ツアープロのグリップを観察してみるとほとんどがフックグリップに握っている。なかにはゴルフを始めたときからこの握り方で習ったという声もあったほど。今や世界的にもトレンドになっている「フックグリップ&シャットフェース」はわれわれアマチュアゴルファーにも当てはまるものなのか、そのメリットを検証していった。

PGAツアーでもフック&シャットが主流になっている

フックグリップとは左手のナックルが自分から見て、2つから3つ見えるくらい左手をかぶせて握るグリップのこと。インパクトでフェースが開きにくく、ボールがつかまりやすいメリットがある。ストロンググリップともいう。

画像1: PGAツアーでもフック&シャットが主流になっている
画像2: PGAツアーでもフック&シャットが主流になっている
画像3: PGAツアーでもフック&シャットが主流になっている

【フックグリップがいい理由】ローテーションが抑えられる

フックグリップがいい理由について、大西翔太コーチに聞いた。

画像: 【解説/大西翔太】 1992年生まれ。青木瀬令奈のキャディ兼コーチとしてツアーに帯同。プロだけでなくアマチュアにもレッスンを行う

【解説/大西翔太】
1992年生まれ。青木瀬令奈のキャディ兼コーチとしてツアーに帯同。プロだけでなくアマチュアにもレッスンを行う

大西 フックに握ってシャットに上げる理由はフェースの開閉が抑えられてヘッドをストレートに動かしやすくなるからです。

大西 これほど「フック&シャット」が主流になったのは道具の進化、とくにドライバーヘッドの大型化が大きく影響しています。

【フックがいい理由①】フェースが開きにくい

画像: フックグリップはテークバックでフェースの開きを抑えやすい。始動の段階でフェースが開いてしまうと、大型ヘッドは戻しにくいため開いたままインパクトを迎えてしまう

フックグリップはテークバックでフェースの開きを抑えやすい。始動の段階でフェースが開いてしまうと、大型ヘッドは戻しにくいため開いたままインパクトを迎えてしまう

大西 パーシモンやメタルからゴルフを始めた人にとって、グリップは左手甲がターゲットを向くように教わったはず。これはフェースの開閉がしやすくなるメリットがあり、言い換えれば、そうしなければ昔のクラブは打ちこなすことができなかったからです。

大西 しかし、今どきの大型ヘッドは慣性モーメントが大きく一度フェースが開くと戻りにくい。だからこそ手首の動きを抑えられるフックグリップが重宝されているんです。

【フックがいい理由②】インパクトで真っすぐ動きやすい

画像: インパクトゾーンが長くなるほどボールへのエネルギー効率は高くなる。“走らせて弾く”よりも“長く押す”ことで飛距離を伸ばせる今どきのヘッドにマッチした動きと言える

インパクトゾーンが長くなるほどボールへのエネルギー効率は高くなる。“走らせて弾く”よりも“長く押す”ことで飛距離を伸ばせる今どきのヘッドにマッチした動きと言える

スクェアやウィークだとフェースの開閉が必要

左手甲がターゲットを向くように握ると手首の自由度が増すため、フェースの開閉が使いやすくなる。ただ、重心距離の長い今どきの大型ヘッドだと、開いたら閉じる動きが困難になるため適さないと言える。

画像1: スクェアやウィークだとフェースの開閉が必要

【注意】決してスクェアやウィークが悪いわけではない

スクェアやウィークに握ると振り遅れやすくなる事実はあるが、それが悪いわけではない。スウィングタイプによっては開閉させるほうがインパクトのタイミングが合うプレーヤーも当然いる。

画像2: スクェアやウィークだとフェースの開閉が必要

フックグリップ&シャットフェース②水町洵プロのレッスンに続く

週刊GD2019年9月24日号より

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