コロナ禍で注目されるようになった「免疫力」。これを高める方法を50年以上前に確立していた医師、塩谷信男氏の著書があらためて注目されている。先生の教えを伝えている姉妹に話を聞いた。
画像: 塩谷信男(写真提供・真和界)

塩谷信男(写真提供・真和界)

塩谷信男
明治35(1902)年生まれ。東京大学医学部卒。昭和6年渋谷に内科医院を開業。昭和61年、84歳で閉院。その後91歳で自らの医療経験を生かして考案した、酸素を最大効率で簡単に取り入れることができる呼吸法「正心調息法」の講演、執筆活動に入る。写真は96歳の誕生日記念ゴルフのとき

画像: 柿内恵子さん(右)と佐藤敬子さんは双子の姉妹。

柿内恵子さん(右)と佐藤敬子さんは双子の姉妹。

塩谷氏の呼吸法を伝えている柿内恵子さん(右)と佐藤敬子さん
渋谷、舩堀で月1回(京都で年2回、そのほか地方でも)の実習会を行う(真和界・080-6729-7772/shinwakai.sth@gmail.com)。
「HPやYouTubeは持っていません。先生は組織は作ってはいけないと。一期一会の集まりです」

病気・老化・ストレスは
酸欠からくる健康力低下にある

塩谷氏の健康理論を実現するための呼吸法が「塩谷式正心調息法」である。塩谷氏はこれを60歳で完成、日々自身でも実践しながら105歳で天寿をまっとうされた。この呼吸法を伝えているのが柿内恵子さん・佐藤敬子さん姉妹だ。

「両親と先生は昔からお付き合いがありましたが、先生が91歳のときから講演会のサポートと呼吸法の実習会も行うようになり、両親が亡くなった後、私たち二人が引き継ぎました。伝え聞いてきた先生の素晴らしいお話や教えを葬ってはいけないと、月1回の実習会を15 年以上続けています」(佐藤)

病気や老化、ストレスの原因は酸欠からくる健康力低下にあると塩谷氏は著書などで伝えている。

酸素を取り入れると免疫力が上がる

「現代人は体内に取り込む酸素が足りないんです。今、人間の細胞は100兆あるといわれています。細胞に酸素をたくさん偏りなく入れて細胞を元気にしないと免疫力は上がりません。そのための呼吸法が『正心調息法』。呼吸は全身につながるもの。指の先、毛細血管まで酸素がのっていく。呼吸って普段あまり意識しませんよね。だからこそ、きちんと行うと全身が変われるんです」(柿内)

画像: わきを軽く締め、ひじは直角に曲げ、両手のひらでゴルフボールをやさしく包み込むように組む

わきを軽く締め、ひじは直角に曲げ、両手のひらでゴルフボールをやさしく包み込むように組む

「酸素がしっかり入れば、細胞1つ1つがきちんと働き、血管や器官が丈夫になり健康になる。病気
になる前に細胞が治してくれる。まさにウイルスに負けない免疫力です。これを先生は本などで科学
的に説明されています」(佐藤)“正心”は日頃の正しい心の使い方、“調息”は一種の腹式呼吸法だ。

「先生はいつも“前向き・感謝・愚痴をこぼさない”とおっしゃっていました。そして肺底まで入る
深い呼吸をすると、酸素とともに宇宙の無限力(気・プラーナ)も取り込め、思いと体が変わって健
康になれると。ご自身が体現者で常に前向き、90歳を超えてもとてもお元気でした」(佐藤)

「この呼吸法を実践していると若返ります。“中味”が若いから先生も常に明るく、ウイットに富ん
でいて、2000人を前に講演しても皆を笑わせていました。ゴルフでも60歳をすぎてシングルに。エージシュート挑戦を宣言し、きちんと達成されました」(柿内)

90歳をすぎてからも
エージシュートを達成

ゴルファーでもあった塩谷氏。ゴルフは34歳からはじめ“週1”ラウンド。エージシュートは87歳
(スコア83)、92歳(スコア92)、94歳(スコア94)で達成している。

「先生の教えで大事なことのもう1つが『百事如意』。思うことはすべて成就すると。これって宗教
っぽく思われがちで伝えるのが難しいのですが、ただの神頼みではない。人間の努力は必要です。た
とえば先生なら『93歳でエージシュートする』という目標を定め、呼吸法を行うと同時に、自分の体を使い努力もされていた」(佐藤)

「先生は必ず毎朝1時間、ゴルフの練習をされていました。呼吸法で元気だけれど、筋肉は衰えるか
らそれをカバーするための打ち方をずっと研究されて。自分がこうしたいという思いと呼吸法とを合
わせて行っていると、自分自身が変わる。体のなかから何かが湧き出て、努力も自然に楽しくできる
ようになる。また、自然と自分に良い物事や人を引きつけてくるようにもなるんです」(柿内)

実践者は、トップアスリートから企業家、政治家など幅広い。方法は下記のとおり。1日25回を20~30分かけてゆったりと行う。毎日続けることが大事だという。

「塩谷式正心調息法」

鼻呼吸とイメージ力を使う

【吸息】
鼻から静かに息を吸う。丹田に向かって吸い込むように、下腹部の風船を膨らませるイメージで

【充息】
肛門を一瞬キュッと閉めて息を止める。「想念」を過去形で断言し、叶った様子をイメージする

【吐息】
鼻から静かに吐く。下腹部を引っ込ませ風船の空気を抜くイメージでしっかり吐き切る

【小息】
間合いの呼吸として2、3回普通の呼吸をする(鼻でも口でもよい)

「毎日続けるから酸素が少しずつ溜まります。ただ、普段の呼吸を変える必要はない。毎日この呼吸
法を行う時間を作ると、疲れたときなどに、深い呼吸がサッと出るようになる。呼吸と同時に想念・内観を行うことも大事。自分の願いを心のなかで過去形で宣言し、絵としてイメージします」(佐藤)

実際、記者がやってみるとまずは心が落ち着く感じがした。そして、体の軸を意識できる。「正心調息法」は、前向きな心を作る、丹田に力を入れて体幹を作る、疲れない健康な体を作るという。すべてゴルフの上達にも必要なことだ。

「先生がずっとゴルフされてたのも、つながることが多かったからでは。仕事でもこの呼吸をして臨むと結果がよくなります」(柿内)

「何より爽やかな気分になります。一度コツを覚えれば難しいものではありません。鼻呼吸が自然にできるようになるので、マスクをする現状にも有用です」(佐藤)

「コロナ鬱も吹っ切れますよ。コロナのおかげで家にいる時間が増えました。だからその時間を利用するとよいと思います」(柿内)

「世界が変わらざるを得ない状況ですが、何かを変える良いきっかけにもなると感じます」(佐藤)

人生100年時代を生きる我々への塩谷信男先生からのメッセージを、あらためて考えてみたい。

『大健康力』
緊急重版発売中!

100歳越えても病気知らずボケ知らず

“病気の百貨店”と揶揄された医学博士が、東西の医学を試行錯誤するなかでたどりついた不変の健康理論『大健康力』(本体1500円+税/小社刊)をあなたにも。

ご購入はこちらから!⇩

画像1: www.amazon.co.jp
www.amazon.co.jp

ILLUST/Yasugahira Masaya

週刊GD6月30日号より

週刊ゴルフダイジェスト最新号をキンドルで!

画像2: www.amazon.co.jp
www.amazon.co.jp

This article is a sponsored article by
''.