

永井 思い切り打ち込んでスピンで球を上げようとしたり、アッパー軌道に当てなくても、UTは球が上がりやすいので、レベルに振るのが一番です。だから、UTを練習するとスウィング全体が良くなりますよ。

最新ギアに詳しい永井延宏プロ
国内外のスウィング理論だけでなく、クラブにも精通。広範な知識をもとに多くのアマチュアを指摘する

月刊GD2019年7月号より

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