下の写真は松山英樹の練習風景。よく見ると、インパクトの瞬間にボールではなく目標方向を向く“ルックアップ”をしている。いったいどのような思惑で、この練習に取り組んでいるのだろうか。取材を進めると、これこそ現代のクラブやスウィングにマッチした効率よくヘッドを走らせる方法だとわかった!

体を回転させ手元を浮かせたくない

このルックアップを意識しながら練習に取り組んでいるのは、日本人最強プロの松山英樹。

画像: 目標方向を見ながらボールを打つ

目標方向を見ながらボールを打つ

画像: 頭の左側を押さえて、体が突っ込まないように矯正する練習は見かけるが、この松山のように右側を押さえてもらって回転をうながす練習は、あまり見ないレアな光景

頭の左側を押さえて、体が突っ込まないように矯正する練習は見かけるが、この松山のように右側を押さえてもらって回転をうながす練習は、あまり見ないレアな光景

体のターンによって左サイドの壁ができる

ルックアップでスウィング矯正をしている松山だが、実は今どきのスウィングやギアにマッチした動きを作りやすいというのは、スウィング研究に長ける早川佳智プロだ。

早川佳智プロ
はやかわよしさと。1975年生。PGAティーチングプロA級プロ。愛知県日進市のゴルフ練習場「エトワス」でアマチュア、ジュニアを指導している

早川 大慣性モーメントドライバー時代の今、フェースターンをせずにボールをつかまえる打ち方が主流となっています。ストロンググリップにしてアドレスからつかまる体勢を整え、(トップからダウンでは)左手首を手のひら側に折ってフェースを閉じ気味に使い、あとはボールを横からドンと押し込むだけ。

早川 かつてのようにボールを見続けて、左のカベを意識して作ったりせず、体のターンをスムーズにおこなうことが大切になります。そういう面からも、ルックアップ打法は現代のスウィングやギアにマッチした動きだと思います。

画像: 左手をかぶせてフックに握る

左手をかぶせてフックに握る

画像: 左手首を手のひら側に折る。フェース面が空を向き左手甲が丸い

左手首を手のひら側に折る。フェース面が空を向き左手甲が丸い

画像: ヘッドが地面と水平に動きながら上昇

ヘッドが地面と水平に動きながら上昇

画像: フェースの開閉がしづらくオートマチックに動く現代のドライバー(写真はテーラーメイドM5)

フェースの開閉がしづらくオートマチックに動く現代のドライバー(写真はテーラーメイドM5)

【ポイント①】左手甲を丸く使いフェースを初めから閉じておく

左手甲を手のひら側に少し曲げることで、フェース面が閉じる“シャットフェース”になる。こうすることで、フェースターンをしなくてもボールをつかまえやすい。米ツアーをはじめ今主流のスウィングだ。

画像1: 体のターンによって左サイドの壁ができる

手元が浮かないように意識している松山

松山がやっているように両手を離して握ってダウンの形を作ることで、インパクトで手元の位置が下がる感覚がつかみやすいという早川プロ。

画像2: 体のターンによって左サイドの壁ができる

昔からルックアップしていた選手もいる

ルップアップは今に始まったことではなく、かつては歴代女子プロで最強といわれたアニカ・ソレンスタム、デビッド・デュバルやヘンリク・ステンソンなど名立たる選手が取り入れていた。

ルックアップとヘッドアップの違い

ルックアップは現代のスウィングやギアに合うといっても、気をつけなければいけないのは、ヘッドアップとは違うことだという早川プロ。その違いについて教えてもらった。

早川 ルックアップとヘッドアップの一番の大きな違いは、インパクトで上体が伸び上がるかどうかです。単にインパクトでターゲットを見るだけだと、上体が起き上がり、前傾や手元が浮いたヘッドアップになりミスショットを招きます。

画像: 〇インパクト以降は両目の傾きは斜め ✖地面と水平になると体が起き上がる

〇インパクト以降は両目の傾きは斜め
✖地面と水平になると体が起き上がる

早川 正しくルックアップするには、目線の使い方が大切になります。インパクト以降、右目を下にして斜めにターゲットを追う形を意識してみてください。これだけで上手くルックアップすることができ、体のターンがスムーズになるので、ヘッドが走るようになります。

ルックアップ打法実践者に続く

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