現代ゴルフの最重要クラブである、ドライバー。慣性モーメントが大きな大型ヘッドを打ちこなすコツを石井忍プロと目澤秀憲プロの解説で紹介していく。
画像1: 【スウィング改造】大MOI時代はドライバーでスウィング作り②  グリップからフォローまで「シャットフェース」6ポイント

【解説】目澤秀憲 
アメリカのゴルフ留学をし、その時得た知識を基にTPIのレベル3を取得。黄金世代の河本結のコーチとしても有名に
【解説】石井忍
ツアープロを経てコーチの道に。海外のスウィング理論を研究し、最新の計測機器を駆伎したレッスンに定評がある

【ポイント①/グリップ】
右手は下からフックに握る

画像: 【お手本】トミー・フリートウッド 2013年に欧州ツアーで初優勝を挙げ、17年には欧州ツアーの年間王者に輝いた。人気急上昇中のPGAツアー選手

【お手本】トミー・フリートウッド
2013年に欧州ツアーで初優勝を挙げ、17年には欧州ツアーの年間王者に輝いた。人気急上昇中のPGAツアー選手

フェースを閉じたまま動かせる握り方

フェースを閉じたままにするために右手は下からフックに握る。実はフックグリップにすると、フェースを開く動きがしづらく、逆に閉じる動きは簡単に。だからシャットにクラブを使うPGA選手にはフックに握る人が多い。

画像1: フェースを閉じたまま動かせる握り方

【目澤チェック】右手の薬指と中指を真下から引っかける

まず2本の指をひっかけてから握ると、確実にフックグリップになり、手のひらではなく、指先で握れるので、グリップ圧が強くなりすぎない。

画像2: フェースを閉じたまま動かせる握り方
画像: 右手に力が入るとウィークに

右手に力が入るとウィークに

【ポイント②/アドレス】 
背中は丸く、腕をだらりと垂らす

背中の丸いアドレスの利点は、アドレスで腕がだらりと垂れ下がる自然な形になることと、インパクトで腹筋に力を入れやすく、それによって前傾角度が保たれ、手の通り道を確保できること。背筋を伸ばすと、上体がガチガチになり始動がスムーズでなくなる。

画像: 【ポイント②/アドレス】 背中は丸く、腕をだらりと垂らす

股関節から前傾するから体が回る

背中を丸くといっても、棒立ち状態で背中だけ丸めのはNG。股関節から前傾して、お腹を引っ込める感じにしよう。

画像: 股関節を意識して前傾、そして背中は力みを抜いて丸く

股関節を意識して前傾、そして背中は力みを抜いて丸く

右腕全体を外旋させて右ひじを体に向け、右手だけを内側に回し戻してグリップする。右わきが閉まったアドレスになる。

〇 右ひじを体に向けるとわきが閉まり一体感が増す
✖ ひじが外を向くと手打ちになる

画像1: 股関節から前傾するから体が回る

【目澤チェック】ドライバーでは上体を右に傾けよう

左腰を高くして構えると、自然に上体が右に傾き、フックグリップと相性のいいアドレスに。

画像2: 股関節から前傾するから体が回る

【ポイント③/テークバック】
肩はタテの意識 右腕は内旋

画像: 【お手本】ブルックス・ケプカ 圧倒的な飛距離と正確なアイアンショットで、メジャー4勝を挙げ、世界ランク現在1位

【お手本】ブルックス・ケプカ
圧倒的な飛距離と正確なアイアンショットで、メジャー4勝を挙げ、世界ランク現在1位

左の「側屈」がタテ回転のカギ

肩をタテに回転させれば、手をこねてフェースを開くことなく、シャットにテークバックできる。肩をタテに動かすには、左わきを縮めて、上体を左に倒す「左側屈」が不可欠。この動きがないと、肩は横回転の要素が多くなる。

