ヘッドスピードが速くなくても、しっかりとボールを飛ばすことができるツアーの女子プロたち。注目の13選手のスウィングとギアを、プロコーチ・ノリー堀口とカリスマフィッター・小倉勇人が分析。アマチュアにも参考になる飛ばしのヒントが見えてきた!

PING使用3選手のドライバーをチェック!

メジャー覇者の渋野プロ、賞金女王・鈴木愛プロが使用するピン「G410」からスタート。比嘉真美子プロを合わせた3人で、2019年女子ツアー13勝を挙げたドライバーだ。

渋野日向子はG410プラス

画像: 賞金ランク2位。平均飛距離248.2Y(12位)

賞金ランク2位。平均飛距離248.2Y(12位)

画像: 「MOIが大きくミスヒットしても曲がりづらく、ボール初速も出るヘッド。弾きのある中調子のシャフトは球を押し込め、つかまりすぎません」(小倉)

「MOIが大きくミスヒットしても曲がりづらく、ボール初速も出るヘッド。弾きのある中調子のシャフトは球を押し込め、つかまりすぎません」(小倉)

G410 PLUS(10.5度)
   +
スピーダー569エボリューションVI(SR・44.75インチ)

弾き感あるシャフトに大MOIヘッド。ちゅうちょなく振り切れます

堀口 クラブをちゅうちょなく振り切る渋野選手にマッチしているドライバーヘッドとシャフトの組み合わせ。下半身を踏ん張りながら、クラブが体に巻きつくようにインサイドから下ろしてもシャフトがついてきてくれます。

小倉 カチカチでロフトを立ててライ角をフラットにして、ちょうどいいつかまり具合になるのでしょう。ヘッドはMOIが大きくて球が曲がる不安がないし、シャフトはしっかり感がありながらほどよくしなる。高打ち出し&低スピンで飛ばせます。

鈴木愛はG410LST

画像: 賞金ランク1位。平均飛距離242.6Y(25位)

賞金ランク1位。平均飛距離242.6Y(25位)

画像: 「スピンを抑えるヘッドで叩いてもライナー気味に球を前へ飛ばせます。ハリがあって芯を外しても当たり負けず、自然と強い球が出るシャフトは秀逸」(小倉)

「スピンを抑えるヘッドで叩いてもライナー気味に球を前へ飛ばせます。ハリがあって芯を外しても当たり負けず、自然と強い球が出るシャフトは秀逸」(小倉)

G410 LST(10.5度)
   +
ALTA JCB RED(S・45.5インチ)

アッパー軌道に振りやすいスペック

堀口 トップでは深くねん転をして右に乗っていますが、ひざが動かないし、お尻は左に残ってターゲットを向いている。この関節の柔らかさが強みです。ダウンスウィングでしっかりタメをつくって、全体がしなる、しなやかなシャフトを生かしながら、アッパーに打ち抜いています。

小倉 純正シャフトとして出色の仕上がりで、スピンを抑えるヘッドとのコンビで強い球で飛びます。ローテーションをしているのに球が左へ行かないのは。ピンの大MOIヘッドの特性でしょうね。

比嘉真美子はG410プラスの9度

画像: 賞金ランク18位。平均飛距離249.6Y(8位)

賞金ランク18位。平均飛距離249.6Y(8位)

画像: 「手元側がしなるシャフトは、シャキッとした剛性感がある振り心地。ヘッドは芯を外しても球がブレずに初速が出ます。打ちごたえがあるクラブですね」(小倉)

「手元側がしなるシャフトは、シャキッとした剛性感がある振り心地。ヘッドは芯を外しても球がブレずに初速が出ます。打ちごたえがあるクラブですね」(小倉)

G410 PLUS(9度)
   +
ピン ツアー173-65(S・45インチ)

重めヘッドに60g台のシャフト。しっかり振りたい仕様

堀口 トップが高くてタメが強く、ねん転を使いながら頭を残して振り抜くスウィング。左を気にせずしっかり振っていきたいために、45インチとクラブを長くせずに、女子としてはややハードスペック(60グラム台・S)の中元調子シャフトを使用しています。

小倉 ヘッド速度が速めで飛ばすポテンシャルがあるからこそ、ほどよくスピンが入って曲がりにくいヘッドと、手元しなり系で剛性感があるシャフトの組み合わせ。ティショットをエリアで狙えるドライバーですね。

小祝さくらはスリクソンZ785と手元しなりのディアマナDF50

画像: 賞金ランク8位。平均飛距離244.9Y(15位)

