現在はプリファードライ適用の場合もある
新型コロナウィルス感染症予防対策としてゴルフ規則が一部修正され、ローカルルールによってはプリファードライ(救済エリアにプレース)にてプレーすることができるようになっている。
【足でならした跡】
打ち込むかすくい打つか
GD バンカー内の悪いライの打ち方を教えてもらいたいのですが、まずは足でならしたライの打ち方を教えてください。
兼濱 足でならすと、真ん中がほんの少しですが凹んでいることがあります。そのためボール位置によって、打ち方を変える必要があります。自分からボールを見て、左と奥側にあればインサイドアウトで手を返す。逆に右と手前側にあれば、上から下へ振り下ろすアウトサイドイン軌道で打ち込みます。ちなみに真ん中にある場合は、いつも打っているバンカーショットで対応できるので問題ありません。
足ならし跡
まずは状況判断
“奥と左”と“手前と右”で打ち方を変える
足でならした場合、真ん中が凹んでいるため、ボールが止まっている位置によって、砂に接している部分がそれぞれ異なるという。「自分からボールを見て“奥と左”と“手前と右”で打ち方を変える必要があります」(兼濱)
【打ち方①】
フックを打つイメージですくい打ち
自分から見てボールが目標方向側(左)と遠い側(奥)にある場合は、ヘッドを低い位置から入れて、フェースを返して砂を爆発させることで脱出させる。このとき、右足かかとが上がらないように、腕を振ってフェースを返そう。
【打ち方②】
ヘッドを返し振り上げる
インサイドアウトで振るため、フォローはヘッドが高い位置に上がっていく。打つ前にフォローの位置を確認してから打つと、スウィングイメージが出しやすい。
【打ち方①】
スライスを打つイメージで打ち込む
自分から見てボールがヘッドを入れる側(右)と体に近い側(手前)にある場合は、上からヘッドを
入れないと、砂を爆発させにくい。そのために、左足に体重を乗せたままスウィングする。高いトッ
プから低いフォローをイメージしてアウトサイドイン軌道で打とう。
【打ち方②】
ボールを斬るイメージでフェースを返さない
刀でボールを斬るイメージでヘッドを上から下へ斜めに動かすことで、アウトサイドイン軌道で振りやすい。このとき、フェースを返さないことも意識しよう。
【レーキ跡】目玉と思って
爆発させて打つ
GD 次はバンカーレーキの跡にボールがある場合の打ち方を教えてください。
兼濱 状況判断が大切です。ここで、確認することが2つあります。ひとつは、目標に対してのレーキ跡の向き。2つ目はレーキ跡のどこにボールがあるかです。レーキの向きが目標方向と平行なら、レーキ跡の谷の部分にボールがあっても通常のバンカーショットで対応できます。問題なのは、レーキ跡が目標方向と直角に交わって、谷にある場合です。この場合は、砂の抵抗が大きくなり、さらにボールが沈んでいるので上から叩いて砂を大爆発させる必要があります。左足体重にしてコックを使って思い切り叩いて脱出しましょう。
レーキ跡
状況判断
線の方向と山か谷かを見極める
レーキ跡は凹凸があるため、山の部分にあるボールは問題ないが、谷にハマっているとヘッドを深く砂に入れる必要があるので、まずは見極めが重要.
【レーキ跡アドレス】
左足重心にしてフェースは1時に開く
左足体重にしてヘッドを鋭角に入れやすくする。レーキ跡のライは砂の密度が薄いので、フェース
を時計の1時を指すくらい開くと砂を爆発させやすい。
【レーキの打ち方①】
コックを使って高いトップを作る
テークバックの始動時、コックを使って左手の親指にシャフトを乗せるようにクラブを上げる。すると、上から下へ強く叩けるため、砂の抵抗に負けずに打ち込める。
【レーキの打ち方②】
上から砂を叩いたらフォローは左腰で終了
打った後、左腰で止める意識を持つと強く砂を叩ける。フォローを大きく取ろうとすると、上
から叩きにくいため、砂の抵抗に負ける原因につながる。
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【雨の日の跡】
“パンチ”か“フル”か
GD これから梅雨の時期になり、雨の日のバンカーも状況が悪く難しいと思います。
兼濱 雨で砂が湿っているときも、まずは状況判断が重要です。
GD 注意点はどこですか?
兼濱 砂のどこまで雨が浸透しているかを確認してください。判断基準は、スタンスで足場を固めたとき、ボール1個分以上雨が浸透しているか否かです。ボール1個以上、雨が砂に浸透しているときは、砂がしまって重たい状態です。砂にヘッドが入りにくいため、上から強く打ち込むパンチショットのような感じで砂を爆発させてください。表面だけ濡れている場合は、砂をピンに届かせるイメージでゆっくり大きく振ってください。スウィングアークが大きくなると、砂の抵抗に負けなくなるので、多少湿っているバンカーのときに効果絶大です。
砂全体に水が浸ってる場合
左足1本で体全体を支える
右足を一歩引き、左足1本で立つくらいの意識で構える。水が浸透した砂は硬いため、ヘッドを鋭角に入れられる構えを作ることが大事
【全体に浸っている打ち方①】
ヘッドの重みを感じ脱力して下す
ヘッドの重みを利用して砂に打ち込む。腕の力で打ち込もうとすると、砂に深く入りすぎてザックリになる。腕の力は抜き、重力を使ってスピードを出す。
【全体に浸っている打ち方②】
打ったら終わり振り上げない
砂の抵抗が大きいので、ヘッドを無理に振り抜かず、打って終わりにする。パンショットのように
打ち、インパクト時の砂の爆発だけでボールを脱出させる。
表面だけ濡れている場合
【表面だけ濡れているアドレス】
体重配分は両足均等にする
左右均等の体重配分で構えるが、スウィングアークが大きくなるので、やや重心を下げて下半身がブレないように安定感を出しておく。
【表面だけ濡れている打ち方①】
腰を地面と水平回転させる
砂を薄く長く取るために、右腰がつねに高い位置をキープしながら腰を回転することを意識する。
【表面だけ濡れている打ち方②】
フィニッシュまでしっかり振り切る
フィニッシュまで大きく振り切ることだけに集中する。砂の抵抗に負けまいと速く振ったり、インパクトを強く叩く意識はいらない。
【シューズ跡】
ヘッドを刺しえぐり出す
GD 最後にシューズ跡に入った場合はどうすればいいですか。
兼濱 もう最悪ですね(苦笑)。まずは、シューズ跡ごとすべての砂をえぐり出さないと脱出できません。そのために、クラブはPWなど砂に刺さりやすいものを選択します。あとは重心を下げて構え、上からとにかく叩くのみ。多少の腕力も必要となりますので、渾身の力を振り絞ってインパクトに一点集中してヘッドを突き刺して、砂をえぐり出してください。脱出できば御の字と考えて、割り切って考えてください。
【シューズ跡アドレス】
スタンス幅を広げて重心を下げる
思い切り上から叩きたいため、スタンス幅を広くして、重心を下げて構えることが重要。ひざをしっかり曲げて下半身を安定させる。
【シューズ跡のクラブ選択】
砂に深く刺せるPWか9Iを使用
とにかく砂にヘッドを入れることを最優先に考えたい状況。SWよりソール幅が狭く、バウンスが少ないPWや9番アイアンを使うといい。
【シューズ跡の打ち方①】
上からドンッ!で終わり
砂を叩いて大爆発させるには、トップを高くしてインパクトでヘッドを砂に突き刺し、大量の砂をえぐり出す。このときフォローを取る意識はいらない。
PHOTO/Hiroaki Arihara
週刊GD6月23日号より
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