左足体重インパクトがフェード鉄板の“掟”
坂田 フェードを打つには、左足体重でインパクトすることが絶対条件。そのためには切り返しから左腰を目標方向へスライドさせて、右から左へ体重を移動するんです。
坂田 左への体重移動とともに、ダウンスウィングからインパクトでは、手元も左へスライドします。アドレス時よりもロフトが立ち、フェースもオープンの状態で当たりやすいので、トウ側で打っても低くて強いフェードになるんです。
また、左腕のリードで振る意識も大事だと坂田プロ。
坂田 インパクトで左手首を手のひら側に折り、左手の甲で方向性とスピン量をコントロールするんです。
腰のスライドは石川遼プロもやっている
日本プロゴルフ選手権で3年ぶりの優勝を飾り、復活を遂げた石川遼も、切り返しからダウンで左腰をスライドさせて打っている。
坂田 飛距離を出すためだけではなく、低く長いインパクトゾーンでボールをとらえる狙いもある。フェードが打てる選手の特徴的な動きです。
3つのポイント
【ポイント①】 切り返しから左腰をスライドする
坂田 切り返しから左腰を目標方向に向かって、真横にスライドさせていきます。この動きがないと左足体重でインパクトできないので、フェードは打てません。このとき体が開かないように注意。右から左へと真横にスライドするだけで、インパクトは体の正面です。
【ポイント②】 ハンドファーストにインパクトする
坂田 風に強いライナー系の低い弾道で目標へ正確に運ぶのが、ライン出しのショット。それにはハンドファーストでロフトを立ててインパクトする必要があります。左腰をスライドすることで、ハンドファーストにとらえやすくなるんです。
【ポイント③】 左手の甲で方向性を出す
坂田 インパクトで左手首が甲側に折れるとフェースが寝るので、スピン量が増えて吹き上がります。左腕でリードして、インパクトでは左手首を手のひら側に折る。左手の甲にフェース面を感じてコントロールしてください。
【ドリル】 切り返しで腰を押してもらう
坂田 体重が右に残る人は、切り返しで右腰を目標方向に押してもらう練習がおすすめ。切り返しで腰を左にスライドさせ、左足体重でインパクトする感覚がつかめます。低いスライスが出ればOK。チーピンの矯正にも効果的です。
あとはでっかいフォローが必要
── ライン出しだと、スウィングはコンパクトになるんでしょうか。
坂田 トップはコンパクトですが、フォローはできるだけ大きくします。
── コントロールしたいのにフォローを大きくって、なんだか矛盾してません?
坂田 左に体重移動して打つんですから、ダウンよりもフォローの円弧が大きくなるのが自然。フォローが大きくなれば、インパクトゾーンが長くなって、ボールも長く押し込むことができます。スウィング中は手首のコックを使わず、レベルにボールをとらえることも大事。インパクトが点ではなくゾーンになって、打ち出し方向が揃ってきます。
フォローを大きくする3つのポイント
【ポイント①】 フォローサイドを大きくする
坂田 通常のスウィングでは、ヘッドが描く軌道は体を中心に正円に近くなります。でも、ラインを出したいときは、フェースターンを抑えて、できるだけインパクトゾーンを長くしたいので、フォローの大きい楕円軌道で振るイメージを持つといいんです。
【ポイント②】 コックを使わずにスウィング
坂田 スウィング中のコッキング動作が大きくなると、ヘッドが体の近くを通って、インパクトゾーンも短くなります。左手のグリップを100%の力で握るイメージで手首の余計な動きを抑えます。結果としてインパクトゾーンが長くなり、手元でボールを押し込んでいけます。
【ポイント③】 インパクトゾーンはレベルブロー
坂田 ドライバーでラインを出していくにはレベルか、軽いダウンブローでボールをとらえていきます。そのほうがロフトを立てたまま、インパクトゾーンで長くボールを押し込んでいけるから。フォローではヘッドを低く長く出していくイメージがピッタリです。
【ドリル】ボールの後ろにタオルを敷いて打つ
坂田 ティアップしたボールの後ろに、少し間隔を空けてタオルを置きます。あおり打ちのアッパー軌道だと、タオルにヘッドが当たります。タオルに触れないように打つことで、自然とレベルか軽いダウンブローに打つ感覚がつかめます。
次は女子プロのライ出しショットに続く
週刊GD2019年7月30日号より