画像1: 左の「側屈」がタテ回転のカギ

【石井チェック】クラブと頭を遠くに離す感覚

①テークバックでは体は「左」に倒す
②左腕は「右」に回す
③この引っ張り合いを作ることで手の操作がなくなり、フェースが開かなくなる

画像2: 左の「側屈」がタテ回転のカギ

側屈を活かすコツ
①直立して右に側屈
②左腕を内側に回す
③前傾して上体を右に回す

【ポイント④/トップ】
左手は掌屈、フェースはやや上向きに

画像: 【お手本】ダスティン・ジョンソン 今年は春先に2勝を挙げ、通算20勝としてUSツアーの永久シード選手の資格を得た

【お手本】ダスティン・ジョンソン
今年は春先に2勝を挙げ、通算20勝としてUSツアーの永久シード選手の資格を得た

フェースが上向くとシャット、横を向くとオープンフェース

トップでは、左手首を手のひら側に曲げる(掌屈)のが理想形で、このとき、フェースは真上を向き、完全なシャットになっている。現代のドライバーでは、トップでフェースがオープン(フェースが横向き)だと、閉じながら落とすのは困難だ。

画像1: フェースが上向くとシャット、横を向くとオープンフェース

【石井チェック】腕と手が一直線になるくらいでOK

左手首を完全に掌屈させるには、相当な筋力が必要。アマチュアなら、左腕と左手甲が真っすぐになっていれば、まず十分だ。

画像2: フェースが上向くとシャット、横を向くとオープンフェース

【ポイント⑤/ダウンスウィング】
左股関節を折りこむように沈む

画像: 【お手本】パドレイグ・ハリントン 2007、08年全英オープンの連覇などメジャー3勝、世界各地で25勝を挙げているベテラン

【お手本】パドレイグ・ハリントン
2007、08年全英オープンの連覇などメジャー3勝、世界各地で25勝を挙げているベテラン

上体が伸び上がるとフェースが開いてしまう*

切り返しで「しゃがむ」と、下半身を簡単に上半身と分離して動かせ(つまり下半身リード)、地面反力も使える。体先行で手が遅れることで、シャットのまま下ろせるなど、いいことずくめだ。

画像1: 上体が伸び上がるとフェースが開いてしまう*

トップを高くしておいて、そこから一気に真下に沈み込むという。

画像2: 上体が伸び上がるとフェースが開いてしまう*

【目澤チェック】左お尻は左かかと側に素早く動かす

右足はあまり動かさず、左尻を後ろに突き出すように左足を動かしてしゃがむ。左股関節は曲げ角度を強くするイメージで。

画像3: 上体が伸び上がるとフェースが開いてしまう*

左足内側に向けて踏み込む

左足内側で受け止めるようしゃがむと動きがスムーズに。

画像4: 上体が伸び上がるとフェースが開いてしまう*

【ポイント⑥/インパクト~フォロー】
地面反力でスピードアップ

画像: 【お手本】ロリー・マキロイ 2019シーズンのツアー選手権に優勝し、年間王者に輝き約16億円のボーナスを手に入れた

【お手本】ロリー・マキロイ
2019シーズンのツアー選手権に優勝し、年間王者に輝き約16億円のボーナスを手に入れた

左肩も一緒に「引く」ことで回転速度が上がる

切り返しで沈み込む際に、左尻を後ろに引く勢いを利用して、腰を回し続けながら左足を一気に伸ばす。腰が回り続けてさえいれば、体が左に流れないので、左足を伸ばす力が100%、回転に変換される。この時、左肩も引くと、上体も左に回り、クラブ速度が上がる。

【目澤チェック】腰が回ると同時に一気に左ひざを伸ばす

腰が回転状態で左足を伸ばせば、回転が加速する。回転がなく伸ばすのは、ただの伸び上がり。

画像1: 左肩も一緒に「引く」ことで回転速度が上がる

【石井チェック】左ひざと連動させ左肩を引く

左ひざを伸ばすと、腰の回転が促されるが、それに合わせて左肩を引き、上体の回転もプラスすることで、より速くクラブを動かすことができる。

画像2: 左肩も一緒に「引く」ことで回転速度が上がる

大MOI時代スウィング作りはドライバーが簡単③に続く

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