ラフからのショットは確かに簡単ではありませんが、あまり難しく考えず、次の2点に注意して打ってみてください。
沈んでいるようでも、少しは浮いてる
ひとつめは、ラフでもボールは少なからず浮いているので、どの高さにあるのか見極めて、ボールの止まっている位置(高さ)にフェースを通してやりましょう。
ふたつめは、ラフだからといって芝をフェースの歯で切ろうとせず、ソールを滑らせましょう。
まずひとつめについてですが、日本の高麗芝の場合、ラフでボールが地面まで沈んでいることはまずありません。私はよくビルの高さに例えますが、ラフの芝の長さが5階建てのビルだとすると、ボールはだいたい3階くらいの高さに止まっています。
アマチュアに多いミスは「ラフでボールが沈んでいる」と思い込んで、必要以上に上から打ち込んでしまい、ボールの下をフェースが通ってボールがフェースの上っ面に当たったり、芝にリーディングエッジが刺さってフェースが抜けなくなったりしています。いずれも飛距離はかなり落ちてしまいます。
ボールの近くのラフを踏んでみて(ボールのすぐ後ろを踏んじゃダメですよ!)だいたい地面の高さを把握し、ボールが地面からどのくらいの高さにあるのか見極めましょう。その高さをフェースが通るように振ればいいのです。
イメージはパー3でティアップしたボールを打つのと同じです。フェースとボールの間に少なからず芝が入ってしまうので若干キャリーが落ちてしまいますが、その分スピン量が減って転がるのでトータル飛距離はそれほど落ちないと思います。
あとは手前にバンカーがあればそれを避ける方向に打つとか、バンカーに入らないように番手を上げ下げするとか考えるようにしましょう。
上から打たずに、手前から「お邪魔します」と滑らせる
ふたつめについては、特にショートアイアンだとリーディングエッジで芝を切って、フェースとボールの間に芝が入らないようにしよう、と考える方がいらっしゃるようです。
ただ、そうそう芝は切れませんから。強くヘッドを入れても、ヒールの下側が芝に引っかかり抜けにくいはずです。
若干、手前気味から入ったソールで芝を上から押しながら滑らせることで、フェースをボールまでたどり着かせるのです。これが私がよく言ってる「おじゃまします」打法なのです。
とにかく、「ラフの芝」と「家庭」でケンカをしてはいけません(笑)
田村尚之ゴルフQ&A