求める機能は
ドライバーのサブ
ツアー事情に詳しいレックス倉本プロは、こう語る。
「ティショットでのベスポジキープ。USツアープロが3番ウッドに求めるパフォーマンスは、これが最優先されます。フェアウェイ幅が40㍎前後あって、かつ左右にハザードがないような場合は、飛距離のアドバンテージを取るためにドライバーで振りちぎれますが、ドッグレッグや狭いホールでは無理。置きに行きたいけど、なるべく距離は稼ぎたいという場面で、プレッシャーに強く操作性が確保できる3番ウッドが有効なんです」(レックス)
対し、パー5の2オン狙いなどでグリーンを狙うケースはあまり多くないと言う。
「下手に届くだけだと、3パットしてしまうリスクがある。グリーン狙いは、主に止められる5番ウッドやUTの役割ですね」(レックス)
では“置きに行ける”機能とは、どういうものなのか。
「ティショットの場合“風に持っていかれない””ランが出すぎてトラブルにならない”というのがポイント。操作性が高いというのはスピンコントロールが利く、つまりフェードやドローが安定して
打てることと、スピン量を加減して弾道をコントロールできることです。逆に、ランの量はあまり気にせず、直進性と風に負けない強弾道を求め、低スピン系のライナーが打てるモノを選ぶプロもいま
す」(レックス)
言わば″ティショットのお守り的存在”と言ったところか。アマチュアも真似したい。
プロが求めるのは“大怪我しない3W”
【T・ウッズ】テーラーメイドSim MAX Rocket3
コントロール性を重視し、初速が出すぎる『SIM』ではなく『SIM MAX』を選択。基本的にドロー
は打ちやすいが、カットに入れるフェードが微妙にイメージと合わないので調整中らしい。
SiM Max 使用プロ
T・ウッズ(ロケット)、G・ウッドランド、J・デイ、D・ジョンソン、J・ローズ
今年1月頃からチェンジ
「初速が出すぎずコントロールしやすい」
マスターズでの復活優勝を支えた『M 5』は強い高弾道が魅力。『SIM MAX』より小振りなシルエットも、タイガー好みの操作性のイメージに馴染む。
【A・スコット】タイトリスト TS2
操作性の高い小振りな『TS4』ドライバーとロングアイアンの間のFW はこれ1本だけ。ロフト16.5 度は、ティだけでなくセカンドでの使い勝手も考慮したもの。
【R・ファウラー】コブラ KING F8+
ドライバーは43.5㌅、3Wは42㌅、5Wは40.5㌅の短尺仕様が最も振りやすいという。ロフト設定はノーマルで使用。ロフト13.5 度の『SZ』に替えることも。
【J・スピース】タイトリスト 915F
「2,000 ~ 3,000 球は打ってからでないとクラブは決めない」というスピース。一時『TS2』に替えたが、すぐに戻した。顔と打感が特にお気に入りとのこと。
【P・ミケルソン】キャロウェイ エピックフラッシュサブゼロ
昨年は『Xホット3ディープ』、今年は『マーベリックサブゼロ』など、シニア入り目前で飛び系モデルを次々に試しているミケルソン。高く打ち出せるパワーは健在。
【J・トーマス】タイトリスト TS3
2018 年から使用の3W『TS3』で275㍎キャリーを出せるというトーマス。5W『915FD』は250㍎先のグリーンを狙えるよう、シャフトも1ランク軟らかい。
【J・ニーマン】ピン G410
最近のピン契約プロに多いのが、アイアンよりUT、FW、ドライバーと徐々にバランスが重くなっていくセッティング。ニーマンもUTがD2、3WがD3+だ。
【J・ラーム】テーラーメイド SiM
ホーゼルでロフトを1.5 度プラスしながらも、ヘッドの高い反発性能とインパクトで押し込めるシャフトとのマッチングで、低スピンのビッグボールを実現。
【F・モリナリ】キャロウェイ マーベリックサブゼロ
「スピン量が多すぎるとコントロールしづらい」というモリナリ。「スピン量が少ないモデルを選んでおけば、打ち方次第でスピンは増やせる」が持論。
“暴れない”球を打てる2つの条件
FWで置きに行く際、しっかり振り抜くのがプロ。そのため、つかまりすぎて引っかかる要素は排除する。走りすぎないシャフト選び、フェースを右に向ける調整が定番だ。
【条件①】フェース
大きめロフトを立てるホーゼル調整で“右向き”
【条件②】シャフト
先端が走り過ぎない“中調子”
文/戸川景
PHOTO/Tadashi Anezaki、Hiroaki Arihara
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