今回調査した32人の選手は全員、ティアップしたあとに素振りを1〜3回行っていました。このショット前素振りは大きく3種類に分けられると解説するのは中井学プロ。詳しく聞いてみました。
画像: 【解説/中井学】 なかいがく。米国留学中から、独自に理論を構築。現在は、自らツアーに参戦しつつ、多くのプロ、アマチュアを指導する。

【解説/中井学】
なかいがく。米国留学中から、独自に理論を構築。現在は、自らツアーに参戦しつつ、多くのプロ、アマチュアを指導する。

プレショットルーティンの調査は、2019年ツアー最終戦「リコーカップ」に出場した女子プロ32人で行いました。

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調査した女子プロ32人、全員が素振りをした

ショット前の素振りには、体をほぐし、クラブの重さ長さを確認するための①フィジカル素振り。クラブの動きやポジションを確認する②テクニカル素振り。球筋、弾道を意識しながら行う③イメージ素振りの3つがあります。

PGAツアー(男子)の場合は、ドライバーでもイメージ素振りをする選手が圧倒的に多いのですが、日本の女子ツアーでは、ほとんどの選手がフィジカル素振りをしていました。

フィジカル素振り 32人中→26人

クラブの重さ、長さを感じることが最大の目的。目標を見ずに振る、歩きながら振る、フォローから振り戻して振るなどは、典型的なフィジカル素振り。
(渋野日向子/鈴木 愛/小祝さくら/その他多数)

河本結

テクニカル素振り 32人中→3人

インパクトゾーンをなぞったり、クラブのポジションやフェースの向きをチェックしたりするのは、技術的な確認を目的とする素振り。
(シン・ジエ/比嘉真美子/イ・ボミ)

比嘉真美子

イメージ素振り 32人中→3人

頭のなかで球を打ち、球筋をイメージしながら行う素振り。そのため、どんな球を打とうとしているのかわかりやすい。32人中3人。 アプローチショットの場合は、この素振りをする人が多い。
(イ・チヒ/ファン・アルム/フォン・シャンシャン)

フォン・シャンシャン

ワッグルしたのは成田美寿々だけだった

調査した32人の選手のなかで、ワッグルをしたのは成田美寿々だけ。アドレスに入ってからクラブをタテに動かす選手、足踏みをする選手は数人いましたが、クラブを左右に揺らす選手はいませんでした。これは、柔軟性が高く、動きが硬くなりにくい女子ならではの傾向でしょう。ただ、全員構えたらほとんど時間をおかずにテークバックを始めていました。

画像: ワッグルしたのは成田美寿々だけだった

ティの高さをチェック

ティアップ直後、ヘッドをボールの後ろにセットして、ティアップの高さをチェックしたのは32人中3人。これならすぐにマネできる?

高橋彩華

画像: ティの高さをチェック

ティの差し方にも意味がある

飛球線後方でティアップする人は、打ち出すラインを重視する傾向があり、ボックス(アドレスの位置)でティアップする人は、弾道や球筋を重視しているか、足元のライを確認する傾向がある。

ショットライン重視の飛球線後方派32人中→15人

稲見萌寧 

画像: ティの差し方にも意味がある

足元のライ重視、ボックス派32人中→17人

勝みなみ 

画像: ライン重視か、足元のライ重視かでティを差す位置が変わる

ライン重視か、足元のライ重視かでティを差す位置が変わる

ラウンドの少ない人はルーティンを作り込め

プレショットルーティンには、作り込んだものと自然にできたものがあります。男子の場合、より高い効果を求めてルーティンを作り込むプロも多いのですが、女子のほとんどは経験と感性によって自然にでき上がったルーティンでした。

基本的に、ラウンド数の多いプレーヤーは、ルーティンが自然にでき上がります。逆を言えば、ラウンド数の少ない人はルーティンが決まりにくいので、そういう人ほどルーティンを意識して作り込む
とよいでしょう。

自分のイメージ、目的に合ったルーティンを確立することは、確実にグッドショットを増やす効果があるので、是非意識してもらいたいと思います。

PHOTO/Hiroyuki Okazawa

週刊GD2020年1月28日号より

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