第5の女子メジャー「エビアン選手権」にアマチュアとして出場を果たした現役女子大生・安田祐香。その「ブレのないスウィング」の魅力を、プロコーチ・坂詰和久が語る。
画像: 安田祐香 2000年生まれ。神戸出身。17年に日本女子アマ優勝。19年には、第1回オーガスタ・ナショナル女子アマに日本人選手として出場、3位の好成績。大手前大学ゴルフ部在籍。

安田祐香 2000年生まれ。神戸出身。17年に日本女子アマ優勝。19年には、第1回オーガスタ・ナショナル女子アマに日本人選手として出場、3位の好成績。大手前大学ゴルフ部在籍。

ブレを防ぐ強い下半身

まず目につくのは、大きなスウィングアークと高いトップです。左腕とクラブを一直線にしたまま、体の動きでアップライトに高く上げていくことで、大きなエネルギーを生み出そうとしています。

その結果、トップでややリバース傾向(左足に重心が戻る動き)が見られますが、これを下半身で押
さえ込んでいるのが印象的です。バックスウィングで、右ひざの位置がほぼ変わらず、左ひざが右に寄っていかないところに注目しください。

下半身をどっしりと使うことで体のブレを防ぎ、上半身と下半身に大きな捻転差を作り出しているのです。体の線は細くても、見た目以上に下半身がしっかりしているのでしょう。

インパクトでは、左腕、シャフト、左脚が一直線になっていますが、これがいちばん力の出る形です。バックスウィングからダウンスウィングにかけて溜めこんだエネルギーを、効率よくボールに伝
えていることがよくわかります。

下半身を静かにしっかり使うだらブレない

安田選手の最大の魅力は、体のブレを最小限に抑える下半身使いにあります。前述した両ひざの動きもそうでが、これだけ大きなアークでスウィングしても、トップがコンパクトに収まるのは、下半身にゆるみがなく、ストッパーとして機能している証拠。

それが彼女の安定したショットを支えているのです。また、ダウンで右足をしっかりと蹴っているにもかかわらず、下半身の動きが静かなところも特筆すべき点と言えます。

これは下半身の回旋の上手さがなせる技。バックスウィングでは、右かかとと左つま先に、ダウンからインパクトにかけては右つま先と左かかとに重心を移動させることで下半身をスムーズに回旋させ、ムダな上下動を防いでいるのです。

インパクトで左のお尻が見える

この下半身の回旋によるヒップターンは、ダウンスウィングにおけるクラブの挙動にもいい影響を与えています。左から4コマ目でグリップエンドがボールを指しているのは、クラブがスウィングプレーンに乗っている証拠。

ダウン初期から腕を振らずヒップターンをしている

ダウンの初期では若干クラブが立っているのですが、そこから腕を振らずにヒップターンすることでクラブをスクェアに戻し、スウィングプレーンに乗せているのです。トップからインパクトにかけて、左のお尻が見えてくるのは、ヒップターンによって、左の骨盤が後ろに抜けた結果です。

画像: ダウン初期ではクラブが少し立っている。4コマ目のクラブの角度との違いに注目

ダウン初期ではクラブが少し立っている。4コマ目のクラブの角度との違いに注目

アベレージゴルファーの場合、この動きがスムーズにできない人が多いので、是非参考にしてもらいたいと思います。

解説/坂詰和久プロコーチ
佐伯三貴、菅沼菜々らのコーチを務める。HMBゴルフアカデミー(八王子)にてアマチュアの指導も行っている。

週刊GD2019年8月6日号より

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