岡谷のうなぎは歴史が深く、さかのぼること江戸時代、参勤交代でここを通るお殿様にうなぎの蒲焼を献上していたという。浜松で生まれたうなぎの一部が「暴れ川」と呼ばれる天竜川を上り、水源である諏訪湖を棲息地としていた。諏訪湖は古くから淡水漁業が盛んで、シジミも養殖され美しい湖は餌も豊富。そんな諏訪湖で育ったうなぎは丸々と太り、「岡谷のうなぎは日本イチ」という美食家も少なくない。

ゴルフ場メシ向上委員会は「高くて」「マズい」と何かと不評の多いゴルフ場の「味改革」に役立つヒントを探しながら、誰もが食べて旨いと感じる味覚の標準値を探ります。「旨いの基準」は本家本元、本流の味を提供し続ける伝統店、人気店のメニューを考察し、多くの人に支持される味の秘密に迫るものです

画像: 秘伝のタレに漬け込んで焼くこと4回。この照りが生まれる

秘伝のタレに漬け込んで焼くこと4回。この照りが生まれる

本来、土用といえば夏が相場だが、ここ岡谷では産卵や冬眠に備え、特に脂の乗りがいいとされる冬こそうなぎの旬だと「寒の土用丑の日」を提唱している。そう聞くと「寒うなぎ」に惹かれるが、いやいや、うなぎと言えばやはり夏。例年以上に暑い2018年の夏を乗り切るために、日本イチとやらの……うなぎを食しに岡谷を目指すことにした。

新宿から特急あずさで2時間半。JR中央本線、岡谷駅で下車。天竜川沿いを歩いて10分。諏訪湖までの間に一体何軒のうなぎ屋があったのだろう……。道を歩いていると醤油の焦げた香りが鼻腔をくすぐってくる。すでにうなぎモードは全開に。この道、ある意味ちょっとヤバいかも……。

「岡谷流」蒲焼は、さばき関東、焼き関西

今日、訪れたのは「うなぎのまち岡谷の会」会長、今野利明さんが営むうなぎの館「天竜」です。ごめんくださ~い。「旨いの基準」取材班です。暖簾をくぐると、香ばしい香りがガツン!この店、本当に凄いかも。

画像: うなぎの店天竜/直焼きならではの脂の香ばしさが特徴

うなぎの店天竜/直焼きならではの脂の香ばしさが特徴

「いらっしゃいませ、岡谷にようこそ。今からうなぎを焼きますから厨房へどうぞ」

あれ? む、蒸し器がない……。

「古くから岡谷でうなぎの蒲焼といえば背開き、蒸さない、炭火で焼く3つの特徴があります。というのも諏訪湖のうなぎは脂が非常に乗っているため、蒸してしまうとべっちゃりした触感になってしまいますし、脂の乗りがいいので焼くだけでふっくらした食感が出せる。これを炭火で焼きあげて引き立てるわけですよ」

素焼きにタレをかけて焼き上げる岡谷の「焼き」は関西流というわけ。ではさばき方はというと、背開きで、切腹を嫌がった武士文化の関東流である。脂たっぷりといううなぎの特徴もあるだろうが、岡谷は地理的に日本の中心とされる辰野町のとなり町ということもあり、関東、関西、どちらの文化も流入しているのかもしれない。

画像: タレの味わいも含め「これぞ岡谷のうなぎ」を楽しめる

タレの味わいも含め「これぞ岡谷のうなぎ」を楽しめる

「どうでしたか?岡谷のうなぎのお味は……」

旨いの基準に認定申し上げます。直焼きならではの脂の乗った香ばしさ。タレの味わいも含め「これぞ岡谷のうなぎ」といった味わいです。

岡谷でうなぎ屋といえばもう一軒「御うな小松屋」をおすすめしたい。もちろん製法は昔変わらぬ「岡谷流」だが、本当は焼き上げた後に蒸しているのでは?と思うほどの食感と、甘みを抑えたタレが関東の人にとっては馴染み深いはず。

画像: 料亭のような店構えが特徴で、店主の小松一史さんはゴルフ好き

料亭のような店構えが特徴で、店主の小松一史さんはゴルフ好き

大正5年の創業以来100年以上つぎ足されてきたというタレには、浜松から諏訪湖まで200キロ以上も天竜川をのぼっきたうなぎの生命力が染み込んでいるに違いない。夏バテも冬の倦怠感も「岡谷のうなぎ」もきっと吹き飛ぶことでしょう……。

画像: 大正時代から川魚料理店として店を構える老舗小松屋

大正時代から川魚料理店として店を構える老舗小松屋

うなぎの館「天竜」の営業は11時30分~14時のランチタイムのみなので、来店はプレー前日のランチで。御うな「小松屋」は11時~14時15分(ラストオーダー)、17時~20時15分(ラストオーダー)。どちらのお店もうなぎがなくなり次第終了となりますので、ご来店の際は予約を忘れずに。定休日にもご注意ください。

【今回ご紹介した「旨いの基準」店】

うなぎの店 天龍
長野県岡谷市天龍町3-22-11
TEL.0266-23-0669
https://www.unagitenryu.com/

御うな小松屋
長野県岡谷市本町3-10-10
TEL.0266-23-0407
http://ouna.co.jp/

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岡谷うなぎの近隣コースは、どこも標高1000ⅿ超の天空ゴルフだ

上田治設計の塩嶺カントリークラブ

画像: 塩嶺カントリークラブ

塩嶺カントリークラブ

夏でも涼しい標高1000ⅿ。ボールも飛びます。

塩嶺カントリークラブ
長野県塩尻市大字北小野4956 TEL.0263-56-2211
公式ホームページはこちら

諏訪湖カントリークラブ。眼下に諏訪湖、四方に八ヶ岳、アルプスの絶景

画像: 諏訪湖カントリークラブ

諏訪湖カントリークラブ

諏訪湖カントリークラブ
長野県諏訪市大字四賀字霧ケ峰7718-1 TEL.0266-52-1780
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広くてフラットな高原27ホール、諏訪レイクヒルカントリークラブ

諏訪レイクヒルカントリークラブ
長野県岡谷市川岸7085 TEL.0266-23-1224
公式ホームページはこちら

月刊GD2018年8月号より

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