古の設計家・藤田欽哉が武蔵野台地に造った名コース「東松山カントリークラブ」。メンバーになって4年目に念願のクラブ選手権を制覇した大久保光彦さん。戦略性の高さにプロも苦戦するコースから「コースマネジメントの重要性を学んだ」というクラブチャンピオンに東松山の攻略法を教えてもらった
画像: 大久保光彦(おおくぼみちひこ)さん/46歳 平成29年東松山CCクラブチャンピオン


大久保光彦(おおくぼみちひこ)さん/46歳
平成29年東松山CCクラブチャンピオン

飛距離:250~260Y
球筋:フェードボール
HC:2
得意クラブ:SW(60度)
ゴルフ歴:28年
入会:2012年
入会理由:練習施設と競技が充実していたから

1番でつまずかない これが東松山の鉄則

2020年の東京五輪の舞台となる、霞ヶ関カンツリー倶楽部の創設に携わり、日本のゴルフ場設計界の“レジェンド”とも評される藤田欽哉。同氏が設計した、歴史に残る8コース(霞ヶ関・東 東松山 千葉・野田 八幡 伊豆国際 静岡・島田 千曲高原 紫雲)のうちのひとつ、埼玉県の東松山カントリークラブが今回の舞台。

大久保 東松山のメンバーになって、一昨年のクラブ選手権で優勝しましたが、ここは距離が長いし、松のハザードが効いていて戦略性がとても高い。グリーンには傾斜があって、スピードも速いから、攻略が難しいんです。コースは基本的にフラットですが、フェアウェイにアンジュレーションがあって、平らなライからはなかなか打たせてくれません。いまでも痛い目に遭っていますが、飽きのこないコースです。

東松山CCはもともとアウトとインの18ホール構成だったが、1987年に9ホールを増設。東・中・西の3コース27ホールとなった。増設した9ホールはもとのアウトに組み込まれて、中コースと西コースに。もとのインはそのまま東コースになり、多少のコース改造は加えられているものの、開場時とほぼ変わらない藤田欽哉氏のオリジナルが残されているという。

大久保 コースを象徴するようなホールはたくさんありますが、東・中・西、3コースすべて、スタートホールの難易度が高いのが、東松山CCの特徴のひとつです。とくに東コースの1番ホールは、スタートから緊張を強いられます。

東の1番パー4は、3オン1パットが100点満点

画像: 425Yと距離があり、右サイドのOBが近いスタートホール

425Yと距離があり、右サイドのOBが近いスタートホール

画像: 東コース1番のフェアウェイには背の高い木がある。「1番ホールが最難関。朝イチから集中力マックスで挑みます!」(大久保)

東コース1番のフェアウェイには背の高い木がある。「1番ホールが最難関。朝イチから集中力マックスで挑みます!」(大久保)

一般的には、スタートから数ホールは比較的やさしく、徐々に難易度が高くなっていくという構成のゴルフ場が多い。自分の今日の状態を確認しながら、徐々に調子を上げていくという、朝イチの攻略法はここでは通用しない。

大久保 東の1番は右サイドのOBが浅いので、フェアウェイの左サイドに打つのが鉄則。ただ、左に逃げすぎてマウンドにボールがキャリーすると、飛距離も出ないし、つま先下がりの難しいライに止まってしまうんです。とはいえ、朝イチから快心のショットを求めてミスすると、すぐにダボ以上になります。パーが欲しい気持ちをグッと抑えて、悪くてもボギーで収めるマネジメントに徹するんです。

大久保 左グリーンのバンカー方向を狙って安全な左サイドへ置くのがベスト。飛ばすよりも方向性を重視し、確実に3打で乗せてパーパットを打ちたいですね。

大久保さん流 スタートホールを成功させる3つの心得
①飛ばすことより安全な場所へ打つこと
②素振り感覚で力まないこと
③フィニッシュまでしっかり振り切ること

大久保さんの260Yショット

打ち急がずに素振り感覚でリズムを重視
スタートホールから会心のドライバーショットが打てる確率は低い。距離を欲張ると力みが出やすいので素振り感覚で振る。ゆるみすぎも禁物なのでフィニッシュまで振り切る

画像: 東コース1番、正面奥のバンカー方向へ打つのが鉄則

東コース1番、正面奥のバンカー方向へ打つのが鉄則

2打目の距離が残ってもいいから、ペナルティだけは絶対に避け、パーオンにはこだわらない。

大久保 スタートでつまずかないこと。これが東松山CCでスコアをまとめるコツですね。

【朝イチで成功するための準備①】
自宅&スタート前素振りで、ヘッドが走る感覚を作っておく

画像: 素振り練習器具マニアという大久保さん。キャディバッグにはいろいろな素振りグッズが入っている

素振り練習器具マニアという大久保さん。キャディバッグにはいろいろな素振りグッズが入っている

画像: 1番がタフな東松山では、スタート前の体ならしが大切!

1番がタフな東松山では、スタート前の体ならしが大切!