賞金ランク8位。平均飛距離244.9Y(15位)

画像: 「狙ったところへ球を打ち出せる操作性の高いヘッドと手元側がしなって強い球が打てるシャフトです」(小倉)

「狙ったところへ球を打ち出せる操作性の高いヘッドと手元側がしなって強い球が打てるシャフトです」(小倉)

スリクソンZ785(9.5度)
   +
ディアマナ DF50(S・45インチ)

手元がしなって強い球が打てる仕様です

堀口 ややワイドなスタンスからしっかりと体重移動をする、下半身主導でバランスの良いスウィング。ダウンでタメが効いているからこそ、動きが少なくて球が左に行きずらいシャフトが合います。45インチで当てやすいし振り切れるのでしょう。

勝みなみはスリクソンZ785とディアマナB50

画像: 賞金ランク10位。平均飛距離246.9Y(9位)

賞金ランク10位。平均飛距離246.9Y(9位)

画像: 「クセがない中にも、手元にやや動きがあるシャフト。ニュートラルなクラブ特性で直進性が高いです」(小倉)

「クセがない中にも、手元にやや動きがあるシャフト。ニュートラルなクラブ特性で直進性が高いです」(小倉)

スリクソンZ785(9.5度)
   +
ディアマナ B50(S・45.25インチ)

いまどきドライバーのど真ん中を操る

堀口 股関節が軟らかく、下半身を安定させつつ上体をリラックスして、深いねん転を作っています。自分の動きで大きなエネルギーを生んでいるので、コントロールしやすくて引っかかる心配がないスペックを好むのでしょう。

柏原明日架はエピックフラッシュ サブゼロのウェートを外して使用

画像: 賞金ランク11位。平均飛距離240.5Y(30位)

賞金ランク11位。平均飛距離240.5Y(30位)

画像: 「後方のウェートを外してソールに鉛を貼った浅低重心のヘッドで、ロースピンの強弾道で飛ぶ」(小倉)

「後方のウェートを外してソールに鉛を貼った浅低重心のヘッドで、ロースピンの強弾道で飛ぶ」(小倉)

エピックフラッシュ サブゼロ(10.5度)
   +
ディアマナ RF60(S・45.75インチ)

ヘッドを加速させるスウィングとシャフト

堀口 コック&リリースでヘッドを走らせて、アッパーブローで大きなフォローへ。低スピンで厚くインパクトできるヘッドと、ハリが強くても弾きのあるシャフトを生かして飛ばしています。アゲンストに負けない強弾道でランを稼げますね。

成田美寿々はエピックフラッシュ サブゼロの10.5度

画像: 賞金ランク17位。平均飛距離243.4Y(21位)

賞金ランク17位。平均飛距離243.4Y(21位)

画像: 「手元調子のシャフトと逃がし系のヘッドで球が左に行きません。初速が出るし、スピンが抑えられます」(小倉)

「手元調子のシャフトと逃がし系のヘッドで球が左に行きません。初速が出るし、スピンが抑えられます」(小倉)

エピックフラッシュ サブゼロ(10.5度)
   +
TENSEI CKプロ オレンジ50(S・46インチ)

46インチで振り抜きやすい組み合わせとスペック

堀口 右サイドでタメを作って振っていくタイプなので、先がしっかりしたシャフトだと当たり負けすることなく叩きにいける。スピンが少ないヘッドをアッパーに入れて、効率よく飛ばしている。コントロールしやすいクラブですね。

テレサ・ルー、後方のウェートを外したエピックフラッシュ サブゼロ

画像: 賞金ランク23位。平均飛距離251.5Y(5位)

賞金ランク23位。平均飛距離251.5Y(5位)

画像: 「左に行かないヘッドと、クセがなくてタイミングが取りやすいシャフトです。とにかく低スピン!」(小倉)

「左に行かないヘッドと、クセがなくてタイミングが取りやすいシャフトです。とにかく低スピン!」(小倉)

エピックフラッシュ サブゼロ(9度)
   +
ツアーAD PT5(S・45.75インチ)

ねん転差が生むエネルギーをダイレクトに伝えるクラブ

堀口 ねん転差がハンパなくて、インパクトでもまだ胸が右を向いているイメージ。この動きで生まれた大きなエネルギーを、ニュートラルな全体しなりのシャフトとスピンが少ないヘッドで無駄なくボールに伝える。これは飛びますね。

