アイアン、飛ぶインパクトの作り方
①堀川未来夢プロの“スウィングの最下点を考える”
②星野陸也プロの“体の回転+左の位置”
③稲森祐貴プロの“両腕の三角形を崩さない”
④中里光之介プロの“ティアップドリル”
①長いインパクトゾーンだからブレない
堀川プロは、アマチュアの多くはインパクトが軌道の最下点になっていることを問題視する。
堀川 プロはボールよりも先が軌道の最下点なのに対して、アマチュアの方はボールが最下点になっています。するとちょっとでもフェースの入り方がズレたら飛ばなくなります。
堀川 一方、ぼくらプロは最下点がボールの先なので、多少開き気味に下りたり、かぶり気味に下りたりしても、当たる時点ではそんなにフェースの向きは変わらない。だからミスヒットでも縦の距離感がそれほどズレないんです。
いわゆるハンドファーストのインパクトになるのが理想だが、それを意識しすぎると体が突っ込みやすくなるので注意が必要だと堀川も言う。
堀川 左手でボールを押し込む意識を持つと、最下点をボールの先にすることができます。
【最下点がボールの先だと①】手を押し込むようにとらえる
左手の甲でフェース面を感じながらボールを押し込むように振る。ボールに当てる意識があると、手首がリリースされて押し込むことができない。体全体を使って押し込むのがポイント。
【最下点がボールの先だと②】ロフトが立ってインパクトできる
最下点をボールの先でイメージしておくことで、ロフトが立った状態でボールにコンタクトする。インパクトが点ではなくゾーンになるから、多少のフェース面のズレが起きても距離の誤差が出にくい。
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ダウンスウィングで待てるかどうかが鍵
星野陸也プロは、タメを作ろうとすると上からヘッドが入りすぎるので、タメを作ろうとする意識も、番手どおりの距離が出せない原因だと言う。
星野 よくアドバイスするのは、インパクトで左腕とクラブが一直線になるように意識してくださいということ。
星野 フェースがスクェアに戻る前にボールに当たるから右に出たり、飛ばなかったりするわけです。タメを意識してもキープしたままインパクトできる人はほとんどいません。結局、インパクトでは手首がほどけて手元が浮いたインパクトになってしまいます。
星野 それならタメは逆に意識せずに、フェース面をスクェアに戻すことを重視したほうが番手どおりの距離が出ますよ。
星野は切り返し後のダウンで打ちたくなる気持ちを抑えて、一瞬クラブが下りてくるのを待てばいいと言う。
星野 待てないからスクェアに戻せないんですよ。
【ポイント①】体の回転は止めない
左腕とクラブをインパクトで一直線にすることを意識すると手首の角度がリリースされて下からヘッドが入りそうだが、そこに体の回転が入るから、結果ゆるやかなダウンブローが実現する。
【ポイント②】体の中心を感じながら振る
左腕とクラブをインパクトで一直線にすることをイメージしながら連続素振りを行う。体の中心でフェース面がスクェアに戻ればロフトどおりの距離は必ず出る。まずは体の中心でヘッドが追い越していく感覚を身につけよう。
「左腕を意識するとボールを上から叩けますよ」
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③両腕の三角形を崩さない
ドライバーで曲がらないことは誰もが認める稲森佑貴だが、アイアンはどのような考えを持っているのだろうか?
稲森 腕とクラブの関係性を大事にしています。とくに左サイド。左肩から左手にかけての外側で面を感じて、そこをボールにぶつけるようなイメージです。
稲森 両腕の三角形をキープした状態でスウィングできれば、ボールへのコンタクトの仕方はつねに同じなります。それを左サイドで意識しているんです。
稲森 アイアンショットでもっとも避けたいのはインパクトでゆるむことです。アマチュアの方が飛距離を出せない理由はインパクトで合わせる動きが入ってしまうから。自分たちでもゆるむことはありますが、だからこそ手先のスウィングにならないように気をつけているんです。体のどこでもいいので面を意識するといいですよ。
【三角形を崩さない①】左の外側に面を感じる
左腕の外側で面を感じることで手先ではなく体全体でボールに圧をかけることができる。インパクトでゆるむのは手先でクラブを振っているから。体全体を使うことでゆるみを防止できる。
【三角形を崩さない②】手元を先行させる
手首の角度がほどけすぎると、イメージしているインパクトロフトよりも寝てしまう。手先でインパクトを合わせるスウィングになると手首はリリースされやすい。そのため手元を先行させることが大事。
【三角形を崩さない③】打つではなく押すイメージ
ボールを打ちにいくとどうしても手先の動きが勝ってしまう。下半身の動きも止まり、上体が突っ込みやすくもなる。体全体を使うためには下半身でスウィングをリードすることがポイントになる。
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④ティアップドリル
中里光之介はロフトどおりの飛距離をきっちり出す練習法を教えてくれた。
中里 打つたびにアイアンの飛距離が変わるのはちゃんと芯に当たっていないからです。自分も調子が悪くなるとやるのがハイティアップしたボールをクリーンに打つ練習です。大事なことはティを飛ばさないこと。
中里 スコアラインの下2本くらいでハーフトップさせる感じで打ちます。9番アイアンくらいで練習するのがおすすめ。ロフトが多いクラブでやるほど難しく、効果があります。振り幅はハーフスウィングで十分。小さい振り幅で練習してください。
【ポイント①】ボールだけを打つ
きれいに当てる必要はなくむしろトップ気味でいい。フェース面のスコアラインの下2本くらいで打てるのがベスト。ティが飛ぶのは綺麗に当てようとしている証拠。
【ポイント②】最初は小さい振り幅で行う
最初は小さい振り幅で行う。小さい動きでしっかりインパクトすることを覚えるのが目的。慣れてきたら徐々に振り幅を大きくしてもいいが、飛ばそうとする必要はない。
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TEXT/Masato Ideshima、 PHOTO/Shinji Osawa
週刊2019年12月3日号より
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「一番手飛ぶアイアンショットを手に入れる①」はこちら