昨年プロテストに合格した西村優菜はジュニアの頃からショット力が武器だと言う。そのなかでもショートアイアンの精度の高さには自信を持つ。今回は、西村の持ち味であるショートアイアンの技術的な秘密と自身のゴルフ観について語ってもらった。持ち前の明るさとゴルフに対する真摯な姿勢を武器に、プロとしての第一歩がいよいよ始まる!
画像: 【解説】西村優菜 にしむらゆな。2000年生まれ大阪府出身。アマチュア時代に数々の成績を残し、ナショナルチームのメンバーにも選出。昨年のプロテストに一発合格を果たす。安田祐香、古江彩佳などのプラチナ世代の中心として活躍が期待される

【解説】西村優菜
にしむらゆな。2000年生まれ大阪府出身。アマチュア時代に数々の成績を残し、ナショナルチームのメンバーにも選出。昨年のプロテストに一発合格を果たす。安田祐香、古江彩佳などのプラチナ世代の中心として活躍が期待される

西村優菜って
どんなプロ?

GD ショートアイアンが得意になった要因を教えてください。

西村 一番練習量が多いというのは理由のひとつですが、スウィングを作るために9番アイアンやPWで練習してきましたし、今でもつねにやっているからです。それで自信がついたというのはありますね。

GD フェース面の打痕がすごいですよね。

画像: ショートアイアンでスウィング作りをするのは「振りやすい」から。練習では高い球や低い球を打ち分けたり、ターゲットを変えたりしながら打つことで飽きずにできると話す

ショートアイアンでスウィング作りをするのは「振りやすい」から。練習では高い球や低い球を打ち分けたり、ターゲットを変えたりしながら打つことで飽きずにできると話す

西村 球数は昔からかなり打ってきたと思います。ただ、高校に入ってからは怪我の影響もあり、1球1球考えて練習するようになりました。

GD 考えてとは具体的に?

西村 練習場ではいろんな方向に打つ練習をします。あとは距離の看板のどこに当てるかまで、細かく狙いを定めて打っています。結果はそれほど重要ではなくて、きっちり決めて打つことが大事だと考えています。

GD なるほど。では将来的な目標を教えてください。

西村 日本で活躍することはもちろんですが、海外でプレーしたいと考えています!

画像: 「デートで行くなら京都がいいかな♪」

「デートで行くなら京都がいいかな♪」

【身長・体重】150センチ・50キロ
【血液型】O型
【出身校】大阪商業大学高等学校
【利き手】
【足のサイズ】23.5センチ
【飛距離(1W)】230ヤード
【持ち球】ドロー
【ゴルフ以外のスポーツ歴】なし
【好きなスポーツ】サッカー(見る専門)
【好きな食べ物】牛タン
【好きな芸能人】白濱亜嵐
【好きな男子選手】リッキー・ファウラー
【コーチ】中島敏雅
【休日の過ごし方】寝る、ショッピング
【自分の長所】まめなところ
【自分の短所】興味がないものには本当に興味が湧かない!
【デートで行くなら】京都
【試合中の私、ここを見て】セカンドショットの精度に注目してほしい

画像: 西村優菜って どんなプロ?

【体重移動】
右足一本で立つくらい体重を乗せる

GD 技術的な部分で大事にしていることを教えてください。

西村 バックスウィングでしっかり右足に体重を乗せることを意識しています。私の場合、ミスをするときはだいたい右へ抜ける。それは体重をしっかり右に乗せられていないことが原因です。右に乗りきらないと、体の回転が浅くなって、打ち急いでしまいます。すると、フェースが戻りきらずに、開いたままインパクトしてしまいます。だからまずは、しっかり体重を右足に乗せることを大事にしています。

画像: 【体重移動】 右足一本で立つくらい体重を乗せる

GD インパクトを正確にむかえるための準備が大事だということですね?

西村 そうです。調子が悪くなると、これができていません。

GD 体重を右に乗せるということはダウンでは左に移動するのですか?

