いつも気持ちよくフィニッシュまで振り切って飛ばしたい。でもコースに出ると「右の林が気になって振れない」「曲がりそうだ」といった気持ちが出て、思い通りに振り切れないもの。そこで今回は、フィニッシュで腕やクラブが首に巻き付くくらい振り切って狙ったところへ飛ばす方法を紹介!
画像: 【解説】早川佳智プロ 1975年生まれ。スウィング史やギア変遷について造詣が深く、日夜研究を行っているマニアなティーチングプロ

【解説】早川佳智プロ
1975年生まれ。スウィング史やギア変遷について造詣が深く、日夜研究を行っているマニアなティーチングプロ

一般ゴルファーにはローテーションが多いスウィングが合う

フィニッシュまで気持ちよく振り切るには、どうすればいいのか? スウィング論にくわしい早川佳智プロに聞いたところ、われわれ日本人に合うタイプを理解することが大切だという。それは、ローテーションを使ったスウィングだ。

早川 体が大きく、体を鍛えていて筋力がある人ならフェースを返さなくてもボディーターンだけでボールを飛ばせます。しかし、普通の人には無理な話。積極的に腕をしなやかに使ってフェースや腕を回旋させながら打つことで、フィニッシュまで振り切りやすくなります。

画像: 一般ゴルファーにはローテーションが多いスウィングが合う

腕を振る→シャフトが首のわきにまきつくフィニッシュ「マキロイ派」

早川 180センチにも満たないゴルファーが振り切って飛ばすためには、体のバネや腕とフェースのローテーションを使いながら飛ばすのが効率的です。プロで言ったら小柄な飛ばし屋のマキロイ、若手のザンダー・ショーフリー、日本人なら石川遼選手の体使いです。腕を振ってヘッドを走らすスウィングタイプをマネると最後まで気持ちよく振り抜きやすくなります。

画像: 石川遼、ロリー・マキロイ、ザンダー・シャウフェレ

石川遼、ロリー・マキロイ、ザンダー・シャウフェレ

大柄のゴルファーは体を回すだけ→フィニッシュでシャフトが巻き付かない「ケプカ派」

早川 大柄で筋力があり体幹が強いゴルファーは、フェースを返す動きを極力少なくし、ボディを回してボールを飛ばします。そのためフィニッシュでシャフトが首に巻き付きません。ボールが曲がりにくいメリットはあるが、これを一般の人がマネをしたら、球がつかまらず飛距離が出なくなってしまう可能性があります。

画像: 左からゲーリー・ウッドランド、ブルックス・ケプカ、ダスティン・ジョンソン

左からゲーリー・ウッドランド、ブルックス・ケプカ、ダスティン・ジョンソン

腕をしなやかに使う女子プロに聞く【高橋彩華プロの場合】

ダウンで思いっきりジャンプするから腕が振られる! 

高橋 どんな場面でも振り切ることしか考えていません。振り切れるということは、迷いがない証拠。迷わなければ曲がりません。私の振り切るポイントは「ジャンプ」です。

高橋彩華(たかはしさやか)1998年生まれ新潟県出身。アマ時代に日本女子アマ優勝。黄金世代のひとり。ニチレイレディスでは2位に入った

画像1: ダウンで思いっきりジャンプするから腕が振られる!

高橋 振り切るにはヘッドを走らせる必要があります。力があるほうではないので、腕で走らせようと思っても逆にスピードが出なくなってしまう。だから、ジャンプするように体を使ってヘッドを走らせます。具体的には切り返しからダウンにかけて左足で地面を踏みます。

画像: トップで溜まった力をジャンプの動きで足を踏む。すると力が解放されてヘッドが走る

トップで溜まった力をジャンプの動きで足を踏む。すると力が解放されてヘッドが走る

高橋 ジャンプするつもりで左足を踏みます。そして、その反動を利用してスピードを生みます。これだと筋力が必要ないので、体の大きさ以上のパワーとスピードが出せるんですよ。

【ポイント①】 左足で地面を思い切り踏む

切り返しからダウンにかけて、左足で思い切り地面を踏む。そして、地面からの反動を利用してスウィングすると、回転力が増しスピードが生まれる。ヘッドが走って振り切れる。

画像2: ダウンで思いっきりジャンプするから腕が振られる!

【直伝ドリル】 ドライバーのマン振り素振りをいつもやってます

高橋 とにかく振ることを体に覚え込ませることが大事。振ろうと思ったときに振れない体では意味がない。いつでも振れる準備を整えておくためにマン振り素振りをしています。

画像3: ダウンで思いっきりジャンプするから腕が振られる!

高橋彩華プロのドライバーショット

腕をしなやかに使う女子プロに聞く【吉本ひかるプロの場合】

タイミングよく振るには「歩くようにゆっくり振る」

「しっかり振り切りたいときほどゆっくり振るようにしています」と言うのは吉本プロ。体をゆっくり使うことで、ヘッドは走っていくと考えている。

吉本ひかる(よしもとひかる)1999年生まれ滋賀県出身。152センチと小柄ながらツアーの第一線で活躍。高橋プロと同じく黄金世代のひとり

吉本 振り切りたいと思うほど、リズムやテンポは早くなりがちです。そうすると、振り遅れて右にミスをしてしまう。そういうときこそ“ゆっくり”が大事なんです。

ゆっくりというのは言葉では簡単だが、これが難しい。

吉本 歩くリズムです。走るようなリズムだと打ち急いでしまうので、ゆっくり歩くようなリズムでスウィングしています。テークバックのとき、クラブで地面を擦るように上げていくと、急がずゆっくりあげることができますよ。

画像: 歩くリズムで振ることで打ち急ぎがなくなり、ヘッドを走らせることができる。走るような慌ただしいリズムではヘッドが走らず、最後まで振り切ることができない

歩くリズムで振ることで打ち急ぎがなくなり、ヘッドを走らせることができる。走るような慌ただしいリズムではヘッドが走らず、最後まで振り切ることができない

画像: 走るように焦って振ると、タイミングがずれて振り切れない

走るように焦って振ると、タイミングがずれて振り切れない

吉本 私は背が小さいので、思い切りのよさで勝負していくタイプ。だからこそ、振り切れなくなったら終わりだと思っています。みなさんも〝ゆっくり〞を意識して、振り切ってくださいね。

【ポイント①】 地面を擦るようにクラブを上げる

地面を擦るようにクラブを上げていくと、体全体を使いやすくなる。手で上げようとすると、低い位置をキープすることが難しいため、手上げ防止にもなる。

画像1: タイミングよく振るには「歩くようにゆっくり振る」

【ポイント②】 背中を意識してバックスウィング

バックスウィングで上体が浮き上がってしまうのも、リズムが崩れる原因。背中に軸を意識することで、前傾角が崩れずバックスウィングできる。いい姿勢を保てることで打ち急ぎがなくなる。

画像2: タイミングよく振るには「歩くようにゆっくり振る」

吉本 調子が悪くなったり、ミスが出るときはだいたい振り切れていません。トップが浅く、クラブが下から入ってくるので、右へのミスが出やすくなります。そんなときほど、ゆっくりを意識するようにしています。

吉本ひかるプロのドライバーショット

週刊GD2019年7月16日号より

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