誰もが一度は口にしたことのあるヨシギュー。2018年6月時点、国内1200店舗、海外817店舗を構える。そんな吉野家は明治32年、日本橋の魚河岸で生まれた。「早い」「うまい」「安い」というキャッチフレーズは忙しく味にうるさい魚河岸の男たちを満足させる必然だったのだろう。関東大震災を経て築地へ移った「河岸」とともに吉野家も店を移す。それが現在の築地1号店だ。

ゴルフ場メシ向上委員会は「高くて」「マズい」と何かと不評の多いゴルフ場の「味改革」に役立つヒントを探しながら、誰もが食べて旨いと感じる味覚の標準値を探ります。「旨いの基準」は本家本元、本流の味を提供し続ける伝統店、人気店のメニューを考察し、多くの人に支持される味の秘密に迫るものです

吉野家フリークを名乗るなら、一度は食べたいカスタムオーダー

午前中の早い時間に暖簾をくぐると市場でひと仕事終えた魚屋さんたちで店は賑わっていた。それぞれの丼をよく見るとひとりひとり微妙に盛りが違う。そう、ここ築地1号店には、吉野家フリークのよだれが止まらない「裏メニュー」が存在する。

画像: 吉野家フリークを名乗るなら、一度は食べたいカスタムオーダー

築地1号店独特の難解なオーダーを整理してみよう。

●つゆの量/完全につゆを入れない「つゆ抜き」から「ちょい抜き」「ちょいだく」「だくだく」の順で量が増える。

●ネギの量/「ちょい抜き」「ちょいだく」「だくだく」の順で増えるが、過去ネギとご飯だけの牛丼(と言っていいのか)「ネギだけ」をオーダーする常連さんもいたらしい。

●肉について/脂身多めな「トロだく」や脂身の少ない「トロぬき」を選べる。量については「3切れ」なんてオーダーもあったというから驚き。

画像: 築地1号店独特の難解なオーダーを整理してみよう。

●ご飯について/大さじ1杯ほどの「極かる」や半シャリといった量だけでなく、冷たいご飯が好みのお客さんには「つめしろ」、熱々が好みであれば「あつしろ」と細分化。

個人の好みに対応。もはや家庭料理の域に達している

「常連さんがどんなオーダーをされるのかを全員が把握しているんです。なので座られたら注文を待たずし『いつもの』をお出しします」

この細かさは個人飲食店のレベルを越え、もはや家庭料理の域と言える。本来、チェーン店とは「いつでも、どこでも、同じ味」が鉄則のはずだが、これこそが旗艦店「築地1号店」ならではのこだわりなのかもしれない。

画像: 個人の好みに対応。もはや家庭料理の域に達している

全国の他店舗でも通常オーダーとして「つゆだく」と「つゆ抜き」、「ネギだく」と「ネギ抜き」、「アタマの大盛」「アタマの特盛」などが用意されている。

これだけでも我々が持つほとんどの「わがままオーダー」に耐えうるはずだが……。

非効率を嫌い、しかも味にうるさい江戸っ子たちは江戸前鮨や天ぷらなど現代につながるファストフードを生み出した。そんなことを考えながら、全国の店舗で供されるいわゆる「並盛」を口にすると、何となく心は江戸の魚河岸気分。

「おいしいでしょ。実は1号店の牛丼には秘密があって・・・」と店長さん。

江戸の河岸で長きにわたって培われた「粋」と、ちょっとした秘密があいまって築地1号店の「並盛」は特別な味がした。

【今回紹介した「旨いの基準」店】

吉野家築地店
東京都中央区築地5-2-1中央卸売市場フードC
TEL.03-5550-8504
営業時間:5:00~13:00(定休日:築地市場に準じる)
(※築地市場の移転問題。その動向もきになるところ)

ゴルフ場で牛丼といえば、タイガー・ウッズが思わず「ワンモア!」と言った、フェニックスカントリークラブの宮崎牛の牛丼

画像: フェニックスCCに来たらランチは迷わず「宮崎牛の玉子とじ丼」を注文。タイガー・ウッズの顎を落とした逸品をどうぞ。

フェニックスCCに来たらランチは迷わず「宮崎牛の玉子とじ丼」を注文。タイガー・ウッズの顎を落とした逸品をどうぞ。

画像: フェニックスカントリークラブ

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月刊GD2015年12月号より

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