西村 そうです。私は、右に乗ることでしっかり左へ踏み込むことができます。そのため、下半身はかなり使う意識を持っています。スウィングの主役は下半身。練習では右足1本で立つステップ打ちもよくやる練習法なんですよ。

しっかり体重が乗ると① 
ダウンでクラブの通り道が確保できる

バックスウィングでしっかり体が回るとダウンでふところができるため腕の通り道ができる。結果、スムーズな動きになりリズムよく振り切れる

画像: しっかり体重が乗ると① ダウンでクラブの通り道が確保できる

しっかり体重が乗ると②
打ち急ぎがなくなる

右にしっかり乗るとトップから切り返す際に間ができる。回転が浅いと手先でボールに合わせようとするため打ち急ぎの原因になる。

画像1: しっかり体重が乗ると② 打ち急ぎがなくなる
画像2: しっかり体重が乗ると② 打ち急ぎがなくなる

ドリル
ステップ素振り

“体重を乗せる”が意識できますよ

バックスウィングは右足1本で立つ。上げた左足をダウンで踏み込みながら振ると、体重移動も切り返しの間も、両方チェックできる一石二鳥の練習。

【上半身の脱力】
腕の脱力が大事

GD 下半身に対して、上半身はどのような意識ですか?

西村 できるだけ脱力させることを意識しています。バックスウィングが浅くなる理由は上半身に力が入りすぎているから。ついつい力みがちなので、試合中もつねに脱力することは心がけています。

GD 脱力することは難しいと思いますが、どのようなことをしていますか?

西村 私は6割の力で振るようにしています。力を抜こうとするとスウィングがゆるむので、注意が必要です。6割の力感でスウィングできると腕の力みは自然に解消されます。

画像1: 【上半身の脱力】 腕の脱力が大事
画像2: 【上半身の脱力】 腕の脱力が大事

GD 6割で振るコツはありますか?

西村 インパクトで急に力を入れようとしないこと。同じスピードでフィニッシュまで振り切ることで力感を落とすことができます。

脱力のための3つのポイントとドリル

脱力のために①
肩をスッと下ろす

まずは準備が大事。アドレスで両肩をストンと落とすようにして構えるとこで上半身の余計な力が抜ける。肩を上下に動かしてからアドレスに入ると肩が落ちた状態が作れる。首が長く見えるのが目安。

画像1: 脱力のための3つのポイントとドリル

脱力のために②
つねに動き続ける

上半身を脱力させてから構えても、ピタッとアドレスで止まってしまうと無意識に力が入りやすくなる。西村はワッグルをしながら下半身も左右に動かし、止まることなく始動する。

画像2: 脱力のための3つのポイントとドリル

脱力のために③
正面にクラブを持ってきてから構える

剣道の竹刀をイメージして体の正面にクラブを合わせてから、ヘッドをセットすると体の左右のバランスが整う。左右のバランスが整うと上半身の力は抜ける。

画像3: 脱力のための3つのポイントとドリル

ドリル
ハイティアップ打ち

ハイティアップした状態でティを飛ばさずに打てるかどうかで力みを確認できる。インパクトで力が入りすぎたり、力が抜けすぎたりするとクリーンに打つことができない。

画像: 力みがなくなります!

力みがなくなります!

120㍎「6割くらいの気持ちで振っています」

画像4: 脱力のための3つのポイントとドリル
画像5: 脱力のための3つのポイントとドリル

【出球の管理】
出だしで9割決まる

GD スウィング以外の部分で注意していることは?

西村 つねにスパットを決めて打っています。ボールの先30センチくらいの場所に目印を見つけるようにしています。

GD それは打ち出しの方向を安定させるためですか?

西村 そうです。打ち出しが狂うと結果は伴いません。それに打ち出しが正確に出せないということはアドレスの方向も間違っているということになります。その意味でも、近くに目印を決めると、アドレスも正確にできるようになります。

GD なるほど、迷いがなくなるということですね?

西村 そうなんです。脱力と右足に乗ること、それと打ち出しの方向を決める。これだけに集中することで余計なことを考えずにスウィングができます。

①ボールの後ろからターゲットを確認

画像: スウィング中にあれこれ考えるとミスをしやすい。ひとつのことに集中することで雑念が入らないので、リズムよく振り切ることができる

スウィング中にあれこれ考えるとミスをしやすい。ひとつのことに集中することで雑念が入らないので、リズムよく振り切ることができる

②スパットを見つけ、それを見ながらアドレスに入る

画像1: 【出球の管理】 出だしで9割決まる

③準備万端! あとは気持ちよく振り抜くのみ!

画像2: 【出球の管理】 出だしで9割決まる

TEXT/Masato Ideshima 

PHOTO/Takanori Miki

週刊GD4月28日号より

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