── 元々の開発コンセプトを教えてもらえますか?
ビル 11年前は8割がブレードのパターでした。ブレードで起きる方向性のミス、距離感のミス、それを解消したくて開発に着手したんです。完成形を見て最初プロは「ナニコレ?」という反応でした。でもその5週間後にJ・B・ホームズがスパイダーで優勝し、すぐに性能が証明されました。プロは2~6メートルのパットを打つ機会が多く、その距離で高いパフォーマンスを発揮できるパターを考えたんです。
── その性能、具体的には?
ビル 当時、プロのパットデータにミスヒットの例が多くあり「オフセンターヒットでも安定した転がりのパター」の開発に着手しやすかった。ブレードだとスウィートスポットを3、4ミリ外すと約7センチショートする。スパイダーXの場合はミスヒットでも結果は変わらないんです。
── ゴルファーにとってかなり理想的なパターですよね。
ビル もちろん悩みもありましたよ。パフォーマンスは実証されているのですが、実際に使うとなると「大きすぎる」とか「やっぱりブレードがいい」という人がやはり多い。ですからブレード系に近づけながら、性能を維持するというのが積年の課題でした。その点では「スパイダーX」は理想に近いものができたのではと、思っています。
Q1.ツアープロに流行っている理由は?
ソールにカーボンプレートを貼ったことで、真ん中部分を軽量化。慣性モーメントが大きくなり、重心深度も深くなりました。
Q2.ブレードタイプとの特徴の違いは?
アライメントに対してスクェアに構えられるように設計されたトゥルーパス。芯にしっかりアドレスしやすくなっています。
Q3.安定性と操作性のバランスの兼ね合いは?
ブレードは背中に支えがない状態で、左右にブレやすい。マレットたはバックパックを背負って左右にブレないイメージ。
Q4.ネックはどういうものが、どういう人に合う?
左にミスする人は先端が落ちるようなショートスラントが、右にミスするならセンターシャフトがおすすめ。
Q5.スパイダーはどんな進化を遂げてきた?
安定性はゴールに近い。操作性も考え小さくなった。理想に近いものができ、完成形に近いのでは。
スパイダーヒストリー
クモの衝撃から11年。テクノロジーが年々加わった
2008年
2009年
2011年
2014年
2016年
2017年
2019年
米PGAでも、もはやスパイダーが定番に
ローリー・マキロイ
今シーズンは「スパイダーX」をチョイス。ストロークゲインドパッティングは97位から29位に上昇。優勝3回、トップ10が12回と好成績。
ダスティン・ジョンソン
クラシックなブレード型が本来は好みというダスティン。だが、実際に試合ではいつもスパイダーをチョイス。本人もその選択を「なんでだろう」と思っているとか。
月刊GD2019年10月号より
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