「練習場のナイスショットが何故でない」シリーズの3回目(最終回)。練習場とコースの最大の違いは「傾斜の有無」という北野プロ。練習場は平らなので、それを克服するには結局コースに通うしかなさそうだが……。「そんなことはありません。実は練習場でもボールの位置を変えるだけで、斜面からのショットを練習することができます」と北野正之プロ。その方法、詳しく教えてください!
画像: 【解説】北野正之プロ 女子プロやアマチュアの指導経験が豊富。伸び悩むゴルファーに気づきを与える指導を得意とする。松原ゴルフアカデミー所属

【解説】北野正之プロ
女子プロやアマチュアの指導経験が豊富。伸び悩むゴルファーに気づきを与える指導を得意とする。松原ゴルフアカデミー所属

ボールの位置を変えて打てば、斜面から打つ練習になる

北野 通常のボールの位置に対して『左寄り』『右寄り』『遠く』『近く』の4つの位置を設定すれば、それぞれ『左足下がり』『左足上がり』『つま先下がり』『つま先上がり』の4つの傾斜を想定した練習をすることができます。

実戦練習④「4つのボール位置で4つの傾斜を仮想」

画像: 実戦練習④「4つのボール位置で4つの傾斜を仮想」

── アマチュアがとくに苦手な「左足下がり」のショットは、足元が不安定なため、上体が早く起きてしまい、それがダフリやトップの原因となってしまいますね。

北野 ボールの位置をいつもより極端に左寄りに置いてください。このボールを打つには、左足下がりと同様に、前傾をキープして打つ必要があります。上体が起きて前傾が崩れるとボールに届かなくなってしまう。ヘッドをボールにしっかり届かせるには、フォローまで前傾を崩さずにヘッドを低く長く出さなくてはならない。それには下半身の粘りが必要ですが、こうしたポイントは、まさに左足下がりの打ち方と同じなのです。

画像: 左寄りに置いたボールを打つには、左足下がりと同様に前傾をキープしながらヘッドを低く出す必要がある。ボール位置を変えるだけで傾斜を仮想することができるのだ

左寄りに置いたボールを打つには、左足下がりと同様に前傾をキープしながらヘッドを低く出す必要がある。ボール位置を変えるだけで傾斜を仮想することができるのだ

画像: コースに平らなライはほとんどないので、こうして練習しておくだけでナイスショットの確率が格段に高まります

コースに平らなライはほとんどないので、こうして練習しておくだけでナイスショットの確率が格段に高まります

2種類の攻め方を考えて1球ずつ打ちわける

── 斜面からのショットが苦手な人は是非、次回からの練習に取り入れてほしいですね。他に実践すべき練習はありますか?

北野 2種類の攻め方を考えて打つことですね。

── 2種類とは?

北野 練習場ではミスしてもすぐに打ち直せるが、コースでは1発勝負、打ち直すことはできません。さらにバンカーや池などのハザードも待ち受けているます。そうした厳しい状況に対処するには、練習場でもコースを想定してボールを打つことが必要。そこでつねに2種類の攻め方を考えて打つのです。

実戦練習⑤目標を決めたら、2種類の球で2球打つ

── 具体的には?

北野 たとえば、練習場にある150ヤードのグリーンを狙うとしましょう。このとき、漠然とグリーンを狙うのではなく、左にハザードがあると想定して、絶対に左には外さない打ち方と、逆に右にハザードがあると想定し、絶対に右には外さない打ち方をするのです。そう考えただけで、フォローでのヘッドの抜け方やフィニッシュが変わります。

── 30ヤードのグリーンなら『高い球で乗せる』と『低い球で手前で1バウンドさせて乗せる』もいいですね。

北野 ドライバーなら『気持ちよく振り抜く』と『短く握って低い球を打つ』など、つねにコースを想定して2種類の打ち方を練習をしておくことが大切です

【1球目】目標に向けて気持ちよく振りぬくショット

画像1: 実戦練習⑤目標を決めたら、2種類の球で2球打つ

【2球目】短く持ってコントロールショット

画像2: 実戦練習⑤目標を決めたら、2種類の球で2球打つ

練習場のナイスショットは単なる自己満足。コースでのナイスショットは会心の一打ではなく、狙った場所に運ぶことなのだ。

週刊GD2019年7月16日号より

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