【通勤GD】
通勤GDとは‟通勤ゴルフダイジェスト”の略。世のサラリーマンゴルファーをシングルに導くために、月曜日から金曜日(土曜日)までの夕方に配信する上達企画。ワンテーマを3回~6回のシリーズでお届け。帰りの電車内で、もしくは翌朝の通勤中、スコアアップのヒントを見つけてください。
前回のお話し
Q、UTのロフトを変えると何が変わる?
ユーティリティにもカチャカチャ機能が付いていますが、1度程度ロフトが変わっても飛距離がそんなに変わるとは思えません。変えてみると何か他にメリットがあるんでしょうか? (34歳・HC13・会社員)
本当に変わるのは
シャフトの入り方
「オヤジさん、新しくユーティリティを買ったんですけど、このホーゼルのカチャカチャ、どう使え
ばいいんですかね?」
常連さんの息子さんで、最近調子が上がってるせいか、最新クラブにも興味が湧いたらしく、よく買い替えるようになった。で、今回はピンのユーティリティを買ったんだと。
「『G410』のハイブリッドの4番なんですけど。ロフトを1度とか1.5度とか変えられたり、ライ角をフラットにできるそうなんですけど、いじると何かメリットってあるんですかね?」
「そのままノーマルで打ちやすいんなら、そのままでいいよ」
「でも、フラットにしたら左に行きにくいとか、ロフトを1度寝かしたら高く上がりやすいとか、あるんじゃないですかね?」
「まあ、そう理屈どおりにはいかないな。カチャカチャ機能は、シャフトがヘッドにどの角度で人るかを変えているわけだから、意図通りの結果にならない場合もあるんだよ」
たとえばロフトを立てる=シャフトを右から挿すわけだから、そのままソールするとフェースは右を向きやすくなる。スライスする要素が加わるけど、それでもしつかりつかまえるとロフトが立ったぶん飛ぶ。でもつかまえきらないとスライスして、かえって飛ばなくなるんだ。
「まあ、1度程度の違いなら普通につかまえられるんだけどね。ただ、ドライバーなんかと違うのは、ソールの座りが影響するんだよ」
ヘッドの抜けが
かなり変わる
ロフトとともに変わるのがソール角。たとえばロフトを1度寝かせると、ソール角も1度増える。
「それ、どういうことですか?」
「刃が浮きやすくなる、ソール後方から地面に当たりやすくなる。ダフリ気味に入ったときに、突っ
かかりにくくなる半面、ヘッドが跳ねやすくもなるかな。要は、ヘッドの抜け具合が変わるんだ」
地面にあるボールを打つFWとUTは、カチャカチャ機能はソールの抜け具合を調整するのに生かすといい。上手く調節すると、ラフなどでの使い勝手がかなり変わってくるはず。
「すると、ロフトを寝かせるのがいいんですかね?」
「そうとは限らない。振り方によっては、ソールが跳ねすぎて薄い当たりになることもある。一概に
は言えないんだよ」
「では、どうすれば?」
「いろいろ試してみるのが一番。モデルによってもソール幅、重心設計、シャフトの仕様とか千差万別なんだから、他のモデルでは上手くいっても、このモデルではダメ、なんてこともある。あまり決
めつけないで、まずはひと通りいじって、打ってみながら決めるのがベストなんだよ」
昔は、特にFWで左へのミスを嫌って、シャフトを右から挿してくれ、ていうオーダーも多かったんだけど、今はカチャカチャ機能でカンタンに試せるようになったんだから、いい時代だな(笑)。
逆にカチャカチャのモデルで自分好みのソールの脱り方の傾向が見えてきたら、カチャカチャのないモデルを選ぶ際にも役に立つと思うよ。カチャカチャ機能は便利なんだけど、ホーゼルに重量が集
中したり、見た目の構えやすさにも影響するんで、敬遠する人も結構いるからな。
後で奴さん、いじり倒して、フラットにしてロフトを1度寝かせたら、ラフからすごくボールを拾いやすくなったんだと。高さが出やすくなって、飛距離も逆に伸びたらしい。やっぱり、優先するの
は抜けの良さなんだよ。
月刊GDより(イラスト/コーチはじめ)
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