大久保 ラウンド前は素振りでウォーミングアップ。東松山に入って自宅でも素振りするようになりました。

【朝イチで成功するための準備②】
手と足のワッグルで始動から体を動きやすく

画像: 東の1番パー4は、3オン1パットが100点満点

スタートホールは緊張からアドレスで体が固まりやすい。これではスムーズに始動しにくくなってしまう。

大久保 アドレスした後もパタパタと足を動かしたり、ワッグルをしたりして、体の動きを止めないように注意しています。

3打目勝負のパー4ズラリ。花道手前の20Yに運ぶのが僕のパールート

ゴルフの奥深さをコースが教えてくれた

大久保さんが東松山CCのメンバーになったのは、初めて出場した競技ゴルフで、予選落ちをしたのがきっかけだったという。

大久保 予選ぐらいは通れるだろうと、埼玉県アマに出たんですが、見事に天狗の鼻をへし折られました。それが悔しくて、上手くなるには自分のコースを持たないとダメだと思ったんです。

知人の会員権業者に勧められたのが、東松山CCだったという。

大久保 プロのトーナメントも行われる戦略性の高さがあって、ドライビングレンジやアプローチ練習場などの施設も充実している。ここのメンバーになれば、絶対に上達できると思って決めました。

画像: 500ヤード近いモンスターパー4。右サイドは林がせり出し、左にしか打ち出せない

500ヤード近いモンスターパー4。右サイドは林がせり出し、左にしか打ち出せない

大久保 中コースの7番パー4も難易度の高いホールです。2打目の距離やライによってはボギー狙いでダボだけは叩かない戦略に切り返えます。(大久保)

入会して最初にもらったHCは13だったが、4年後には3になり、その年にクラチャンを獲得した。

大久保 4年間でHCを10も減らせて、クラチャンにもなれたのは、コースに所属しているヘッドプロの齋藤(拓也)さんのおかげです。東松山CCのような戦略性の高いコースは、しっかりコースマネジメントができないと、いいスコアは出せません。メンバーになる前はそこまで深く考えたことはありませんでしたが、齋藤さんからマネジメントの大事さを教わったんです。

画像: 「ピンが左ならば右サイドへ。次がやさしくなります」

「ピンが左ならば右サイドへ。次がやさしくなります」

画像: 左がヘッドプロの齊藤拓也プロ。「もともとショットの技術は高いものを持っていたんです。それを生かすためにも、マネジメントが大事だという話はしました。彼の実力で勝ち取ったクラブチャンピオンですよ」(齊藤)

左がヘッドプロの齊藤拓也プロ。「もともとショットの技術は高いものを持っていたんです。それを生かすためにも、マネジメントが大事だという話はしました。彼の実力で勝ち取ったクラブチャンピオンですよ」(齊藤)

ヘッドプロから教わったナイスショットへの近道
【グリーンから逆算するマネジメントを覚えよう】
①寄せワンルートを見つける
②打つべきルートがはっきりする
③アドレスの向きが安定する
④1打に集中できる
⑤いいスウィングができる
⑥スコアがよくなる
⑦よりマネジメントを大切にする

400ヤードを超えるパー4が多いのも、東松山の特徴のひとつで、特に中コースは5つのパー4のうち、4つが400ヤード超えだ。

大久保 パーオンが難しいなら、ミスしてもやさしいアプローチが残るように狙う。しっかり戦略を立てることで落ち着いてプレーできるから、おのずとショットも良くなる。ゴルフというゲームの奥深さを、教えてくれたのが東松山です。

【グリーンを外すなら、寄せワンが狙いやすい所へ】

画像: 長いパー4では、長い番手で打つので無理にパーオンを狙うと大叩きしがち。「ミスした時にどこへ外すかが大事」と大久保さん。寄せワンへの近道を常に考えているそう

長いパー4では、長い番手で打つので無理にパーオンを狙うと大叩きしがち。「ミスした時にどこへ外すかが大事」と大久保さん。寄せワンへの近道を常に考えているそう

難しいサイドには外さないようマネジメント

画像1: ゴルフの奥深さをコースが教えてくれた

パーが狙えるアプローチ①「包み込むようなインパクト」

画像2: ゴルフの奥深さをコースが教えてくれた

ミスの許容範囲の広い打ち方で確実にワンパット圏内に寄せたい。

大久保 上から打ち込まずに手前から包み込むように打てば、少しくらいダフッても大丈夫。楽な気持ちで打てます。

パーが狙えるアプローチ②「20Yのピッチ&ランをマスターする」

画像3: ゴルフの奥深さをコースが教えてくれた

もっとも多い状況は手前の花道から20ヤードくらいのアプローチ。確実に寄せワンを決めたいから徹底的に練習。

大久保 左右均等の振り幅でキャリーとランを使って寄せていきます。

大久保さんの14本「やさしさで選んだM2の5W、UTはタイト910H」

画像: ロングアイアンは大きなミスが出やすいので、やさしいFWとUTを入れています

ロングアイアンは大きなミスが出やすいので、やさしいFWとUTを入れています

1W:ピンG400MAX(9度)
3W:キャロウェイXR
5W:テーラーメイドM2(18度)
UT21度:タイトリスト910H(21度)
5I~PW:ミズノプロ518
50・54・58度:タイトリストボーケイSM6
PT:ベティナルディジャムマレット

東松山カントリークラブ
埼玉県東松山市大谷1111 
TEL.0439-39-1010
開場日:1963年11月3日
コース:27H
東コース:3382Y・P72
中コース:3561Y・P72
西コース:3475Y・P72
設計:藤田欽哉
公式ホームページはこちら

東松山CCのコース

※大久保道彦さんにはボランティアとして取材協力していただきました

月刊GD2019年8月号より

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画像: golfdigest-play.jp
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