近年の飛ばし屋に見られる、インパクト時のジャンプするような動き。この見た目だけを真似るのは注意が必要だとクォン教授は言う。今週の通勤GDは「Dr.クォンの反力打法」第31話。

【通勤GD】通勤GDとは‟通勤ゴルフダイジェスト”の略。世のサラリーマンゴルファーをシングルに導くために、月曜日から金曜日(土曜日)までの夕方に配信する上達企画。ワンテーマを3回~6回のシリーズでお届け。帰りの電車内で、もしくは翌朝の通勤中、スコアアップのヒントを見つけてください。

【語り手/クォン教授】
ヤン・フー・クォン。テキサス女子大学教授。専門はバイオメカニクス。生体力学的に理に適ったスウィングを研究。教え子にタイガーの元コーチ、クリス・コモらがいる
【聞き手/吉田洋一郎プロ】
よしだ・ひろいちろう。D・レッドベターをはじめ、世界の名だたるコーチのもとを訪れ、最新理論を直接吸収。日々探究・研鑽に余念がないゴルフスウィング研究家

吉田 先生、また読者から質問が届いています。「J・トーマスや小平智選手など、反力を使って飛ばしている選手はみんなインパクトでジャンプしているように見えます。自分も意識的にジャンプするようにしてみたのですが、なかなか上手くいきません。なにかコツはあるのでしょうか?」

クォン ふむ。スウィングを見ていないからなんとも言えないが、おそらく地面に力を加えるタイミングを誤解しているようだね。

画像: ダウンスウィング(写真左)が地面に力を加えるタイミング

ダウンスウィング(写真左)が地面に力を加えるタイミング

吉田 タイミングですか。

クォン そもそもジャンプする動きというのは、足と地面の相互作用の結果にすぎない。そしてその相互作用は、インパクトの瞬間ではなく、インパクトより前に生じている。

画像: ジャンプはインパクトの瞬間ではなく、インパクト前に生じている

ジャンプはインパクトの瞬間ではなく、インパクト前に生じている

吉田 つまりたまたまインパクトでジャンプしているように見えるだけで、インパクトで意識的にジャンプしようとしても意味はないと。

クォン 下の図はツアープロレベルのプレーヤーのダウンスウィング時の地面反力を示している。切り返し直後の時点(A)では、地面反力はもっとも小さく、体重の69%ほど。

吉田 その直後のBの段階で、反力が一気に大きくなっています。

画像: 切り返しAでは地面反力は小さく、Bでは大きくなっている

切り返しAでは地面反力は小さく、Bでは大きくなっている

クォン Bの段階で、地面反力の大きさがちょうど体重と同じ大きさになっている。言い換えると、これ以降は地面反力が体重を上回るということだね。

吉田 それは何を意味しているのですか?

クォン 地面をプッシュしているということだ。

吉田 そうか、地面を押すから体重より大きな反力が得られるんですね。

クォン そしてCの段階で、地面反力が最大になっている。ここが最もプッシュしているところだね。

画像: Cの段階が最大に地面をプッシュしていて、Dではまた反力は小さくなる。ジャンプはこのプッシュの結果として生じるにすぎない

Cの段階が最大に地面をプッシュしていて、Dではまた反力は小さくなる。ジャンプはこのプッシュの結果として生じるにすぎない

吉田 これ以降、反力がまた小さくなっています。

クォン インパクトの段階になると、体重よりは大きいものの、Cのときに比べるとかなり反力は小さくなっている。

吉田 インパクトでジャンプしようと意識すると、どうしてもインパクト付近で地面をプッシュしようとしてしまいますが、これだとタイミングが遅いわけですね。

クォン そのとおり。インパクトではなく、ダウンスウィングの早い段階で力を加える必要がある。このタイミングを覚えるには、野球のように目標方向に左足をステップしてから体を回す水平素振りが有効だよ。

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