【通勤GD】
通勤GDとは‟通勤ゴルフダイジェスト”の略。世のサラリーマンゴルファーをシングルに導くために、月曜日から金曜日(土曜日)までの夕方に配信する上達企画。ワンテーマを3回~6回のシリーズでお届け。帰りの電車内で、もしくは翌朝の通勤中、スコアアップのヒントを見つけてください。
前回の話し
Q、アイアンを止めるには?
最近飛ばなくなると同時に6~8番アイアンがグリーンで止まらなくなって、スコアがまとまりません。バンカー越えの140ヤードでもランでオーバーすることも。何か対策はありませんか? (61歳・HC9・会社役員)
A、150ヤード以内は“止まる”が大事
「最近アイアンがポロボロで。7番で140ちょっとぐらいしか飛ばなくなったのは仕方ないとして、グリーンでズルズル、ランが出ちゃうんです。で、カラーにこぼれたり、3パットしたりで、ボギー
やダボが増えちゃって……」
月イチラウンドペースながら、練習熱心で50歳過ぎてシングルになった部長さんなんだが、還暦を過ぎて飛距離がダウン。ただ、それよりアイアンが止まらなくなったことが深刻らしい。
「まあ、150ヤード前後のアイアンが止まらないと、シングルのスコア維持は大変だよな」
「それで、飛ぶアイアンを買おうかと思ったんですが、ロフトが立っているから余計止まらなくなる
んじゃないかと……。そこでオヤジさんの知恵を借りたくて」
「前、使っていた軟鉄鍛造の、まだあるよな? それをチューンで、飛んで止まるようにできるよ」
「以前使っていたモデルですか? ロフトが寝てますけど……」
ヘッドスピードが落ちてきた人が、止まりを求めるなら、まず高さを出せるようにすること。それには、ロフト増が最優先。
「その、寝ているロフトがいいんだ。で、それで飛距離が出るようにすればいいんだよ」
「それって、長尺化ですか?」
「そう。ただ、全部を一律に伸ばすんじゃない。番手ごとにメリハリがつくように、長さをフローさ
せるのさ」
よく“飛距離の階段”とかいうけど、その1段を大きくするんだ。
各番手が“15ヤード刻み”なら迷いもなくなる
奴さん、PWは105ヤード、9番は120ヤード打てて、ここまでは止められるらしい。
「8番で130ぐらい、7番で140キャリー……ぐらいかな」
シングルさんだから、この辺の飛距離の把握はしっかりしてる。
「それ、8番を135、7番は150、飛ぶようにすればいい。8番で0.5インチ、7番は0.75インチほど伸ばせばいけると思うよ」
「へ~、0.5インチ刻みを止めるんですか……。面白そうですね。じゃ、6番は165ヤード?」
「そうしたいところだけど、アイアンよりUTにしたほうがいい。高さ出しも、止まり性能も期待で
きるからな」
というわけで、チューンは7、8番の2本だけ。長くするのにシャフト交換といっても、日本シャフトの『ゼロス8』やカーボンの80グラム台を選んでも、費用はかなり抑えられる。
「とりあえずシャフトを軽く、長くしてみる。ロフトやライ角は、打ってみてから調整すればいいよ。軟鉄鍛造なら、いくらでも調整が利くから」
「でも、10ヤード刻みのほうが狙いを絞れそうな気がしますが、なぜ15ヤード刻みに?」
「逆だよ、なまじ飛距離に差がないから、加減した時にちょっと芯を外すと大失敗になるんだよ」
7番より短い番手でも、薄めや噛み気味の当たりでカンタンに10ヤード以上、ショートする。
「5ヤード加減しようとするから難しいんで、7~10ヤード落としていいとなると、思い切って短く持ったり、振り幅を抑えられるから逆にきちんと打てる。メリハリをつけられるから、番手選びも打ち方も迷わなくなっていいんだよ」
7番で軽めか8番でしっかりか、なんて悩むのは番手間の距離が短すぎるから。短く持って8ヤード落ちる、とかシンプルなほうが、月イチゴルファーにはいい。
「ロフトが大きければ、短く持ってもスピンが確保できて止まる。7番で35度以上は欲しいね。だから古いモデルがいいんだよ」
月刊GDより(イラスト/コーチはじめ)
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