松田鈴英は飛距離モンスターJGRとスピーダーエボV

画像: 賞金ランク32位。平均飛距離253.4Y(3位)

賞金ランク32位。平均飛距離253.4Y(3位)

画像: 「ローテーションしやすいヘッドと先が鋭く弾くシャフト。クラブが球をつかまえてくれます」(小倉)

「ローテーションしやすいヘッドと先が鋭く弾くシャフト。クラブが球をつかまえてくれます」(小倉)

ツアーB JGR(10.5度)
   +
スピーダー569エボV(S・45.5インチ)

振り抜くことに集中してつかまりはクラブにお任せ

堀口 インパクトゾーンが長くて、フェースの向きを保ちながらフォローを出していく。狙った方向へ振り抜いて、クラブにつかまえてもらうイメージ。フォローのポジションからもアッパーに打ち抜いているのがわかります。

青木瀬令奈はスリクソンZ785とダブルキックのアッタス11

画像: 賞金ランク35位。平均飛距離226.9Y(92位)

賞金ランク35位。平均飛距離226.9Y(92位)

画像: 「ダブルキック系でアッパーに入りやすいシャフトです。スピンを抑えたハイドローが打てるクラブ」(小倉)

「ダブルキック系でアッパーに入りやすいシャフトです。スピンを抑えたハイドローが打てるクラブ」(小倉)

スリクソンZ785(9.5度)
   +
アッタス11(5R・45.25インチ)

クラブの力を利用して高打ち出し&低スピン

堀口 バックスウィングが大きくてトップが高いアップライトなスウィングで、ダブルキック系シャフトのしなりを利用してヘッドを走らせています。叩いたり力むことなく、シーズンを通して自分のリズムで振っていけるクラブです。

永井花奈は大慣性モーメントのRMX120

画像: 賞金ランク36位。平均飛距離229.8Y(86位)

賞金ランク36位。平均飛距離229.8Y(86位)

画像: 「大慣性モーメントで直進性が高いヘッドと40グラム台の軽量でしなるシャフト。狙った方向へ真っすぐ打てます」(小倉)

「大慣性モーメントで直進性が高いヘッドと40グラム台の軽量でしなるシャフト。狙った方向へ真っすぐ打てます」(小倉)

ヤマハRMX120(9.5度)
   +
ツアーAD TP4(S・45.25インチ)

球がブレにくいヘッドをシャフトで加速させる

堀口 コックやローテーションを抑えて体でターンするスウィンガータイプ。軽量かつ走るシャフトでしなりを感じながらタイミングよく打っています。9.5度のロフトはアッパーに当ててイメージどおりの球の高さを出すためでしょう。

大里桃子はツアーB XD-3と素直なシャフト

画像: 賞金ランク38位。平均飛距離237.3Y(49位)

賞金ランク38位。平均飛距離237.3Y(49位)

画像: 「球がつかまりすぎないヘッドと動きを抑えたハードなシャフト。思い切ってつかまえにいけます」(小倉)

「球がつかまりすぎないヘッドと動きを抑えたハードなシャフト。思い切ってつかまえにいけます」(小倉)

ツアーB XD-3(9.5度)
   +
ディアマナD Limited50(S・45.5インチ)

感覚と技術を生かして打てるしっかりシャフト

堀口 コックやリストターンを積極的に使って打つので、クラブは余計な動きをしない仕様ですね。クセがないシャフトで振りにいけてコントロールしやすいし、50グラム台でもやや重みを感じて重い球で飛ぶイメージです。

葭葉ルミはオノフ黒の46㌅長尺仕様

画像: 賞金ランク39位。平均飛距離253.6Y(2位)

賞金ランク39位。平均飛距離253.6Y(2位)

画像: 「ハジきが強いシャフトと操作しゃすいヘッドで、46インチでもしっかり戻ってくるし、ヘッド速度が上がります」(小倉)

「ハジきが強いシャフトと操作しゃすいヘッドで、46インチでもしっかり戻ってくるし、ヘッド速度が上がります」(小倉)

オノフKURO(9.5度)
   +
クレイジーロイヤルデコレーション(X・46インチ)

"軽・硬"の長尺を振り切って飛ばす

堀口 高いトップから下半身リードで、タメをかなり作って振り下ろします。その振りにマッチするしっかり感がありながら弾く"軽・硬"の長尺クラブで、ヘッドを加速させている。クラブの長さを感じさせないスペックです。

テーラーメイドM5(9度)
   +
スピーダー661エボVI(SR・45.75インチ)

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