北野 まずはマットについて説明しましょう。練習場のマットは多少ダフってもヘッドが滑るので、大き なミスにはなりません。しかし、コースではヘッドが手前から入れば飛距離は大きく落ちてしまいます。つまり、マットの上から打っているときのほうが、ミスに対する許容度が高いのです。
── コースと 同様にシビアな環境にするには、どうすればいいでしょう?
北野 答えはティアップすることです。
── アイアンをティアップして打つのは、ビギナーの練習のようですが…。
北野 実はティアップしたほうが、打点のブレなどのミスが結果に表れやすいんです。ダフリやトップのミスは、前傾が崩れたりして、ボールと体の距離が変わることが原因。ティアップしたボールを打てば、それがよくわかるので、マットの上からとティアップしたボールを交互に打つのがお勧めです。
実戦練習①「マットとティアップの交互打ち」
── なるほど。他に効果的な練習はありますか?
北野 1球ごとに番手を替えて打つ練習がおすすめです。練習場のナイスショットがコースで出ないという方は、恐らく同じ番手で何球も続けて打っている人が多いと思います。スウィングを固めたい、あるいは課題に取り組むときには続けて打つことも必要ですが、コースで結果を出すためには、番手を替えながら打つ練習をしましょう。
実戦練習②「1球ずつ番手を替えて打つ」
── ドライバーとウェッジではボールとの距離は大きく変わりますし、コースで即座に調節する能力を磨くわけですね。
北野 そのとおりです。同じ番手を続けて打っていては、そうした調整力を身につけることはできません。練習場で番手を持ち替えた直後の1球目というのは、実はミスが出やすい。でも、その後にナイスショットが続くと、その事実に気づかなかったり、帰るときには忘れてしまっています。でも、コースでは同じ番手で続けて打つことはないので、結局、その持ち替えた直後のミスがコースでも出てしまうということです
── ボールとの距離については分かりました。方向性を磨くいい方法はありませんか?
北野 「ターゲットに構えて打つ」練習をしてください。ターゲットに構えるなんて当たり前と思うかもしれませんが、練習場では多くの人が、マットに対してスクェアに構えています。でも、コースにはマットのように方向を示す直線などはありません。このため目標に対して真っすぐに構えられず、たとえば、『フェースは目標を向いているけど、体は右を向いている』というような状態になりやすいんです。それがスウィングの歪みを生み、練習場と同じスウィングができない原因になるのです」
実戦練習③「ターゲットに構えて打つ」
実践編その2へ続きます
週刊GD2019年7月16日号より
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